長谷川清の発言 (本会議)
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○長谷川清君 私は、民社党・スポーツ・国民連合を代表して、ただいまの林大蔵大臣の財政演説について、宮澤総理並びに関係大臣に質問いたします。
まず初めに、日本の経済構造の転換についてお尋ねをいたします。
今、日本経済は深刻な不況に直面しております。生産、消費ともに落ち込み、大量の勤労者やパートが職を失っております。中小企業の倒産が相次いでおります。また、貿易黒字は九二年度、史上最高の一千二百六十億ドルに達し、ジャパンパッシングの嵐はさらに強まっております。現在の輸出依存、産業優先のこの経済構造を根本から改善しない限り、この巨額の貿易黒字は解消されず、諸外国の批判がやむことはないと考えます。
四月二十九日、ワシントンで開催されました先進七カ国蔵相・中央銀行総裁会議において円高が抑えられましたことは評価をしておりますが、これと引きかえに、日本に対しましては内需拡大を通じた輸入の増加や構造改革、市場開放を進めて黒字を減らせよとの宿題が出されたことを忘れてはなりません。と同時に、これら諸外国から言われるからという理由ではなくして、我が国の主体性において真に国民が人間らしい生活を送り、物心ともに豊かな生活が保障される社会を確立するためにも、日本経済の構造を抜本的に転換させる時期であると考えるのであります。
〔議長退席、副議長着席〕
景気対策についても、単に経済成長を達成すればいいという発想を捨てて中長期的なビジョンを伴った政策を実施すべきであります。
民社党は、一九八七年以来、生活先進国の建設を提唱してまいりました。したがいまして、政府が今生活大国づくりに取り組んでおりますことは率直に評価をしているところであります。しかしながら、その実際の効果は弱々しいと言わざるを得ません。政府の責任をより明確にし、ハードのみならずソフトの面においても気を配り、日本の経済構造の変革をも盛り込んだダイナミックな内容に改めて、プラン・ドゥ・シーのそれぞれの段階においてこの実施に全力を挙げて取り組むことを宮澤内閣に強く求めるものでございます。総理の答弁を伺いたいのであります。
質問の第二は、物価問題についてであります。
生活先進国づくりにとりまして日本の高い物価を解決することは不可欠の条件であります。しかも、最近の強い円を好機といたしまして、一気にこの高い国内の物価を引き下げるチャンスが到来しているものと私は考えます。強い円による購買力の拡大は外国から日本に贈られた一種の減税
サービスだと言ってもいいでしょう。割安になりました製品、サービスの輸入拡大、差益の出る輸入原材料価格の引き下げ、国内流通部門の合理化など、物価引き下げのための内外価格差是正アクションプログラムをこの機会に、その中には一次、三次産業の近代化によるコストダウン政策も入っております。これらを実施することこそ今なす政治の責任であると声を大にして言いたいのであります。総理及び経済企画庁長官の熱意のほどを承っておきたいのであります。
質問の第三は、住宅対策についてでございます。
バブルが崩壊し、地価は下落傾向にありますものの、大都市圏ではサラリーマンのマイホームの取得は依然として困難であり、現実には住宅は遠きにありて通うものとなっております。年収の五倍でサラリーマンが本当に住宅を購入できるよう一層の地価引き下げ策、住宅ローン減税の実施、住宅金融公庫の融資拡充等総合的な対策を講じるよう熱望いたします。宮澤総理の見解をここで伺いたいのであります。
なお、我々は他の野党とも協力をいたしまして、住宅政策の理念を盛り込んだ住宅基本法の提出を準備しているのでございます。政府においてもこの考えがあるのかどうかあわせて伺っておきたいと思います。
質問の第四は、税制問題についてでございます。
政府が提案しております補正予算案の最大の欠点は、我々が実施を強く求めておりました所得税減税が盛り込まれていないことであります。今回の不況はまれに見る消費不況となっております。百貨店販売額は昨年三月以降伸びがマイナスとなり、家計の消費支出も低迷が続いております。本年三月の一世帯当たりの消費支出の実質伸び率は三・四%減少し、三カ月連続のマイナスを記録いたしております。消費拡大策として残された手段は大幅な所得税減税の実施しかないではありませんか。
本来、税制改革は一時しのぎのものであってはいけないと思います。税体系のひずみやゆがみを正す観点から実施すべきものと考えます。我々は勤労者の税に対する不公平感を解消するため、クロヨン問題の解消、直間比率の見直しにも積極的に取り組んでおります。所得、消費、資産の均衡ある税体系を確立し、国際化、高齢化社会に対応できる税制度をつくり上げていくことこそ今必要だと思います。この抜本的な税制改革を視野に入れながら、その先取りとしての所得税減税を実施すべきであると思いますけれども、宮澤総理並びに林大蔵大臣の明快なる見解を伺いたいのであります。
最後になりますが、社会資本整備についてお尋ねいたします。
政府は九一年度から四百三十兆円の公共投資十カ年計画に取り組んでおります。この計画で大事なことは、公共住宅、下水道、都市公園、医療・福祉施設、教育施設等の整備、満員電車解消など、生活向上に直結する分野に重点を置くべきだということです。景気対策を政府がやるたびにいたずらな道路工事がふえて、逆に国民が迷惑をするような従来のやり方は改めるべきであります。
また、ハードな面だけではなく国民のハートにも優しい触れ合い広場、お年寄りや子供たちの憩いの場、緑と動物に恵まれた町づくりに積極的に取り組むハードとソフトのバランスが重要であります。金と物と時、そして心の豊かさを通じて一人一人の国民が十人十色の幸せを実感できますような、そういう幸福指数の高い社会への転換を図るよう強く求めてやみません。我々もその実現に向かって頑張ります。
以上の諸点に対して、総理並びに経済企画庁長官の心に響く決意をお伺いしたいのであります。
以上をもって私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