武村正義の発言 (予算委員会)
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○武村国務大臣 平成七年度予算及び平成六年度補正予算の大要につきましては、先日、本会議において申し述べたところでございますが、予算委員会での御審議をお願いするに当たり、その内容を申し上げます。
まず、平成七年度予算の編成の基本方針及びその概要について申し述べます。
平成七年度予算は、財政体質の歯どめなき悪化につながりかねない特例公債の発行を回避するため、従来にも増して徹底した歳出の洗い直しに取り組む一方、限られた財源の中で資金の重点的・効率的な配分に努め、質的な充実に配意することとして編成をいたしました。
歳出面につきましては、既存の制度・施策について見直しを行うなど経費の徹底した節減合理化に努めることとし、一般歳出の規模は四十二兆一千四百十七億円、前年度当初予算に対し三・一%の増加となっております。
国家公務員の定員につきましては、第八次定員削減計画を着実に実施するとともに、増員は厳に抑制し、二千八十五人に上る行政機関職員の定員の縮減を図っております。
補助金等につきましては、地方行政の自主性の尊重、財政資金の効率的使用の観点から、その整理合理化を積極的に推進することとしております。
また、現下の一段と深刻さを増した財政事情にかんがみ、特例的な措置として平成六年度予算に引き続き国債整理基金特別会計に対する定率繰り入れ等三兆二千四百五十七億円を停止する等の措置を講ずるとともに、平成五年度の決算上の不足に係る国債整理基金からの繰り入れ相当額五千六百六十三億円の同基金への繰り戻しを平成八年度まで延期するという臨時異例の措置を講ずることとしております。これらの借倒につきましては、税外収入の確保のための特別措置とあわせ、既に別途、平成七年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案を提出し、御審議をお願いすることとしております。
これらの結果、一般会計予算規模は七十兆九千八百七十一億円、前年度当初予算に対し二・九%の減少となっております。
一方、歳入面におきましては、税制につきまして、今般の税制改革及び特別減税に関連する法律が成立したことを踏まえ、平成七年度税制改正として、最近の社会経済情勢の変化及び現下の厳しい財政状況に顧み、課税の適正・公平を確保する観点から租税特別措置の大幅な整理合理化を行うとともに、早急に実施すべき措置を講ずることとしております。
また、税外収入につきましては、一段と深刻さを増した財政事情のもと、外国為替資金特別会計及び自動車損害賠償責任再保険特別会計からの一般会計への繰り入れの特別措置を講ずる等格段の増収努力を払っております。
公債につきましては、公共事業等の財源を確保する等のため、建設公債を九兆七千四百六十九億円発行することとしております。また、所得税減税の実施等による平成七年度における租税収入の減少を補うため、先般、第百三十一回国会において成立した所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の施行等による租税収入の減少を補うための平成六年度から平成八年度までの公債の発行の特例等に関する法律に基づき、特例公債を二兆八千五百十一億円発行することとしております。
財政投融資計画につきましては、資金の重点的・効率的な配分を図ったところであり、一般財投の規模は四十兆二千四百一億円、前年度当初計画額に対し二・一%の増加となっております。また、資金運用事業を加えた財政投融資計画の総額は四十八兆一千九百一億円、前年度当初計画に対し〇・七%の増加となっております。
次に、まず、一般会計の概要を申し述べます。
歳入予算の内訳は、租税及び印紙収入五十三兆七千三百十億円、その他収入四兆六千五百八十一億円及び公債金収入十二兆五千九百八十億円となっております。
まず、租税及び印紙収入について申し述べます。
平成七年度の税制改正におきましては、租税特別措置の大幅な整理合理化を行うとともに、社会経済情勢の変化への対応、土地・住宅税制の見直しなど、早急に実施すべき措置を講ずることとしております。
なお、関税率等につきましても所要の改正を行うこととしております。
NTT株式売却収入の活用に係る国債整理基金特別会計受入金につきましては、一千七百二十五億円となっております。また、税外収入につきましては、四兆四千八百五十六億円となっております。
次に、歳出の主要な経費につきまして、順次説明をいたします。
