宮澤喜一の発言 (本会議)

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○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国が現在このようなたくさんの貿易黒字を重ね、しかも海外といろいろ摩擦を生じていることについて、それは我々の基本的な考え方を変えなければならないのではないか、輸出をするばかりでウサギ小屋に住んでいるではないかと言われるような批判は残念ながら事実でありますから、そこをやはり変えなければならないという、そういうお考えについては私まことにそのとおりであると思います。
 生活大国という発想もそういうことから思いついたわけでございますが、この計画の中で具体的に労働時間の短縮であるとか土地・住宅政策あるいは社会資本の整備など、国民生活に密着する数値目標を掲げてこの計画を実現してまいりたい。多少時間がかかりますようでも、それが結局貿易黒字というようなものを減らしていく、調整していく一番の本当の道ではないかというふうに私は心得ておりまして、そのように進めて具体的にこの計画を実施してまいりたいと思いまして、ただいま五カ年計画を実施しているところでございます。
 それから、円高に関連して内外の価格差是正のアクションプログラムというそういう発想も私は極めて賛成でございます。円高は、それは企業側に非常に難しい問題を生むことは申し上げるまでもないことですが、消費者にとってはこれはある意味で輸入価格の下落になるということ、もうそのとおりだと思います。
 それで、この一番の正攻法的なやり方は国内で輸入が自由であり、そうして流通が自由であってその間に十分な競争がある、そういう状況の中であれば自然に円高というのは輸入価格の円価格の下落につながっていくはずである。無論政府の監視モニター等々必要でございますけれども、基本的には市場のメカニズムがそうなるということが私は一番大事なことであろうと思っております。また、最近例えば大規模小売店舗法の改正でありますとか、あるいは独禁法の強化でありますとかいうようなこともこれに資する面が多いと存じますが、そのような競争条件の整備をしていくということを大切に考えたいと思います。
 それから、住宅につきまして大都市圏の地価はかなり顕著に下落をいたしておりますので、いわゆる勤労者世帯の平均年収の五倍程度を目安に良質な住宅の取得をという、大分その目標には迫ってまいりました。まだ到達したと申し上げられませんが、これは条件はかなりよくなってまいったというふうに考えておりますので、引き続き努力をいたします。
 そして、住宅ローン減税の実施等についてお話がございましたが、今回の経済対策におきまして、住宅取得等をより一層促進するために、借入金残高一千万円以下の部分の税額控除率を一%から一.五%に当初二年間について引き上げました。また、控除限度額も二十五万円から三十万円に上げたととろでございます。これはかなり私は効くだろう、かなり有効な政策になると思っておりますが、さらに住宅金融公庫の融資につきまして三大都市圏では特別加算を行いました。
 それから、総合経済対策におきましても、基本貸付額を大幅に増額する、基準金利を引き下げる、貸付枠を五万戸ふやすというようなことをいたしまして、この面からも御指摘の問題の着実な実施に努めておるつもりでございます。
 住宅基本法でございますけれども、今のところ住宅問題についての国民の持っておられるニーズといいますか、関心の種類というのがかなりいろいろでございまして、国民の合意の形成がもうひとつ基本法に至らないのではないか。今各界にいろんな御意見の違いがありますので、そういう御意見を拝聴しながら集約することができれば検討していくべきだと考えておりますが、ただいまのところはそういう現状と判断をいたしております。
 所得税減税につきましては何度か申し上げました。各党で御協議中のことでありますが、私は過般の昭和六十二、三年ごろの税制改正のときにやはり幾つかし残した問題があると考えておりまして、それは累進構造あるいはその刻みの問題がその一つで、ここから重税感がなかなか去らないということだと思っておりますので、いずれそれは考えなければならぬことだと思います。ただ、それなりにそれだけの大きな財源が要るということに逆にまたなるわけでございまして、あるいは税制全体との関係をどうするかというような問題がございます。いずれ取り組むべき問題だと思いますが、そういう関連した問題の解決が必要であろうと思っております。
 それから、公共投資十カ年計画でハードとソフトのバランスが大事とおっしゃいますことはまことに同感であります。生活大国五カ年計画におきましても、利用者、消費者の観点に立った整備目標を示しまして、そういう立場から、先ほど幸福指数というようなことをおっしゃいましたが、そのようなものになるべき内容の充実を図りたいというふうに考えておるところでございます。
 残りのお尋ねにつきましては関係大臣からお答えをいたします。(拍手)
   〔国務大臣林義郎君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 宮澤喜一

speaker_id: 13804

日付: 1993-05-18

院: 参議院

会議名: 本会議