塩谷立の発言 (決算委員会第三分科会)
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○塩谷主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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平成二年度農林水産省決算概要説明
農林水産省
平成二年度における農林水産省の歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
一般会計の歳入につきましては、当初予算額は三千四百四十五億九千五百九十三万円余でありますが、予算補正追加額等五百二十億八百十七万円余の増加がありましたので、歳入予算額は三千九百六十六億四百十一万円余となっております。
これに対し、収納済歳入額は四千九百三十九億八千四百二万円余であり、これを歳入予算額と比較いたしますと九百七十三億七千九百九十一万円余の増加となっております。これは、日本中央競馬会納付金が予定より多かったこと等の理由によるものであります。
次に、一般会計の歳出につきましては、当初予算額は二兆五千九十四億三千五百二十八万円余でありますが、平成元年以前及び平成二年に発生した台風、豪雨等により災害を受けた農地、農業用施設等について、地方公共団体等が施行する災害復旧事業の事業費に必要な経費等として予算補正追加額一千九百七十六億六百七十六万円余、既定予算の節約等による予算補正修正減少額百九十二億九百四十七万円余、北海道における農業基盤整備事業を実施するために必要な経費等について総理府所管から移し替えを受けた額二千五百二十九億八千四百七十五万円余、前年度からの繰越額三百六十九億七千九百五十三万円余、国際漁業再編対策に必要な経費等として予備費三百九十一億七千八百二十五万円余の増減がありましたので、歳出予算現額は三兆百六十九億七千五百十万円余となっております。
これに対し、支出済歳出額は二兆九千三百六十四億四千七百二十万円余であり、これと歳出予算現額との差額は八百五億二千七百九十万円余となっております。
この差額のうち、翌年度への繰越額は七百四十五億六千四百九十六万円余であり、不用額は五十九億六千二百九十四万円余となっております。
このほか、これら一般会計とは別に、大蔵省所管産業投資特別会計に係る支出済歳出額は二千四百五十一億一千四百二万円余となっております。
次に、施策別にその主なものについて、御説明申し上げます。
第一に、構造政策の推進に要した経費であります。
その支出済歳出額は、九千八百四十五億四千六百十六万円余であります。
まず、経営規模の拡大と生産性の向上を図り、その体質を強化するため、関係機関の密接な連携の下に、農地流動化の促進活動を強力に展開するとともに、地域の立地条件に即した方向で農業・農村の活性化を図るため、農業農村活性化農業構造改善事業を創設いたしました。
また、新規就農者を含めた担い手対策を引き続き進めることとし、都市と農村の青年の相互理解を深めるための交流などを実施いたしました。
さらに、土地利用型農業の体質強化及び農業と農村の健全な発展を実現するため、第三次土地改良長期計画に基づき、その基礎的条件である農業生産基盤の整備を推進することとし、NTT資金の活用も併せ、生産性の向上、農業生産の再編成、農村地域、特に中山間地域の活性化に資する事業等に主眼を置いて、その着実かつ効率的な実施に努めました。
また、土地改良事業等に係る償還の平準化等を図るため、土地改良負担金総合償還対策事業を創設する等所要の措置を講じました。
第二に、需要の動向に応じた生産性の高い農業の展開に要した経費であります。
その支出済歳出額は、六千七百三十四億三千八百七十六万円余であります。
まず、多様な水田農業と水田利用の展開、効率的な生産単位の形成を通じた生産性の向上、地域輪作農法の面的拡大と質的向上を推進するため、水田農業確立後期対策を実施いたしました。
また、稲・麦・大豆について地域の実情に即した生産性向上指針の策定とその実現に向けた対策、生産性の向上が図り難い中山間等地域においてその地域の特色ある立地条件を活用した農業生産の展開を図るための生産流通対策の追加等農業生産体質強化総合推進対策を強化充実し、地域の自主性と活力を基盤に各般の生産対策を総合的かつ計画的に実施いたしました。
さらに、国際化にも対応し得る生産性の高い畜産経営の早急な実現を図るため、放牧を主体とした子牛生産集団と肥育経営とのネットワークシステムの形成及び農場副産物等未利用資源の有効活用による低コスト肉用牛生産システム育成対策を実施する等畜産総合対策の充実を図りました。
また、生産コストの節減を図るため、広域的な農作業受委託を推進する農業機械銀行の育成、肥料費節減の優良事例の普及・啓蒙等農業生産資材対策を実施いたしました。
第三に、中山間地域等農山漁村地域の活性化対策の推進に要した経費であります。
その支出済歳出額は、二千三百三十五億九千二百三十九万円余であります。
まず、中山間地域が有する多面的な機能を生かした農林業の確立と農山村の活性化を図るため、農林業生産基盤と生活環境基盤を総合的に整備する事業の創設や農林水産業の振興と併せ、安定した就業機会の確保、総合保養地域の整備、都市と農山漁村との交流等を推進いたしました。
また、都市部に比べて立ち遅れている農村の生活環境の改善を図るため、農村総合整備モデル事業、農村基盤総合整備事業、農業集落排水事業等を実施いたしました。
さらに、山村・過疎地域等における定住条件の整備を図るため、第三期山村振興農林漁業対策事業、新農村地域定住促進対策事業等を実施いたしました。
第四に、基礎的・先導的技術の開発・普及等に要した経費であります。
その支出済歳出額は、一千二百二十八億五千九百六十六万円余であります。
まず、近年における先端技術の著しい発展を踏まえ、農林水産業・食品産業等の生産性の飛躍的向上、農産物・食品の高付加価値化等を図るため、バイオテクノロジー等の基礎的・先導的研究及びその基盤となるジーンバンク事業を推進するとともに、地球環境変化に対応した研究、熱帯農業に関する研究、消費者及び食品産業のニーズに対応した研究等を実施いたしました。
また一国と民間企業等との研究交流を促進するため、官民交流共同研究及び国際研究交流を推進するほか、民間の研究開発に対する支援措置を強化いたしました。
これらの技術開発の成果等について農家への普及等を図るため、協同農業普及事業等の効果的な推進を図りました。
さらに、農村地域等における情報交流を進めるため、各種情報システムの開発整備等を図りました。
このほか、農林水産業の構造等の実態を的確に把握し、農林水産行政の効率的かつ適正な推進に資するため、各種統計調査等を実施いたしました。
第五に、健康的で豊かな食生活の保障と農産物の価格・需給の安定に要した経費であります。
その支出済歳出額は、三千二百二十五億四千七百三十三万円余であります。
まず、健康的で豊かな食生活の保障の観点から、日本型食生活の定着促進を図ること等を基本として、消費者ニーズの多様化・高度化等に対応した食生活・消費者対策や牛乳・果実等の農水産物の消費拡大対策の推進を図りました。
また、農産物の価格については、需要の動向と生産性向上の成果をより的確に、かつ可能な限り反映し、農産物が国民の納得の得られる価格で安定的に供給されるよう努めました。
このほか、世界の農業・食料情勢の調査・分析等を行うとともに、飼料穀物等の備蓄対策を推進いたしました。
第六に、食品産業対策、食品流通対策、輸出促進対策の推進に要した経費であります。
その支出済歳出額は、二百九十五億五千七百八十二万円余であります。
まず、農業サイドと食品産業サイドとの連携の下に、食品産業のニーズに合致した原料農産物の安定供給と利用の高度化等を図るため、食品産業原料対策を講じるとともに、地域食品の高付加価値化を進め、地域食品産業の高度化を図るため、加工施設の整備、市場の開拓等を総合的に推進いたしました。
また、食品産業の体質と経営基盤の強化を図るため、微生物利用水処理技術、食品機能の変換等先端技術の開発を進めるとともに、食品産業の大半を占める中小企業の技術水準の向上を図るため、汎用性の高い技術の開発等を推進いたしました。
さらに、生鮮食料品等の流通の合理化を図るため、卸売市場の計画的整備・食料品商業の構造改善等を実施いたしました。
第七に、地球環境保全対策と国際協力の推進に要した経費であります。
その支出済歳出額は、四十一億一千百五十二万円余であります。
まず、地球環境保全対策としましては、地球的規模における環境保全の推進を図るため、熱帯林の資源情報の調査・解析、開発途上国に対する情報提供システムの整備等を実施するとともに、開発途上国における林業協力の推進に資するための調査等を実施いたしました。