公共事業関係費につきましては、昨年十月に策定された新しい「公共投資基本計画」を踏まえ、本格的な高齢化社会が到来する前に着実に社会資本整備を推進するとの観点に加え、回復局面にある我が国経済情勢も考慮し、高い伸びを確保することとしており、九兆三千四百二十三億円となっております。また、住宅、下水道、環境衛生等の国民生活の質の向上に結びつく分野を初め、二十一世紀に向けて新たな時代のニーズに的確に対応するため、思い切った重点投資を行うなど、重点的・効率的な配分に一層の努力を払っております。また、住宅金融公庫融資の着実な推進、公共賃貸住宅の供給の促進、住宅宅地関連公共施設の整備の促進など住宅対策の拡充を図ることとしております。
社会保障関係費につきましては、十三兆九千二百四十四億円を計上し、老人保健制度及び国民健康保険制度の改正、公費負担医療制度の見直しを行うほか、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を全面的に見直し、老人介護対策のさらなる充実を図るとともに、低年齢児保育の充実など緊急保育対策等を推進することに加え、がん対策、エイズ対策等の諸施策について、きめ細かく配慮しております。このほか、雇用対策につきましては、雇用の安定に万全を期するため、産業構造の変化や大学新卒者等にも配慮した総合的な雇用対策等を引き続き推進することとしております。
恩給関係費につきましては、恩給年額の改定等を実施することとし、一兆七千二百六十六億円を計上しております。
文教及び科学振興費につきましては、教育環境の整備、高等教育・学術研究の改善・充実、文化の振興等を図るとともに、基礎研究の充実を初め科学技術振興のため、各般の施策の推進に努めることとし、六兆七百六十五億円を計上しております。
中小企業対策費につきましては、中小企業の置かれている厳しい経営環境に配慮し、技術・ノウハウの開発やその事業化及び創業への支援による中小企業の創造的事業活動の促進策を初め、特に緊要な課題に重点を置いて、施策の充実を図ることとし、一千八百五十七億円を計上しております。
農林水産関係予算につきましては、世界貿易機関設立協定の承認やいわゆる新食観法の成立等我が国農業・農村を取り巻く内外の諸情勢を踏まえ、経営感覚にすぐれた効率的・安定的な経営体が生産の大宗を担う農業構造の実現に重点を置くこととし、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策を含め所要の施策の着実な推進に努めることといたしております。
経済協力費につきましては、開発における女性の役割の重視、環境への配慮等の新しい側面に十分配慮するとともに、NGOとの連携を強化するなど援助実施体制の充実に努めるほか、開発途上国における人づくり支援等を通じきめ細かく真に効率的な援助を目指すこととし、政府開発援助予算について前年度当初予算に対し四・〇%増の一兆一千六十一億円を計上しております。
防衛関係費につきましては、東西冷戦終結後の国際情勢、一段と深刻さを増している我が国の財政事情などを踏まえ、効率的で節度ある防衛力の整備を図ることとし、前年度当初予算に対し〇・八六%増の四兆七千二百三十六億円を計上しております。
エネルギー対策費につきましては、地球環境保全の重要性等も踏まえ、総合的なエネルギー対策を着実に推進することとし、六千八百十九億円を計上しております。
国債費につきましては、国債整理基金特別会計に対する定率繰り入れ等を停止することとしており、これに伴い国債整理基金の運営に支障が生じないよう、NTT株式の売却収入に係る無利子貸し付けについて繰り上げ償還を行うこととしております。このほか一般会計において承継した債務等の資金運用部に対する償還を延期すること等により、前年度当初予算に対し七・九%減の十三兆二千二百十三億円を計上しております。
地方財政につきましては、平成六年度に引き続き極めて厳しい状況になっておりますが、円滑な地方財政の運営に支障を生ずることのないよう所要の措置を講ずることとし、所得税減税、住民税減税の影響について交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金や減税補てん債の発行により補てんするとともに、一般会計からの加算や同特別会計の借入金を活用すること等により、所要の地方交付税総額を確保することとしております。
一般会計の地方交付税交付金につきましては、前年度当初予算に対し三・六%増の十三兆二千百五十四億円を計上し、交付税及び譲与税配付金特別会計から地方団体に交付する地方交付税交付金としては、前年度当初予算に対し四・二%増の十六兆一千五百二十九億円を確保することとしております。
