北側一雄の発言 (本会議)
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○北側一雄君 私は、改革を代表いたしまして、ただいま議題となっております改革提出の所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案、平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法案及び地方税法等の一部を改正する法律案に対する修正案並びに政府提出の減税特例公債法案に対し賛成の立場から、また、政府提出の減税特例公債法案以外の税制改革関連三法案に対し反対の立場から、討論を行います。(拍手)
税制は、国の基本にかかわる重大な問題であります。また、国民生活にも直結した国政の最重要課題であります。ゆえに、国民の信託を受けた我々国会議員は、極めて慎重かつ厳正に審議を尽くすべきは当然でございます。にもかかわらず、自民党、社会党、新党さきがけの与党は、税制改革に関する特別委員会において、全く不誠実かつ強引な委員会運営を行ったのであります。(拍手)
我々改革が責任ある野党として修正案を取りまとめ、対案を示したにもかかわらず、十分な審議もなされないままに、強行採決という議会制民主主義を踏みにじる暴挙に出たことはまことに遺憾でございます。(拍手)まさに、議席、数の力に任せたおごりと断ぜざるを得ません。広く国民の声を聴取するという政治家の責務を放棄した政府・与党の姿勢には、心の底から大きな怒りを禁じ得ません。与党の反省を促すものでございます。
以下、改革提出の修正案に賛成し、減税特例公債法案以外の政府案に反対する理由を順次申し述べます。
第一の理由には、この税制改革関連法案は、内容的に極めて不十分かつ中途半端で、理念、目的が全く不明確であり、抜本的な税制改革の要請にこたえていないということでございます。
所得減税では特別減税との二階建てとなり、中堅サラリーマンなどの所得税の重税感は十分には緩和されておりません。しかも、平成九年には二兆円の特別減税がなくなり、政府案の制度減税だけが残った場合、消費税率の引き上げと特別減税が実施されないことにより六兆円を超える規模の二重の増税となるのであります。住宅、教育などの重い支出に苦しむ国民の生活や経済に対する影響は甚だしいものと言わざるを得ません。また、福祉、行財政改革、租税特別措置、消費税の適正化など、重要課題はすべて附則第二十五条の見直し条項で先送りされているのであります。
さらには、新設の地方消費税を含めた消費税率の五%は、現時点では単なる仮置きの数字であるということでございます。その証拠に、税制改革に関する特別委員会において、私の質問に対し武村大蔵大垣は、とりあえずここは五%で一たん処理をすると答弁されているのであります。結局、二年後の見直しの時点では税率はどうなるのかわからないという極めて無責任なものと言わざるを得ません。
第二の理由は、高齢社会対応といいながら、前提となる福祉ビジョンもなく、このままでは新ゴールドプランなど福祉政策の破綻は必至であるということであります。
高齢化社会に対応するというのであれば、将来の福祉ビジョンを提示していくことが、国民に増税を求める政府としての当然の対応ではありませんか。しかし、政府は、この作業を全く怠り、申しわけ程度の高齢化対策枠を設けるというこそくな手段をとったのであります。
厚生省がつくった新ゴールドプランの案は、三千三百に及ぶ地方自治体が地域の実情や住民の要望を踏まえて地方老人保健福祉計画を策定し、これを積み上げて集計されたものが新ゴールドプランであります。事実上、住民に対する公約となっているのであります。新ゴールドプランは、厚生省から与党税調に提出されているにもかかわらず、今回の法案では全くこれについて無視をされております。
そもそも、与党三党の税制改革大綱にはこのように書かれております。「今後の少子・高齢社会への適切な対応のためには避けて通れない税制の抜本的改革という課題に対して真正面から取り組んだ成果である。」と書かれているのであります。何が、どこが、少子・高齢社会対応の税制改革ですか。どこが抜本改革でしょうか。何が真正面から取り組んだ成果でありましょうか。私には、今回の税制改革案のどこをどう読めばこういう考え方が出てくるのか、全くわからないのであります。(拍手)
第三の理由は、村山総理を初め武村大蔵大臣が、就任以来、行政改革は税制改革の前提であると再三明言してまいりました。それにもかかわらず、全く何の展望、内容等について示されず、結局は見直し条項で逃げることで行政改革を事実上ほごにしているのであります。
中でも、武村大蔵大臣が党首を務める新党さきがけは、税制改革関連法案の与党内議論の過程において、二度にわたって行政改革に関する提言をおまとめになりました。一度は特殊法人の整理統廃合について、二度目は二兆四千億円に上る行政改革案でありました。しかし、このいずれも、税制改革関連法案の提出に当たって内容的に何ら反映されたものとなっておりません。税と財政に関する最高責任者である大蔵大臣が党首を務める政党によって提言された内容が、結局は今回の法案では全く一顧だにされず無視されたのであります。
武村大蔵大臣は、税制改革関連法案を提出した大蔵大臣の顔と、国民に期待感を抱かせるだけの幻の行政改革案を提言する政党党首の顔と、この二つの顔を使い分けておられる、こう国民は受けとめているのではないでしょうか。(拍手)二度にわたるさきがけの提言はパフォーマンスだったのでありましょうか。
国民に負担増をお願いするに当たっては、みずからの身を削る努力は当然であります。我が改革が提出した修正案に沿って、政府は早急に行政改革に対する考え方を国民の前に具体的に明示すべきであります。
第四の理由は、今回の税制改革案は、自民党単独政権時代に膨れ上がった二百兆円にも及ぶ公債残高があるにもかかわらず、国民に増税を求めておきながら、さらに国が借金をするという全く言語道断なものであるということであります。
今回の法案では、消費税引き上げに伴う政府支出増のうち、四千億円は建設国債すなわち借金によって賄い、法人特別税の廃止と自動車の消費税の経過措置の廃止分三手億円も何ら財源措置がされておりません。増税が借金をふやす要因となるのでは、何のための税制改革かわからないのであります。
また、政府は、財源手当てが不透明なまま歳出計画を矢継ぎ早に決定しております。去る十月七日、閣議で決定された総額六百三十兆円の公共投資基本計画や、また十月二十五自に緊急農業農村対策本部が決めた総額六兆円の農業対策大綱についても、この財源担保は不透明であります。今回の法案における消費税率五%は、現段階では単なる仮置きの数字であり、このままでは、ばらまき型財政運営への懸念と、見直し期間の二年の間に歯どめなき増税路線に陥る危険性を指摘せざるを得ないのであります。
以上、改革提出の修正案に賛成し、減税特例公債法案以外の政府案に反対する理由を申し述べてまいりましたが、最後に、心ある社会党の皆様に訴えたい。
我々改革が提出した修正案は、細川、羽田内閣を支えた旧連立与党時代に、社会党の皆さんも参加された福祉社会に対応する税制改革協議会での福祉、行政改革、税制の各小委員会等で社会党の皆さんと我々とで精力的に交わした議論を土台として、それを踏まえて改革派内で議論を尽くして提出した修正案でございます。その内容は、飲食料品についての複数税率を見直しの検討対象とし、税制改革の前提として、福祉ビジョン、行政改革の速やかな提示を求めているものでございます。社会党の皆さんも、胸中では必ずや共鳴されているに違いないと確信するものでございます。(拍手)
社会党の皆さん、どうかみずからの税制に対する政治信念を国民の前に明確にお示ししていただきたい。勇気を持って、我々改革の提出した修正案に賛成票を投じることを心からお訴えし、私の討論といたします。(拍手)