また、砂漠化防止等地球環境保全に資する農業・農村開発のための基礎データの収集、技術開発のための各種調査を実施いたしました。
さらに、森林に対する酸性雨等の影響の実態を把握するため、酸性雨等森林被害モニタリング事業を実施いたしました。
このほか、開発途上地域における農林水産業の生産力の向上等を通じ、これら諸国の経済社会の発展に寄与するため、国際連合食糧農業機関のフィールドプロジェクト及び国際熱帯木材機関への拠出等国際機関を通じた協力を推進するとともに、食糧増産等に係る経済・技術協力の技術的指針策定等のための調査、開発途上国における統計整備に関する円滑な技術協力に向けてのマニュアル作成、開発途上国への漁業技術の適正かつ効率的な移転を図るための現地研修等を実施いたしました。
第八に、農林漁業の金融の充実に要した経費であります。
その支出済歳出額は、一千三百三十億六千四百四十五万円余であり、農林漁業生産の経営構造の改善、基盤整備等の促進に資するため、農林漁業金融公庫資金、農業近代化資金等の各種制度資金について、所要の融資枠の確保、融資内容の充実を図るとともに、農業信用保証保険機能の充実を図りました。
第九に、林業・山村の活性化と森林の保全整備の推進に要した経費であります。
その支出済歳出額は、四千六百七十七億六千百八十九万円余であります。
まず、国土保全と林業生産基盤の整備を図るため、NTT資金の活用も併せ、第七次治山事業五箇年計画に基づき、治山事業を計画的に推進するとともに、水源林造成、林道及び造林事業の一層の推進を図りました。
また、林業・山村の活性化等を図るため、林業山村活性化林業構造改善事業、新林業構造改善事業、特用林産産地化形成総合対策事業等を推進するとともに、就労の安定化、就労条件の改善等による林業担い手の育成確保及び省力化と生産性の向上、安全性の確保を図るための高性能林業機械の開発・改良と技術開発を推進いたしました。
さらに、国産材の流通体制の整備と木材産業の体質強化を図るため、国産材の低コスト安定供給体制を総合的に整備する国産材流通体制整備総合対策事業を推進するとともに、木材産業の体質強化及び木材需要の拡大対策等を充実強化いたしました。
また、森林の保全整備と総合利用の推進を図るため、立地条件に応じた効果的な間伐等による森林の整備、被害態様に応じた総合的な松くい虫被害対策を引き続き実施するとともに、森林の多面的機能の発揮を図るための多様な森林整備と都市と山村の交流を基調とした森林の総合利用を推進いたしました。
このほか、国有林野事業について、昭和六十二年に改訂・強化された改善計画に基づく経営改善を推進いたしました。
第十に、二百海里時代の定着等に即応した水産業の振興に要した経費であります。
その支出済歳出額は、三千百九十三億八千二百七十七万円余であります。
まず、第八次漁港整備長期計画及び第三次沿岸漁場整備開発計画に基づき、NTT資金の活用も併せ、漁港及び沿岸漁場の整備を推進いたしました。
また、つくり育てる漁業の推進を図るための地域増養殖総合推進計画を策定するとともに、栽培漁業、養殖業、さけ・ますふ化放流事業、沖合養殖システムの開発等新技術開発の推進、漁村地域の活性化、沿岸漁業構造改善事業、資源管理型漁業の施策を実施し、我が国周辺水域の漁業振興を図りました。
さらに、新資源・新漁場の開発、海外漁業協力を行うとともに、対外交渉に必要な水産資源調査等を実施いたしました。
また、水産業経営対策として、金融自由化の進展等に対処して漁協信用事業の基盤強化、漁業生産構造再編整備、漁業経営の強化のための特別指導を行うとともに、水産業関係資金の円滑な融通等の推進をいたしました。
さらに、水産物の需給の安定を図るとともに、基幹的な水産流通加工施設の総合的整備等水産物の流通加工の合理化を図るほか、地域、年代、性別による消費の特徴に応じた水産物の消費拡大対策を講じました。
このほか、漁場環境保全対策、魚病対策、漁船対策等の施策を推進いたしました。
第十一に、その他の重要施策に要した経費であります。
その支出済歳出額は、三千六百七十九億二千八万円余であります。
まず、海岸事業については、第四次海岸事業五箇年計画に基づき、NTT資金の活用も併せ、海岸保全区域における事業の実施を図りました。
また、災害対策については、農作物共済等の各共済に係る所要の共済掛金国庫負担金等を農業共済再保険特別会計に繰り入れたほか、農業共済団体の事務費等を助成し、農業災害補償制度の円滑な実施を図るとともに、災害営農資金等の利子補給に対する助成を図りました。
さらに、台風・豪雨等により被災した農地、農業用施設、山林施設、漁港施設等の災害復旧事業を実施いたしました。
このほか、農業団体の整備についても、農業委員会等に対して、引き続き助成等を行いました。
以上をもちまして、一般会計歳入歳出決算に関する御説明を終わります。
次に、各特別会計の決算について御説明申し上げます。
第一に、食糧管理特別会計であります。国内米管理勘定等の七勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は三兆三千七百八十八億八千九百三十六万円余、支出済歳出額は三兆三千四百七十六億四千八百二十七万円余でありまして、歳入歳出差引き三百十二億四千百八万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。また、このうち食糧管理勘定の損益計算上の損失は二千四百九十三億二千三百六十七万円余でありまして、調整資金を取りまして整理いたしました。これにより、食糧管理法、農産物価格安定法及び飼料需給安定法に基づき、米、麦、でん粉、輸入飼料の買入れ、売渡し等を管理することにより価格の安定と国民食糧の確保を図り、国民経済の安定に資するための事業を実施いたしました。
第二に、農業共済再保険特別会計であります。農業勘定等の六勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は一千百九十五億五千四万円余、支出済歳出額は六百二億三千四百八十九万円余であります。歳入歳出差引き五百九十三億一千五百十四万円余のうち、翌年度へ繰り越す額百六十億六千二百七十三万円余を控除し、四百三十二億五千二百四十万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、それぞれ翌年度の歳入及び一般会計に繰り入れ、又は積立金として積み立てること等といたしました。これにより、農業災害補償法に基づき、国が農作物共済等の各共済についての再保険事業を行うことによって、農業経営の安定等を図るための農業共済事業の円滑な実施を図りました。
第三に、森林保険特別会計であります。収納済歳入額は百三十四億二百七十六万円余、支出済歳出額は十八億三千九百六十万円余であります。歳入歳出差引き百十五億六千三百十五万円余のうち、翌年度へ繰り越す額九十七億七千百五十七万円余を控除し、十七億九千百五十八万円余の剰余を生じました この剰余金は 法律の定めるところに従い、積立金として積み立てることといたしました。これにより、森林国営保険法に基づき、国が森林の火災、気象災及び噴火災を保険事故とする森林保険事業を行うことによって林業経営の安定を図るための事業を実施いたしました。
第四に、漁船再保険及漁業共済保険特別会計であります。漁船普通保険勘定等の五勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は四百六十四億八千三百四十二万円余、支出済歳出額は二百七十九億四百五十万円余であります。歳入歳出差引き百八十五億七千八百九十二万円余のうち、翌年度へ繰り越す額百七十九億七千二十九万円余を控除し、六億八百六十三万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、それぞれ積立金として積み立て、又は翌年度の歳入に繰り入れること等といたしました。これにより、漁船損害等補償法、漁船乗組員給与保険法及び漁業災害補償法に基づき、国が再保険及び保険事業を行うことによって漁業経営の安定に資するための事業を実施いたしました。
第五に、農業経営基盤強化措置特別会計であります。収納済歳入額は五百六十六億七千二百四十六万円余、支出済歳出額は百八十三億九千五百六十三万円余でありまして、歳入歳出差引き三百八十二億七千六百八十三万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。これにより、農地法等の規定に基づき、国が自作農創設のために行う農地等の買収、売渡し等に関する事業、農地保有の合理化を促進するための事業に対する助成及び農業改良資金助成法の規定に基づく農業改良資金の貸付事業を実施いたしました。