なお、この際、私は、地方公共団体に対しまして、このような厳しい財政事情のもと、従来にも増して歳出の節減合理化、定員及び給与についての適切な管理等を行い、地方財政の一層の健全化を進めるよう要請するものであります。
以上、主として一般会計について申し述べましたが、特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、資金の重点的、効率的な配分に努め、事業の適切な運営を図ることとしております。
財政投融資計画につきましては、対象機関の事業内容等を厳しく見直すとともに、国民生活の質の向上等各般の政策的諸要請に的確に対応していくとの考え方に立ち、住宅建設、地域の活性化等の分野を中心に一層の重点的・効率的な資金配分を図ったところであります。
次に、平成六年度補正予算について申し述べます。
平成六年度一般会計補正予算につきましては、歳入面では、最近までの収入実績等を勘案して租税及び印紙収入の減収を見込む一方、税外収入の増収等を計上するとともに、歳出面では、災害復旧等事業費、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策費、義務的経費の追加など特に緊要となった事項等について措置を講ずることとしております。
以上によりまして、平成六年度一般会計補正後予算の総額は、当初予算に対し、歳入歳出とも六千七百三十五億円減少し、七十二兆四千八十二億円となります。
また、特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、所要の補正を行うこととしております。
なお、一般会計及び特別会計におきまして、一般公共事業に係る所要の国庫債務負担行為の追加を行うこととしております。
以上、平成七年度予算及び平成六年度補正予算につきまして、その内容を説明いたしましたが、なお、詳細にわたる点につきましては、政府委員をして補足説明をいたさせます。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。
なお、本日、本委員会に「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」等を提出をいたしましたが、これらについて一言申し上げます。
さきにも申し述べたとおり、平成七年度予算におきましては、尋常ならざる厳しさの中にある現在の財政事情のもと、財政体質の歯どめなき悪化につながりかねない特例公債の発行を回避するため、従来にも増して徹底した歳出の洗い直しに取り組む一方、限られた財源の中で資金の重点的・効率的な配分に努め、質的な充実に配意したところでございますが、我が国財政は、平成七年度末の公債残高が約二百十二兆円に増加する見込みであり、国債費が政策的経費を圧迫するなど、構造的にますます厳しさを増しております。これに加
え、平成五年度決算において税収が三年連続して減少し、初めて二年連続して決算上の不足を生じるという極めて異例な事態となっている上、安定成長下の経済においては、過去見られたような大幅な税収の増加を期待することは困難であることを考えれば、今や我が国財政は一刻も放置しておけないほどに脆弱な体質になっていると言っても過言ではありません。
このため、我が国財政がこのように切迫した状況にあることについて、広く訴えるとともに、今後の中期的な財政運営につきましては、「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」にございますように、財政がその対応力を回復することにより、今後の社会経済情勢の変化に財政が弾力的に対応していく必要があり、国と地方を通じた行財政改革を強力に推進し、歳出全般にわたる制度・施策の徹底した見直しに努め、公債依存度の引き下げ等を図ることにより、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げることが基本的課題であります。その背景にある中期的な財政事情を試算したものとして、従来と同様、後年度負担類推計をもとにした「財政の中期展望」を添付しております。
また、この「財政の中期展望」に関連して、「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算」も、従来と同様、あわせて提出をいたしております。
提出いたしました資料につきまして、よろしくお目通しのほどをお願い申し上げます。