宮澤喜一の発言 (本会議)
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○国務大臣(宮澤喜一君) ガリ事務総長のこのたびの報告につきましてお話がございましたが、確かに、これはこの前もこの本会議で申し上げたことでございますけれども、当初私どもが予想しておった事態とカンボジアにおける事態はかなり異なってきておる。一つは、武装解除が完全に行い得なかったということから各地に紛争が起こり、また犠牲者が出たということでございます。もう一つは、選挙についてクメール・ルージュが参加を事実上拒否しておる。この二つの点は確かに予想された事態と違ってきた。それはガリさんの言われるとおりでございます。
しかし、だからといっていわゆる平和の枠組みが崩れたというふうに事務総長は言っておられるわけではないと私は思っておりまして、パリ協定そのものが崩れてしまえばこれは一切のUNTACの活動というものはなくなるわけでございますから、そういうふうに事務総長が考えておられるわけではない。また、UNTACのいわゆる受け入れ同意でございますが、これは国家最高会議の名においてクメール・ルージュもその一員でございますから受け入れに同意をしておりますし、またUNTACの活動が各派の間で非常にえこひいきであるかといえば、私はそうは思っていませんで、その点でやはり中立性は維持されておる、こう思います。したがいまして、私は前回申し上げましたようにパリ協定の枠組みが守られておるというふうに考えておるわけでございます。
それから、所得税減税につきまして、何度も申し上げたことでございますが、前回の抜本改革の後、多少し残した問題があると私自身も思っております。殊に累進率等々、あるいは刻みについてもう少し簡素にできないかという問題はございます。いずれ取りかからなければならない問題と思いますが、それだけにここは非常に歳入のロスが多いところでございまして、財源をどうするか、あるいはそのような所得税というものが税制の中でどういう位置を占めるかというような問題をやはり同時に考えなければならないのではないかと考えております。
それから、国の官公需の中で中小企業への発注を引き上げよということはかねて党の御主張でございますが、これは私まことにそのとおりであると思っています。一生懸命やってまいっておりまして、中央地方を合わせますとかなりの比率にはなっておる、五〇%を超えておりますのですが、なおこれは一層の努力を必要といたします。
ただし、私どもの経済政策が何か大企業が潤えば国民がみんな潤うという、トリクルダウンとおっしゃいましたが、そういうことは私どもは考えておりません。そんなに日本経済はまた簡単でもございませんので、そういう意識はございませんことを申し上げておきます。
それから、公共投資につきまして、これは生活大国でも申しておりますとおり、やはり国民生活に直結した下水道であるとか環境衛生であるとか、なお教育、研究、医療、社会福祉等々、そういうことの整備に増額をいたして重点を置いてまいりたいというふうに考えております。
雲仙岳につきましてお尋ねがありまして、このたび大規模な土石流が発生をいたしました。幸いに人的被害はありませんでしたが、建物については相当数の被害が生じ、道路、鉄道、農地等に被害がありました。被害を受けられた方々に対して心からお見舞いを申し上げる次第であります。
五月七日に非常災害対策本部を開催しまして、観測、監視及び避難警戒体制の確保、水無川と中尾川等の土石の除去、あるいは恒久的な住宅対策の推進、被災者の生活再建の支援等を決定いたしまして実施に移しておりますが、今後とも安全を確保しつつ、地元との連絡を強化いたしまして対策を強力に進めてまいらなければならないと思います。
公共工事とやみ献金を含む政治献金の問題につきましては、公共工事は国民の税金においてなされるものでございますから、その入札契約等々は特に透明、公明正大でなければならないと思います。建設省において、先般の審議会の答申を受けて大幅な改善に取り組んでいるところでございます。
それからもう一つ、政治資金は選挙制度と密接な関連を有しておりますから、これは一体として抜本的な改革をこの国会でお願いいたしたいと思います。各党ともその必要性は痛感をしておられますので、御議論の中から必ず成案を得られるものと、政府としてもできますことは最大限の力を尽くすつもりでございます。
残りの問題につきましては関係閣僚からお答えをいたします。(拍手)
〔国務大臣森喜朗君登壇、拍手〕