第六に、国有林野事業特別会計であります。国有林野事業勘定につきましては、収納済歳入額は五千七百五十二億二百三十二万円余、支出済歳出額は五千七百六十三億五千七百五十万円余であります。この勘定の損益計算上の損失は七百十九億四千三百七十八万円余でありまして、法律の定めるところに従い、損失の繰越しといたしました。治山勘定につきましては、収納済歳入額は一千七百四十一億三千五百九十四万円余、支出済歳出額は一千七百四十億一千五百五十二万円余でありまして歳入歳出差引き一億二千四十二万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。これにより、国有林野法に規定される国有林野の管理経営の事業及びその附帯業務に係る事業並びに治山事業の計画的推進を図る事業を実施いたしました。
第七に、国営土地改良事業特別会計であります。収納済歳入額は四千七百九十九億四千六百七十五万円余、支出済歳出額は四千六百三十九億九百三十九万円余でありまして歳入歳出差引き百六十億三千七百三十六万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。これにより、土地改良法に基づき、全ての国営土地改良事業、受託工事及び直轄調査に関する事業を実施いたしました。
以上をもちまして、平成二年度の農林水産省決算の説明を終わります。
なにとぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
…………………………………
平成二年度決算農林水産省についての検査の概要に関する主管局長の説明
会計検査院
平成二年度農林水産省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項八件、意見を表示し又は処置を要求した事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。
まず、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項について御説明いたします。
検査報告番号一六一号は、北海道勇払郡早来町が新農業構造改善事業で設置した多目的研修集会施設を補助の目的外に使用させているものであります。
検査報告番号一六二号は、秋田県が実施した広域営農団地農道整備事業におきまして施工が設計と相違していたため、橋りょう上部工が不安定な状態になっているものであります。
検査報告番号一六三号は、茨城県行方郡北浦村の北浦中部堆肥生産組合が実施した畜産総合対策事業におきまして、家畜ふん尿を処理して利用する施設等の整備に当たり、実績報告が適正になされていなかったため、国庫補助対象事業費の精算が過大となっているものであります。
検査報告番号一六四号は、長野県南佐久郡佐久町の佐久町農業協同組合(平成二年四月二日合併により「南佐久農業協同組合」に改称。)が青果物等生産流通対策事業で設置した花き集出荷用建物を補助の目的外に使用しているものであります。
検査報告番号一六五号は、兵庫県津名郡東浦町が実施した水田農業確立対策推進事業で設置したコンクリート擁壁工事は既に自費で施行していて補助の対象とはならないものであります。
検査報告番号一六六号及び一六七号は、山口県が沿岸漁場整備開発事業で実施したFRP魚礁(ガラス繊維強化プラスチック製の部材に石材を詰めた人工の魚礁)の設置工事において諸経費の積算が過大となっていたため、工事費が割高となっているものであります。
検査報告番号一六八号は、職員の不正行為による損害が生じたもので、北見営林支局丸瀬布営林署において、資金前渡官吏の補助者として小切手の作成等の事務に従事していた総務課会計係長が、債権者への支払に当たり、資金前途官吏を受取人とする小切手を作成し現金化して前渡資金を領得したものであります。
なお、本件については、三年三月に同人が全額を債権者に支払ったことから、国の損害は補てんされております。
次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について御説明いたします。
これは、市街化区域内に所在する国有農地等の有効な利活用を図るための処分の促進に関するものであります。
国有農地及び開拓財産は、昭和二十一年度以降、自作農創設等のため国が小作人に売り渡すことなどを目的として不在地主等から買収した土地等であり、これらの国有農地等につきましては、本来、買収後直ちに農業者等に売り渡すこととなっておりますが、売渡し又は売払い等の処分が行われていないものが、平成二年度末現在で国有農地千百七十五万余平方メートル、開拓財産五千八百六十六万余平方メートル、計七千四十二万余平方メートルあり、その管理は、処分が行われるまでの間、農地法等の規定に基づいて、農耕以外の目的で貸し付ける開拓財産は農林水産省が、その他については都道府県が、それぞれ関係市区町村の農業委員会の協力を得て行うこととなっております。
これらの国有農地等のうち、特に市街化区域内に所在する国有農地等につきましては、農林水産省が農地法等の規定により、自作農の創設又は土地の農業上の利用増進の目的に供しないこととして、不要地認定を行い売り払うこととしているものであります。そして、これらの国有農地等が処分された場合、これらの土地は、社会的、経済的にみて宅地や公共用地等として利活用されることが見込まれるものであり、農林水産省におきましても、その売払いの促進に努めてきているところであります。しかし、長年月の経過により権利・利害関係が複雑化したことなどにより売払いが進んでおらず、土地の有効利活用の観点から早急に検討を要するものとなっております。そこで、本院としまして、都市及び都市周辺に所在する国有農地等のうち、市街化区域内に所在する国有農地等の利活用の状況等について検査を実施いたしました。
その結果、北海道ほか十八都府県におきまして、宅地等としての有効利活用を図るなどの観点からみて適切とは認められない事態が、千百二十三件、面積八十七万六千余平方メートル見受けられました。そして、その評価額を、三年一月一日現在の固定資産課税台帳登録価格(当該地にこの登録価格が設定されていない場合は、近傍類似地の登録価格)等により計算しますと三百五十億四百四万余円となります。
これらを大別しますと、市街化区域内に所在する国有農地等が、家庭菜園程度にしか利用されていなかったり、全く利用されていなかったりしている状態が継続しているのに、なお農耕を目的として貸し付けられているなどの事態が、七百七十三件、面積四十五万三千余平方メートル、評価額で百二十七億六千五百五十八万余円あり、また、市街化区域内に所在する転用貸付地については、一時的に貸し付けられたものであることなどから早期に処分の促進を図る要があるのに、依然として長期間にわたり転用貸付けを継続している事態が、三百五十件、面積四十二万三千余平方メートル、評価額で二百二十二億三千八百四十五万余円ありました。
このような事態となっているのは、その背景として、農地法において国有農地等の売払いの相手方を原則として旧所有者及びその一般承継人としているため、関係者が多数に上り権利関係の調整も困難となっていることなどの事情もありますが、農耕貸付地及び未貸付地につきましては、売払いの相手方となる旧所有者等についての調査を積極的に行っていないことや、農林水産省において、農耕貸付契約の解約を行う農耕貸付地売払促進円滑化事業の対象範囲を旧所有者等以外の者に売り払うものに限定していたり、都道府県において、市街化区域内の国有農地等は早期に売り払うべき財産であるという基本的認識が十分でないことなどによるものであり、また、転用貸付地につきましては、農林水産省及び都道府県において、転用借受者に対して、当該土地の買受けの計画を作成させるなど計画的かつ継続的な取組みにより、長期の転用貸付けを解消するための方策を十分に講じていないことなどによると認められました。
したがいまして、近年における土地の有効利活用に関する社会的要請等の中で、国有財産の有効な利活用が特に求められていることにかんがみ、農林水産省において、国有農地等の現況等を調査のうえ、現行制度上の課題を総合的に検討して、農耕貸付地及び未貸付地については、市街化区域内の国有農地等は、早期に売払いを要する財産であるということを都道府県及び農耕借受者に対し周知徹底させるとともに、農耕貸付地売払促進円滑化事業の対象範囲に売払いの相手方の大部分を占める旧所有者等に係るものを含めることとして農耕借受者の離作を促進させるための方策を積極的に講ずることなど、また、転用貸付地については、都道府県に対し売払計画を作成させるとともに、転用借受者に対して、買受け及び資金調達の計画を作成させ、その買受け計画に基づき買受けを積極的かつ継続的に勧奨させることなどにより、市街化区域内の国有農地等の有効利活用を図るなどのため、その処分を促進するよう改善の意見を表示したものであります。
