有働正治の発言 (本会議)

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○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、政府の財政演説に対し総理並びに関係大臣に質問いたします。
 まず、日ごとに緊迫するカンボジア情勢についてであります。
 ポル・ポト派は十四日、ついに公然と総選挙が強行されれば選挙後は戦火が拡大し内戦状態になるであろうと宣言いたしました。これは停戦合意に対する事実上の宣戦布告とも言うべきものではないでしようか。国連要員の家族はプノンペンからの引き揚げを開始いたしました。一方、国連ガリ事務総長が十七日、国連安保理事会に提出いたしました報告では、パリ和平協定の想定した選挙状況は存在しないと述べ、和平協定の枠組みの一部が崩れていることを初めて公式に認めたのであります。総理は、これでもパリ協定の枠組みは守られていると強弁するのでありますか。
 また、去る三日のガリ事務総長第四次報告においても、ポル・ポト派の非協力が続き、協定調印によって負った責務を果たすよう同党を説得するというすべての努力はむだであったと断定いたしました。また、選挙は明らかにパリ協定とその実施計画でもくろまれたような武装解除され政治的に中立な環境では行われないと、五原則で言う同意と中立がもはや存在しないことをはっきり認めました。今回のポル・ポト派の声明及び事務総長の今回の報告は、今日の情勢がさらに危険な方向に進んでいることを明確に示しているのであります。
 総理は、PKO協力法の定める五原則の当事者の同意と中立について、これが失われたとするガリ事務総長報告と同様の認識でありますか、それとも異論があるのですか。違うというのであれば、その違いについてどう説明されるか、この際、明確な答弁を求めます。ここに至って、PKO本体への参加凍結の解除や、さらには武力行使など、警備に関し現行法の拡大解釈など断じて許されません。我が党は、派遣要員すべてを直ちに撤収することを強く要求するものであります。
 次は、経済運営と国民の暮らしと営業をめぐる問題であります。
 景気回復の決め手は、GNPの六割を占める国民消費の拡大であります。消費拡大を阻んでいる要因には、賃金の抑制、雇用、年金その他将来への不安、加えて数年来の減税見送りによる生計費に食い込む過重な税負担があります。ところが、政府・自民党は、切実な国民の要求である所得税減税をやらないばかりか、かつて自民党も主張していた消費税の食料品非課税を行わず、住宅ローン減税、教育加算控除の引き上げにとどめました。しかも、所得減税を九四年度に先送りするだけでなく、政府・自民党内では、消費税の税率引き上げと引きかえに行う議論さえ行われているのであります。我が党は、国民の求める大幅所得税減税を赤字国債抜きで直ちに実施することを強く要求いたします。また、景気回復にも水を差す消費税増税計画をきっぱり断念するよう求めるものであります。答弁願います。
 さらに、長引く不況のもとで、中小企業者の痛ましい自殺者も生まれています。日本経済を支えてきた中小企業に活力を与えることは、当面の景気対策の緊急課題であります。国の官公需発注の比率を五〇%に引き上げるだけで一兆三千億円以上、そして同じく地方自治体にも最近のピーク時と同程度に引き上げるように要請すれば一兆八千五百億円、国と地方を合わせまして三兆円以上の仕事を中小企業に回すことができるのであります。総理の決断と実行を求めます。
 融資に当たりましては、必要とするすべての業者が融資を受けられますように、激甚災害並みに金利三%、保証料免除で実質負担三%以下、別枠貸し付けで融資規模二兆円程度の緊急融資制度の創設を求めます。これは中小企業保険公庫、中小企業信用保証協会への出資・補給金、直接利子補給で五百億円の予算でできるのであります。通産大臣の明確な答弁を求めます。
 さて、今回の景気対策の特徴の一つは、新社会資本整備を一定盛り込みつつも、大企業の受注増に直結する大型プロジェクト中心の旧来型公共事業を大幅にふやしていることであります。
 政府が進めている国際航空ネットワーク、大阪ベイエリアなどの大型公共事業は大企業だけが潤うものであります。事実、大型公共事業の中小企業への発注率は、例えば東京の羽田沖空港整備で一%、関西新空港関係で〇・二%でしかありません。これらの大規模プロジェクトは大企業が仕事を独占するだけではありません。東京の臨海副都心開発計画では何と二兆円、大阪のべイエリア計画の一つ、りんくうタウン計画では二千億円の赤字を出し、そのツケを国民に押しつけていることは到底許せません。このように、大企業が潤えば自然と国民が潤うといったトリクルダウン理論の破綻ぶりは、既にアメリカだけでなく日本においても明白になっているではありませんか。総理の見解を求めます。
 政府が生活大国の実現と言うのであれば、このような産業基盤優先の投資ではなく、教育、福祉や医療施設の思い切った拡充など、国民生活基盤優先の公共投資に抜本的に転換することを求めます。
 このことと関連し、この際、雲仙・普賢岳災害対策について質問いたします。
 さきの我が党議員団の調査に対し、九州大学島原観測所では、火山活動が第二段階とも言うべき活発化の時期に入っていること、火砕流については新たに中尾川沿いの市内北部の住宅地への到達も心配されることを強調していました。政府は、この危険な状況をどう認識し、どういう緊急対策をとるのか。安全な住宅確保、また導流堤や河川拡幅などの公共補償、希望者の跡地買い上げにより安全な場所への移転が可能となる思い切った対策を求めるものであります。それぞれ総理の答弁を求めます。
 また、公共事業の発注が公正に行われることは当然の前提でなければなりません。しかし、国民の激しい怒りを呼んでいる金丸不正蓄財事件は、本来国や地方自治体の仕事である公共事業の内容や発注が、建設業界・大手ゼネコンのやみ献金で左右されてきたことを明るみにしました。事は国民の税金にかかわる問題です。我が党は、公共事業発注と建設業界の政治献金のかかわりについてやみ献金を含め徹底調査を行い、結果を国民、国会に報告することを強く求めます。また、国会においては、ゼネコン関係者らの証人喚問を含め国政調査権を行使し、徹底的に解明することは当然ではありませんか。総理の見解を求めます。
 去る十三日には、金丸不正蓄財事件と絡んで公取が山梨県建設業協会などの立入検査を行いました。こうした調査を受けること自体、これらの業界を指導監督する建設省の責任は極めて重大であります。建設省としても独自の調査を行い、その結果を国会に報告すべきであります。建設大臣の答弁を求めます。
 最後に、今やるべき政治改革の根本は、金権腐敗政治の根絶です。国民ははっきり選挙制度へのすりかえを批判しています。朝日、毎日の世論調査では、政治腐敗防止のための制度確立、政治資金の規制が七割を超え、選挙制度改革はわずか十数%であります。総理はこの国民の声をどう受けとめておられるのか、しかと答えてください。
 金権政治一掃の政治改革を選挙制度の改正にすりかえて……

発言情報

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発言者: 有働正治

speaker_id: 17580

日付: 1993-05-18

院: 参議院

会議名: 本会議