柳田稔の発言 (厚生委員会)

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○柳田委員 私は、ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、改革を代表して、その趣旨を説明いたします。
 まず最初に、国民負担率以外の修正項目の要旨を説明いたします。
 第一に、在職老齢年金の併給調整額の水準については、二十万円から二十二万円に引き上げることであります。
 第二に、失業給付との併給調整については、実施時期を平成十年四月に、高年齢雇用継続給付との併給調整については、実施時期を平成十年四月にそれぞれ延期することといたしております。
 第三に、中国残留邦人の年金については、沖縄復帰後の前例に倣い、昭和二十六年以降の期間について保険料免除期間及び追納期間として対応することとしています。
 次に、「国庫負担率を二分の一を目途に段階的に引き上げることを附則に明記する修正について説明いたします。
 我々は、今回の年金改正に当たり、重要な論点となった国庫負担率の問題について、財源確保の問題があることから、当初の政府案から切り離し、今後の重要な検討課題といたしました。しかし、その後、政治状況に変化があったという経緯とは別に、サラリーマン等の実収入が横ばいないしは減少するという厳しい社会経済状況の中で、今回の年金の掛金アップ、さらに消費税の引き上げ、公共料金凍結解除が決められており、今後、介護保険の検討などを考えると、国民の負担の担保ばかりが先行しているのであります。
 財源確保や負担の問題を考えるとき、本来、将来の福祉ビジョンがまずあるべきであります。しかしながら、今回の税制改正では、何ら将来の福祉ビジョン、年金制度のあるべき姿が議論されることなく、単に消費税率の引き上げと申しわけ程度の福祉予算の確保が盛り込まれているにすぎません。このように理念もビジョンもない継ぎはぎだらけの税制改革となったのは、将来、どういう福祉社会を実現すべきなのか、それを支える国民全体の公平な負担とは何なのかという根本的問題を避けて、政権維持のための妥協のみが優先した結果であります。
 我々は、去る六月に税制改革協議会のもとに設けた年金・医療等福祉に関する小委員会の報告書において、「質の高い福祉」を国民全体の公平な負担で支える二十一世紀の福祉ビジョンを国民の前に明らかにしたのであります。
 その中で重要な検討課題とした国庫負担率の問題について、今回、将来の財源確保の問題について、我々も回避できない責任を持つとの認識の上に立って、国庫負担率を二分の一を目途に段階的に引き上げることを本法案に明示すべきであるとの結論に達したのであります。
 与党側においても、自民党は六月一日の年金改革検討小委員会中間報告で二十一世紀からの国庫負担率の段階的引き上げを明確に提案しており、社会党も五月二十六日の「高齢社会福祉プログラム中間報告」において、「今般の税制抜本改革時に、国庫負担率を三分の一ら二分の一に引き上げる」と明示しているのであります。
 今回の修正論議においても、当初与党側からは段階的に引き上げの方向を示したい、二分の一への引き上げを明示する、といった本修正案と同様の考え方が示されたのであります。しかし、与党の修正案に二分の一に引き上げるという明示がないのは、不思議でなりません。みずからの言動に責任を持つことが、政治の倫理であります。
 次期財政再計算までに、財政上の問題には、税制も含めた総合的な検討をきちっと行い、結論を出す決意を政治家として共有することを前提に、国庫負担率を引き上げることを今回法案に明記するよう決断すべきであります。
 良識ある委員各位の御賛同をお願いいたします。

発言情報

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発言者: 柳田稔

speaker_id: 29413

日付: 1994-10-26

院: 衆議院

会議名: 厚生委員会