次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
これは、国産材産業振興資金の貸付けに関するものであります。
林野庁では、林業等振興資金融通暫定措置法に基づき国産材の生産及び流通の合理化を推進し、国産材供給の円滑化を図るために必要な資金の融通に関する措置として、農林漁業信用基金を通じて、都道府県に、国産材の生産又は流通を担う事業者にその事業に必要な素材、製品の購入資金等を、金融機関と協調して低利で貸し付ける事業を実施させております。
この貸付けを受けられる者は、木材取扱量に対する国産材の取扱量の割合が原則として二分の一以上であることなどの一定の要件を満たし、かつ、五年間の事業計画について都道府県知事の認定を受けた者となっています。そして、金融機関において、平成元年度に千百七十億円、二年度に千二百七十八億円の貸付けが行われております。
今回、この貸付けについて調査しましたところ、借入者が国産材を取り扱っていなかったり、必要な資金の額を過大に算定して貸付けを受けているなど不適切な事態が、一府七県で十五件、貸付金額四億八百十五万余円、農林漁業信用基金からの貸付金相当額で五千百一万余円見受けられました。
このような事態を生じていたのは、林野庁の指導が十分でなかったため、府県において、貸付けの前提となる事業計画の審査が十分でなかったこと、資金の使用状況等を具体的に把握していなかったことなどによると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、林野庁では、平成三年十一月に都道府県に通達を発し、事業計画の審査方法を改善し、資金の使用状況等を把握できるよう実績報告書の様式を改めるなどの処置を講じたものであります。
なお、以上のほか、平成元年度決算検査報告に掲記いたしましたように、国営木曽岬干拓事業により造成された干拓地について意見を表示いたしましたが、これに対する農林水産省の処置状況についても掲記いたしました。
以上をもって概要の説明を終わります。
…………………………………
平成二年度会計検査院の指摘に対して講じた措置の説明
農林水産省
地方公共団体等が施行する国庫補助事業につきましては、その適正な執行を図るため、常に努力しているところでありますが、これらの一部について、平成二年度決算検査報告において指摘を受けるような事態が生じましたことは、誠に遺憾であります。
不当事項として指摘を受けたものは、補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの七件、職員の不正行為による損害が生じたもの一件であります。
意見を表示され又は処置を要求された事項は、市街化区域内に所在する国有農地等の有効な利活用を図るための処分の促進についてであります。
不当事項として指摘を受けたもののうち、補助事業の実施及び経理が不当と認められるものについてでありますが、新農業構造改善事業において補助の目的外に使用しているもの、畜産総合対策事業において過大に精算しているもの、青果物等生産流通対策事業において補助の目的外に使用しているもの、水田農業確立対策推進事業において補助の対象とは認められないもの及びナマコの増殖場造成事業において積算を過大にしているものにつきましては、既に補助金を返還させたところであり、また、広域営農団地農道整備事業において施工が設計と相違しているものにつきましては、手直し工事を施工させる措置を講じたところであります。
さらに、指摘の内容を踏まえ 地方公共団体等に対し会議、文書等を通じ指導の一層の徹底を図ったところであります。
職員の不正行為により損害が生じたとして指摘を受けたものにつきましては、既に損害額を全額補てんさせるとともに、行為者等の処分を行ったところであります。今後この種の不正行為の根絶を期するため、指導・監督の強化及び内部けん制等の徹底について指示したところであります。
市街化区域内に所在する国有農地等の有効な利活用を図るための処分を促進するよう意見を表示されたものにつきましては、指摘の趣旨を踏まえ、市街化区域内の国有農地等は早期に売払いを要する財産であるということを都道府県等に対し周知徹底するなど、国有農地等の処分の促進を図るための所要の措置を講じたところであります。
平成二年度農林漁業金融公庫業務概況
農林漁業金融公庫
平成二年度における農林漁業金融公庫の業務の概況についてご説明申し上げます。
国においては 生産性の高い農林水産業を実現し、国民の需要に応じた農林水産物の安定供給を図ることを基本として諸施策が展開されました。
こうした国の施策に即応して、当公庫は、業務の運営にあたりまして、関係機関との密接な連けいのもとに、農林水産業の生産基盤の整備及び経営構造の改善のための融資を推進するとともに、多様化する資金需要に対応して、融資条件の改善を含め、融資の円滑化に配慮してまいりました。
平成二年度における貸付計画について申し上げますと、貸付計画額は六千億円を予定いたしました。
これに対する貸付決定額は四千七百八十四億四千四百七十四万円余となり、前年度実績と比較して四百三十七億四千五百九十九万円余の減少となりました。
この貸付決定額を農業・林業・水産業に大別して申し上げますと一、農業部門 三千三百九十五億七千二百六十
七万円余二、林業部門 四百六十二億六千二百六十九万
円余三、水産業部門 八百七十六億九百二万円余四、その他部門 五十億三十四万円余となりまして、農業部門が全体の七十一・〇%を占めております。
次に平成二年度の貸付資金の交付額は四千七百五十六億六千七百十七万円余となりまして、これに要した資金は、一般会計からの出資金百三十億円、資金運用部からの借入金三千五百三十五億円、簡易生命保険及び郵便年金の積立金からの借入金五百十五億円並びに貸付回収金等五百七十六億六千七百十七万円余をもって充当いたしました。
この結果、平成二年度末における貸付金残高は五兆二千九百十三億二千八百二十七万円余となりまして、前年度末残高に比べて三百九十九億八千百九十三万円余、〇・八%の増加となりました。
貸付金の延滞状況につきましては、平成二年度末におきまして、弁済期限を六か月以上経過した元金延滞額は三百六十九億九十七万円余となりまして、このうち一年以上延滞のものは三百六十三億一千三百八十六万円余となっております。
次に平成二年度における収入支出決算の状況についてご説明申し上げますと、収入済額は、収入予算額三千六百七億七千六百十八万円余に対し三千七百七十九億七千百三十八万円余となりました。また、支出済額は、支出予算額三千七百七十億一千七百八十八万円余に対し三千五百五十七億六百十一万円余となり、支出に対し収入が二百二十二億六千五百二十六万円余多くなっております。
最後に、平成二年度における当公庫の損益計算の結果について申し上げますと、貸付金利息等の総利益は四千五十五億四千七十六万円余、借入金利息等の総損失は四千五十五億四千七十六万円余となり、利益と損失が同額となりましたため、利益金はなく国庫納付はありませんでした。
これらの業務の遂行にあたりましては、常に適正な運用について、鋭意努力してまいりましたが、平成二年度決算検査報告におきまして、総合施設資金等の貸付けにつきまして不当事項として指摘を受けたものがありますことは、まことに遺憾に存じております。指摘を受けました事項につきましては、直ちに適切な措置を講じましたが、今後はこのようなことの再び起こることのないよう業務運営の適正化に一層努める所存であります。
以上が、平成二年度における農林漁業金融公庫の業務の概況であります。なにとぞよろしくご審議のほどお願いいたします。
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平成二年度決算農林漁業金融公庫についての検査の概要に関する主管局長の説明
会計検査院
平成二年度農林漁業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項七件であります。
検査報告番号二二四号から二三〇号までの七件は、総合施設資金等の貸付けが不当と認められるものであります。
これらの資金の貸付事業は、農林漁業者に対し、農林漁業の生産力の維持増進に必要な長期かつ低利の資金で、一般の金融機関から融通を受けることが困難な資金を直接又は金融機関に委託して貸し付けるものでありますが、総合施設資金等の貸付けに当たり、借入者から事実と相違した内容の借入申込みや事業完成報告がなされているにもかかわらず、これに対する審査及び確認が適切でなかったなどのため、貸付金額を過大に算定するなどしているものであります。
以上、簡単でございますが説明を終わります。
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平成三年度農林水産省決算概要説明
農林水産省
平成三年度における農林水産省の歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
一般会計の歳入につきましては、当初予算額は三千七百五十三億九千百八十一万円余でありますが、予算補正追加額等百七十七万円余の増加がありましたので、歳入予算額は三千七百五十三億九千三百五十九万円となっております。
これに対し、収納済歳入額は四千九百八十九億六千四百七十一万円余であり、これを歳入予算額と比較いたしますと一千二百三十五億七千百十二万円余の増加となっております。これは、日本中央競馬会納付金が予定より多かったこと等の理由によるものであります。
次に、一般会計の歳出につきましては、当初予算額は二兆六千三百十六億二百二十五万円余でありますが、平成二年以前及び平成三年に発生した台風、豪雨等により災害を受けた農地、農業用施設等について、地方公共団体等が施行する災害復旧事業の事業費に必要な経費等として予算補正追加額一千八百十六億七千二百九十万円余、既定予算の節約等による予算補正修正減少額二百七十七億五千五百十一万円余、北海道における農業農村整備事業を実施するために必要な経費等について総理府所管から移し替えを受けた額二千六百五十五億四千六百四十七万円余、前年度からの繰越額七百四十五億六千四百九十六万円余、山林施設災害関連事業に必要な経費等として予備費三十九億一千八百二十六万円余の増減がありましたので、歳出予算現額は三兆一千二百九十五億四千九百七十四万円余となっております。
これに対し、支出済歳出額は三兆五百十八億三千五百六十六万円余であり、これと歳出予算現額との差額は七百七十七億一千四百八万円余となっております。
この差額のうち、翌年度への繰越額は六百三十五億四千百十三万円余であり、不用額は百四十一億七千二百九十五万円余となっております。
このほか、これら一般会計とは別に、大蔵省所管産業投資特別会計に係る支出済歳出額は二千五百十九億二千二百三十九万円余となっております。
次に、施策別にその主なものについて、御説明申し上げます。
第一に、構造政策の推進に要した経費であります。
その支出済歳出額は、一兆六百十億六千八百九十五万円余であります。
まず、経営規模の拡大と生産性の向上を図り、その体質を強化するため、関係機関の密接な連携の下に、農地流動化の促進活動を強力に展開するとともに、地域の立地条件に即した方向で農業・農村の活性化を図るため、農業農村活性化農業構造改善事業を実施いたしました。
また、新規就農者を含めた担い手対策を引き続き進めることとし、都市と農村の青年の相互理解を深めるための交流等を実施いたしました。
さらに、農業生産基盤の整備と併せて農村の整備を進めることを明確化するため、農業基盤整備費を農業農村整備事業費と名称を変更するとともに、土地利用型農業の体質強化及び農業と農村の健全な発展を実現するため、第三次土地改良長期計画に基づき、その基礎的条件である農業生産基盤の整備について、NTT資金の活用も併せ、ほ場整備事業等の実施による農地の面的集積を促進する二十一世紀型水田農業モデルほ場整備促進事業の創設等により、着実かつ効率的に実施いたしました。
第二に、需要の動向に応じた高生産性・高品質農業の育成に要した経費であります。
その支出済歳出額は、三千六百三十八億五千三十一万円余であります。
まず、多様な水田農業と水田利用の展開、効率的な生産単位の形成を通じた生産性の向上、地域輪作農法の面的拡大と質的向上を推進するため、水田農業確立後期対策を実施いたしました。
また、稲・麦・大豆について地域の実情に即した生産性向上指針の実現に向けた対策の推進、企業者マインドを発揮した農業経営の展開による高品質農業の確立を図るための先進的な取組を推進する生産流通加工対策の追加等農業生産体質強化総合推進対策を強化充実し、地域の自主性と活力を基盤に各般の生産対策を総合的かつ計画的に実施いたしました。
さらに、平成三年四月からの牛肉の輸入自由化等に対処するため、肉用子牛生産安定等特別措置法に基づき、牛肉等の関税収入を特定財源とした肉用子牛等対策を新たに実施するとともに、肉用牛等大家畜生産の振興合理化を図ること等に重点を置いて、畜産総合対策の充実を図りました。
また、生産コストの節減を図るため、広域的な農作業受委託を推進する農業機械銀行の育成、肥料費節減の優良事例の普及・啓発等農業生産資材対策を実施いたしました。
第三に、農山漁村の生活の質的向上と活性化に要した経費であります。
その支出済歳出額は、四千九百八十六億九千八百四十七万円余であります。
まず、都市部に比べて立ち遅れている農村の生活環境の改善を図るため、農村総合整備モデル事業、農村基盤総合整備事業、農業集落排水事業等を実施するとともに、農村景観や親水等にも配慮した整備を進め、豊かな農村空間の創出による活性化を図るため、農村総合環境整備事業を実施いたしました。
また、中山間地域が有する多面的な機能を生かした農林業の確立と農山村の活性化を図るため、中山間地域農村活性化総合整備事業の実施や農林水産業の振興と併せ、安定した就業機会の確保、総合保養地域の整備、都市と農山漁村との交流等を推進いたしました。
さらに、山村・過疎地域等における定住条件の整備を図るため、第三期山村振興農林漁業対策事業、新農村地域定住促進対策事業等を実施いたしました。
第四に、技術の開発・普及と情報化の推進に要した経費であります。
その支出済歳出額は、一千二百三十三億七千百二万円余であります。
まず、近年における先端技術の著しい発展を踏まえ、農林水産業・食品産業等の生産性の飛躍的向上、農産物・食品の高付加価値化等を図るため、イネ・ゲノム解析研究をはじめとする基礎的・先導的研究及びその基盤となるジーンバンク事業を推進するとともに、消費ニーズに対応した研究、地球環境変化に対応した研究、熱帯農業に関する研究等を実施いたしました。
また、国と民間企業等との研究交流を促進するため、官民交流共同研究及び国際研究交流を推進するほか、民間の研究開発に対する支援措置を強化いたしました。
これらの技術開発の成果等について農家への普及等を図るため、協同農業普及事業等の効果的な推進を図りました。
さらに、農村地域等における情報交流を進めるため、各種情報システムの開発整備等を図りました。
このほか、農林水産業の構造等の実態を的確に把握し、農林水産行政の効率的かつ適正な推進に資するため、各種統計調査等を実施いたしました。
第五に、健康的で豊かな食生活の保障と農産物の価格・需給の安定に要した経費であります。
その支出済歳出額は、二千八百六十一億八千九百八十六万円余であります。
まず、国民に健康的で豊かな食生活を保障する観点から、新たな食文化の創造、規格・表示の適正化等各般の消費者対策を推進するとともに、牛乳・果実等の農水産物の消費拡大対策の推進を図りました。
また、農産物の価格については、需要の動向と生産性向上の成果をより的確に、かつ可能な限り反映し、農産物が国民の納得の得られる価格で安定的に供給されるよう努めました。
このほか、世界の農業・食料情勢の調査・分析等を行うとともに、飼料穀物等の備蓄対策を推進いたしました。
第六に、食品関連産業の振興と輸出促進対策に要した経費であります。
その支出済歳出額は、百六十七億四千二百七十九万円余であります。
まず、農業サイドと食品産業サイドとの連携の下に、食品産業のニーズに合致した原料農産物の安定供給と利用の高度化等を図るため、食品産業原料対策を講じるとともに、地域食品の高付加価値化を進め、地域食品産業の高度化を図るため、加工施設の整備、市場の開拓等を総合的に推進いたしました。
また、食品産業の体質と経営基盤の強化を図るため、環境にやさしい食品包装技術、食品加工の熟練判断処理技術等先端技術の開発を進めるとともに、食品産業の大半を占める中小企業の技術水準の向上を図るため、汎用性の高い技術の開発等を推進いたしました。
さらに、生鮮食料品等の流通の合理化を図るため、卸売市場の計画的整備を図るとともに、食品の消費と生産事情の変化、大店法の規制緩和等に対処するため、食品流通の総合的な構造改善対策を推進いたしました。
このほか、我が国農林水産物の販路を拡大し、農山漁村の活性化等に資するため、輸出促進対策を推進いたしました。
第七に、地球環境保全対策と国際協力の推進に要した経費であります。
その支出済歳出額は、四十七億八千九百三十六万円余であります。
まず、地球環境保全対策としましては、地球的規模における環境保全の推進を図るため、熱帯林における生態系保全及び持続的な森林施業に関する調査、国際緑化推進センターの設置等を実施するとともに、開発途上国における林業協力の推進一に資するための調査等を実施いたしました。
また、砂漠化防止等地球環境保全に資する農業・農村開発の基礎データの収集・技術開発のための調査等を実施したしました
さらに、地球温暖化対策として、農業の環境保全機能向上のための生産方式の確立、温暖化と農林水産業との係わりの解明とその影響予測技術の開発等各種調査研究を実施いたしました。
このほか、開発途上地域における農林水産業の生産力の向上等を通じ、これら諸国の経済社会の発展に寄与するため、国際連合食糧農業機関のフィールドプロジェクト及び国際熱帯木材機関への拠出等国際機関を通じた協力を推進するとともに、東欧諸国の農業開発に資する民間投資促進のための調査、生活改善実践集団との交流を通じた開発途上国の農村婦人の能力発揮のための活動支援、農業・農村開発のための技術支援体制に係る基本構想の策定等を実施いたしました。
第八に、農林漁業金融の充実に要した経費であります。
その支出済歳出額は、一千三百三十七億八千八百二十四万円余であり、農林漁業生産の経営構造の改善、基盤整備等の促進に資するため、農林漁業金融公庫資金、農業近代化資金等の各種制度資金について、所要の融資枠の確保、融資内容の充実を図るとともに、農業信用保証保険機能の充実を図りました。
第九に、多様な森林整備の推進と国産材時代への条件整備に要した経費であります。
その支出済歳出額は、四千四百四十六億八千二百十六万円余であります
まず、国民のニーズにこたえる多様な森林の整備と山村の活性化を図るため、森林整備事業計画を策定するための調査を実施したほか、NTT資金の活用も併せ、造林、水源林造成、林道事業の推進、第七次治山事業五箇年計画に基づく治山事業の計画的推進を図りました。
また、林業山村活性化林業構造改善事業、間伐促進強化対策事業、特用林産産地化形成総合対策事業等を推進するとともに、松くい虫被害対策等の森林の保全管理、森林を総合的に活用した都市との交流施設等の整備、緑化対策等を推進いたしました。
さらに、森林計画制度の改善を図りつつ、流域を単位として民有林・国有林が一体となった森林・林業の活性化を図るため、流域ごとに林業関係者等からなる流域林業活性化協議会を組織し、林業活性化のための目標を策定するとともに、森林整備、林業事業体の再編・体質強化、機械化の促進等を推進したほか、就労条件の向上、新規参入の促進等林業担い手の育成・確保対策を推進いたしました。
また、国産材流通体制の整備と木材産業の体質強化を図るため、国産材の加工・流通拠点等の整備と地域材を中心とした木材の需要拡大を促進するとともに、木材生産団地の再編整備等を推進いたしました。
このほか、国有林野事業については、国有林野事業経営改善大綱に即して、新たな「国有林野事業の改善に関する計画」を策定し、経営改善を推進いたしました。
第十に、二百海里時代の定着等に即応した水産業の振興に要した経費であります。
その支出済歳出額は、三千五十一億三千四百八十三万円余であります。
まず、第八次漁港整備長期計画及び第三次沿岸漁場整備開発計画に基づき、NTT資金の活用も併せ、漁港及び沿岸漁場の整備を推進いたしました。
また、新たに資源管理型漁業推進総合対策を創設するとともに、栽培漁業、養殖業、さけ・ますふ化放流事業、新技術の開発・普及の推進、漁村地域の活性化、沿岸漁業構造改善事業等の施策を実施し、資源管理型漁業の推進と我が国周辺水域の漁業振興を図りました。
さらに、新資源・新漁場の開発、海外漁業協力を行うとともに、対外交渉に必要な水産資源調査等を実施いたしました。
また、水産物の需給の安定を図るとともに、基幹的な水産流通加工施設の総合的整備等水産物の流通加工の合理化を図るほか、消費者ニーズに応じた水産物の消費拡大対策を講じました。
さらに、漁協・水産業の経営対策として、金融自由化の進展等に対処して漁協信用事業の基盤強化、漁業生産構造再編整備、漁業経営の強化のための特別指導を行うとともに、水産業関係資金の円滑な融通等の推進をいたしました。
このほか、漁場環境保全対策、漁船対策等の施策を推進いたしました。
第十一に、その他の重要施策に要した経費であります。
その支出済歳出額は、四千五十三億七千九百五万円余であります。
まず、海岸事業については、第五次海岸事業五箇年計画を策定しこれに基づき、NTT資金の活用も併せ、海岸保全区域における事業の実施を図りました。
また、災害対策については、農作物共済等の各共済に係る所要の共済掛金国庫負担金等を農業共済再保険特別会計に繰り入れたほか、農業共済団体の事務費等を助成し、農業災害補償制度の円滑な実施を図るとともに、災害営農資金等の利子補給に対する助成を図りました。
さらに、台風・豪雨等により被災した農地、農業用施設、山林施設、漁港施設等の災害復旧事業を実施いたしました。
このほか、農業団体の整備についても、農業委員会等に対して、引き続き助成等を行いました。
以上をもちまして、一般会計歳入歳出決算に関する御説明を終わります。
次に、各特別会計の決算について御説明申し上げます。
第一に、食糧管理特別会計であります。国内米管理勘定等の七勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は二兆七千八百十億七千三百六十二万円余、支出済歳出額は二兆七千六百四十八億九千百十九万円余でありまして、歳入歳出差引き百六十一億八千二百四十三万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。また、このうち食糧管理勘定の損益計算上の損失は二千二十八億一千六百六十六万円余でありまして、調整資金を取りまして整理いたしました。これにより、食糧管理法、農産物価格安定法及び飼料需給安定法に基づき、米、麦、でん粉、輸入飼料の買入れ、売渡し等を管理することにより価格の安定と国民食糧の確保を図り、国民経済の安定に資するための事業を実施いたしました。
第二に、農業共済再保険特別会計であります。農業勘定等の六勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は一千五百五十八億四千七百八十四万円余、支出済歳出額は一千二百六十億一千百三十四万円余であります。歳入歳出差引き二百九十八億三千六百五十万円余のうち、翌年度へ繰り越す額百九十一億五千八百五十一万円余を控除し、百六億七千七百九十八万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、それぞれ翌年度の歳入に繰り入れ、又は積立金として積み立てること等といたしました。これにより、農業災害補償法に基づき、国が農作物共済等の各共済についての再保険事業を行うことによって、農業経営の安定等を図るための農業共済事業の円滑な実施を図りました。
第三に、森林保険特別会計であります。収納済歳入額は百三十二億四千七百十三万円余、支出済歳出額は二十七億一千八百五十七万円余であります。歳入歳出差引き百五億二千八百五十五万円余のうち、翌年度へ繰り越す額九十六億三千二百八十万円余を控除し、八億九千五百七十四万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、積立金として積み立てることといたしました これにより 森林国営保険法に基づき、国が森林の火災、気象災及び噴火災を保険事故とする森林保険事業を行うことによって林業経営の安定を図るための事業を実施いたしました。
第四に、漁船再保険及漁業共済保険特別会計であります。漁船普通保険勘定等の五勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は四百八十六億三千二百五十八万円余、支出済歳出額は三百二十四億三千四百九十万円余であります。歳入歳出差引き百六十一億九千七百六十八万円余のうち、翌年度へ繰り越す額百九十五億三千七百七十一万円余を控除し、三十三億四千二万円余の不足を生じました。この不足金は、法律の定めるところに従い、それぞれ積立金から補足すること等といたしました。これにより、漁船損害等補償法、漁船乗組員給与保険法及び漁業災害補償法に基づき、国が再保険及び保険事業を行うことによって漁業経営の安定に資するための事業を実施いたしました。
第五に、農業経営基盤強化措置特別会計であります。収納済歳入額は五百六十二億八千百三十四万円余、支出済歳出額は二百六億四千四百三十三万円余でありまして、歳入歳出差引き三百五十六億三千七百万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。これにより、農地法等の規定に基づき、国が自作農創設のために行う農地等の買収、売渡し等に関する事業、農地保有の合理化を促進するための事業に対する助成及び農業改良資金助成法の規定に基づく農業改良資金の貸付事業を実施いたしました。
第六に、国有林野事業特別会計であります。国有林野事業勘定につきましては、収納済歳入額は五千七百六十五億一千八百八十万円余、支出済歳出額は五千八百七十八億一千百八十一万円余であります。この勘定の損益計算上の損失は一千百七十七億四千六百四十七万円余でありまして、法律の定めるところに従い、損失の繰越しといたしました。治山勘定につきましては、収納済歳入額は一千七百八十三億六千四百三十六万円余、支出済歳出額は一千七百八十三億三千百三十一万円余でありまして、歳入歳出差引き三千三百四万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。これにより、国有林野法に規定される国有林野の管理経営の事業及びその附帯業務に係る事業並びに治山事業の計画的推進を図る事業を実施いたしました。
第七に、国営土地改良事業特別会計であります。収納済歳入額は四千八百六十三億四千八百六十四万円余、支出済歳出額は四千六百九十八億八千九百四十八万円余でありまして、歳入歳出差引き百六十四億五千九百十六万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。これにより、土地改良法に基づき、すべての国営土地改良事業、受託工事及び直轄調査に関する事業を実施いたしました。
以上をもちまして、平成三年度の農林水産省決算の説明を終わります。
なにとぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
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平成三年度決算農林水産省についての検査の概要に関する主管局長の説明
会計検査院
平成三年度農林水産省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項七件、意見を表示し又は処置を要求した事項二件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。
まず、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項について御説明いたします。
検査報告番号一五〇号は、青森県五所川原市の松島第一肉用牛生産組合が畜産団地整備育成事業により設置した共同利用畜舎を補助の目的外に使用しているものであります。
検査報告番号一五一号は、宮城県が実施した畜産総合対策事業におきまして、設計が適切でなかったため、築造した半地下式サイロが不安定な状態になっているものであります。
検査報告番号一五二号は、福島県が実施したため池等整備事業におきまして、施工が設計と相違していたり、設計が適切でなかったりしていたため、水路トンネルが不安定な状態になっているものであります。
検査報告番号一五三号は、群馬県利根郡川場村が実施した農村活性化総合整備事業におきまして、設計が適切でなかったため、橋台等が不安定な状態になっているものであります。
検査報告番号一五四号は、石川県が実施した広域営農団地農道整備事業におきまして、設計が適切でなかったため、アーチカルバートが不安定な状態になっているものであります。
検査報告番号一五五号は、山梨県大月市が実施した水田農業確立対策推進事業で設置した農産物集出荷施設は補助の要件を満たしておらず補助の対象とはならないものであります。
検査報告番号一五六号は、長野県駒ケ根市が地域農業生産総合振興事業で設置した転作促進研修施設を補助の目的外に使用しているものであります。
次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について御説明いたします。
その一は、新農業構造改善事業等による施設の設置及び運営に関するものであります。
農林水産省では、経営規模が大きく生産性の高い農業経営を育成することなどを目的に農業構造改善促進対策を、また、山村における農林漁業の振興を図ることなどを目的に山村振興対策を、さらに、農村地域の特性を生かした農林漁業の振興を図ることなどを目的に農村地域定住促進対策をそれぞれ国庫補助事業として実施してきております。
そして、これら各対策に係る事業によって設置される施設のなかには、主として収益を上げることにより、農林漁家の所得の向上に直接寄与する収益型施設があります。そこで、このような収益型施設であります、農産物の栽培施設等の生産販売施設、農畜産物処理加工施設等の加工販売施設、農産物直売所等の施設について、その設置及び運営の状況を、経営状態に着目して調査いたしました。
その結果、多額の欠損を生じて施設の運営を休止するなどしていて、農林漁家の所得の向上等に寄与しておらず、補助事業の効果が十分発現していないと認められるものが、百二十九施設見受けられました。
このような事態を生じているのは、事業主体において、消費者や農家の需要動向を十分調査しないまま事業に着手していたり、市町村においても、事業計画の策定に当たって事業主体に適切な指導を行っていなかったり、施設の経営・管理の実態についての把握が十分でなく、経営改善の指導を行っていなかったり、また、農林水産省においても、設置した施設の計画達成状況の報告は求めているものの、収支状況等経営に関する報告を徴することとしていなかったりしていたことなどによると認められました。
したがいまして、新農業構造改善事業等を効果的に実施するため、農林水産省において、市町村における事業計画の策定に当たり、施設の経営が長期的かつ安定的に採算がとれるものとなっているかなどについて調査検討を十分に行ったうえ事業計画を策定するよう、都道府県の指導、審査を十分に行わせ、また、事業実施後、事業主体から収支状況を継続的に提出させ、施設の経営・管理の実態を把握し、収支状況等が悪く改善を要する施設については、都道府県及び市町村がきめ細かな経営改善の指導を行えるよう、その体制を強化させるなどして、補助事業の効果が十分発現するよう是正改善の処置を要求したものであります。
その二は、水田農業確立特別交付金の交付に関するものであります。
農林水産省では、稲作、転作を通ずる生産性の向上、地域輪作農法の確立といった水田農業の体質強化を図ることを主眼として、昭和六十二年度から平成元年度までの水田農業確立前期対策に引き続き、二年度から四年度までの三年間を期間として、水田農業確立後期対策を実施しております。そして、後期対策の各施策が前期対策から円滑に移行して実施されることを目的とし、元年度の措置として 二年三月に、全国の三千六十四市町村に対し水田農業確立特別交付金を交付しており、その交付額は二百九十八億四十一万余円となっております。
この交付金の交付を受けた市町村は、当該市町村と農業協同組合等から成る推進協議会に諮り、交付金を、後期対策を実施するうえで適切と認められる共同事業に要する経費に効率的かつ計画的に充てることとなっておりまして、本件交付金は、後期対策の期間内に事業の効果を確保することが要請されていると認められた次第であります。そこで、本院としましては、このような交付金の趣旨を踏まえ、交付金を使用して行う事業が、後期対策の円滑な推進に寄与するものとなっているかについて検査を実施いたしました。
その結果、後期対策が最終年度を迎えた時期において、市町村に交付された多額の交付金が未使用となっていたり、その使途が交付金の交付の目的に沿わなかったりしていて、後期対策の円滑な推進に寄与することとされている本件交付金の趣旨からみて適切とは認められない事態が見受けられました。
このような事態となっているのは、農林水産省において、交付金の趣旨について市町村等を十分指導していなかったこと、後期対策の円滑な推進に資するための事業の緊急性、必要性を十分把握しないまま交付金を交付したこと、交付金の交付に当たり、交付要綱等において、交付金の使用時期、使途等を明確にするなど交付金の効果を確保するための措置を十分とっていなかったことなどによると認められました。
したがいまして、未使用となっていた交付金については、その後の状況を把握し、適切な措置を講ずるとともに、今後、この種の交付金を交付する場合には、その必要性等を十分検討の上、交付目的、使途等を明確にするなど、交付金の趣旨の徹底等について適切な指導を行い、その効果を十分確保する必要があると認められましたので、その旨改善の意見を表示したものであります。
次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
これは、補助対象経費の範囲及び算定方法に関するものであります。
林野庁では、林業、木材産業の発展に資するなどのため、研究開発事業を行う団体に対して国庫補助金を交付しており、団体では、木材産業関連企業等の事業者に補助金を交付したり、委託したりして研究開発事業を実施させております。
これらの国庫補助金の補助対象経費は、交付要綱等により、(1)技術者の人件費、(2)機械・装置等の設計、製作等に係る物件費及び外注費、(3)光熱水費、通信運搬費、消耗品費等の管理費的な経費とされております。
今回、社団法人日本木材加工技術協会ほか二団体が実施した補助事業について調査したところ、交付要綱等で技術者の人件費及び管理費的な経費の範囲及び算定方法が明確に定められていなかったため、各事業者が個々の判断で算定していて、これらの中には研究開発事業に直接に要したとは認められない経費が含まれているなど適切でない事態が見受けられました。
このような事態が生じていたのは、林野庁において、補助対象経費の範囲及び算定方法を明確に定めていなかったことなどによると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、林野庁では、平成四年十一月に団体に対して通達を発し、研究開発事業に係る補助対象経費について、当該事業の実施に直接に要する経費とすることとし、その範囲及び算定方法を明確にするなどの処置を講じたものであります。
なお、以上のほか、平成元年度決算検査報告に掲記いたしましたように、国営木曽岬干拓事業により造成された干拓地について、及び平成二年度決算検査報告に掲記いたしましたように、市街化区域内に所在する国有農地等の有効な利活用を図るための処分の促進について、それぞれ意見を表示いたしましたが、これらに対する農林水産省の処置状況についても掲記いたしました。
以上をもって概要の説明を終わります。
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平成三年度会計検査院の指摘に対して講じた措置の説明
農林水産省
地方公共団体等が施行する国庫補助事業につきましては、その適正な執行を図るため、常に努力しているところでありますが、これらの一部について、平成三年度決算検査報告において指摘を受けるような事態が生じましたことは、誠に遺憾であります。
不当事項として指摘を受けたものは、補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの七件であります。
意見を表示され又は処置を要求された事項は、新農業構造改善事業等による施設の設置及び運営並びに水田農業確立特別交付金の交付についてであります。
不当事項として指摘を受けた補助事業の実施及び経理が不当と認められるものについてでありますが、畜産団地整備育成事業において補助の目的外に使用しているもの、水田農業確立対策推進事業において補助の対象とは認められないもの及び地域農業生産総合振興事業において補助の目的外に使用しているものにつきましては、既に補助金を返還させたところであり、また、畜産総合対策事業、農村活性化総合整備事業及び広域営農団地農道整備事業において設計が適切でないもの並びにため池等整備事業において設計及び施工が適切でないものにつきましては、手直し工事を施工させる措置を講じたところであります。
さらに、指摘の内容を踏まえ、地方公共団体等に対し会議、文書等を通じ指導の一層の徹底を図ったところであります。
新農業構造改善事業等による施設の設置及び運営が適切に行われるよう是正改善の処置を要求されたものにつきましては、指摘の趣旨を踏まえ、都道府県に対し、事業計画の策定について指導を強化するなど施設の適切な設置及び運営が図られるよう所要の措置を講じたところであります。
水田農業確立特別交付金の交付の効果を確保するよう改善の意見を表示されたものにつきましては、指摘の趣旨を踏まえ、当該交付金の使用について適切な指導を行うなど所要の措置を講じたところであります。
今後、この種の事態発生を未然に防止するため、より一層の指導・監督等を徹底いたしまして、予算の適切な執行に努めてまいる所存であります。
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平成三年度農林漁業金融公庫業務概況
農林漁業金融公庫
平成三年度における農林漁業金融公庫の業務の概況についてご説明申し上げます。
国においては、二十一世紀に向けて、足腰の強い農林水産業を確立し、農林漁業者が誇りと希望を持って農林水産業を営むことができる環境の整備と活力ある農山漁村社会の構築を基本として諸施策が展開されました。
こうした国の施策に即応して、当公庫は、業務の運営にあたりまして、関係機関との密接な連けいのもとに、農林水産業の生産基盤の整備及び経営構造の改善のための融資を推進するとともに、多様化する資金需要に対応して、融資条件の改善を含め、融資の円滑化に配慮してまいりました。
平成三年度における貸付計画について申し上げますと、貸付計画額は六千億円を予定いたしました。
これに対する貸付決定額は五千二百二億八千七十三万円余となり、前年度実績と比較して四百十八億三千五百九十九万円余の増加となりました。
この貸付決定額を農業・林業・水産業に大別して申し上げますと
一、農業部門 三千七百八十四億三千六百六十三万円余
二、林業部門 四百八十一億四千五百四十七万円余
三、水産業部門 七百四十七億五千八百六十五万円余
四、その他部門 百八十九億三千九百九十五万円余
となりまして、農業部門が全体の七十二・七%を占めております。
次に平成三年度の貸付資金の交付額は五千億八千八百四万円余となりまして、これに要した資金は、資金運用部からの借入金三千八百八十五億円、簡易生命保険からの借入金五百六十五億円並びに貸付回収金等五百五十億八千八百四万円余をもって充当いたしました。
この結果、平成三年度末における貸付金残高は五兆三千二百十五億四千百四万円余となりまして、前年度末残高に比べて三百二億一千二百七十六万円余、〇・六%の増加となりました。
貸付金の延滞状況につきましては、平成三年度末におきまして、弁済期限を六か月以上経過した元金延滞額は三百七十二億三千三百五十八万円余となりまして、このうち一年以上延滞のものは三百五十三億九千六十一万円余となっております。
次に平成三年度における収入支出決算の状況についてご説明申し上げますと、収入済額は、収入予算額三千七百九億三千三百十六万円余に対し三千七百八十二億九千五百十二万円余となりました。また、支出済額は、支出予算額三千八百七十六億五千三十一万円余に対し三千四百五億二千七十九万円余となり、支出に対し収入が三百七十七億七千四百三十二万円余多くなっております。
最後に、平成三年度における当公庫の損益計算の結果について申し上げますと、貸付金利息等の総利益は四千五十八億九千八百八十一万円余、借入金利息等の総損失は四千五十八億九千八百八十一万円余となり、利益と損失が同額となりましたため、利益金はなく国庫納付はありませんでした。
これらの業務の遂行にあたりましては、常に適正な運用について、鋭意努力してまいりましたが、平成三年度決算検査報告におきまして、総合施設資金等の貸付けにつきまして不当事項として指摘を受けたものがありますことは、まことに遺憾に存じております。指摘を受けました事項につきましては、直ちに適切な措置を講じましたが、今後はこのようなことの再び起こることのないよう業務運営の適正化に一層努める所存であります。
以上が、平成三年度における農林漁業金融公庫の業務の概況であります。なにとぞよろしくご審議のほどお願いいたします。
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平成三年度決算農林漁業金融公庫についての検査の概要に関する主管局長の説明
会計検査院
平成三年度農林漁業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項五件であります。
検査報告番号二〇八号から二一二号までの五件は、総合施設資金等の貸付けが不当と認められるものであります。
これらの資金の貸付事業は、農林漁業者等に対し、農林漁業の生産力の維持増進等に必要な長期かつ低利の資金で、一般の金融機関から融通を受けることが困難な資金を直接又は金融機関に委託して貸し付けるものでありますが、総合施設資金等の貸付けに当たり、借入者から事実と相違した内容の借入申込みや事業完成報告がされているにもかかわらず、これに対する審査及び確認が適切でなかったなどのため、貸付金額を過大に算定するなどしているものであります。
以上、簡単でございますが説明を終わります。