伊藤英成の発言 (予算委員会)
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○伊藤(英)委員 私は、新進党を代表して、ただいま議題となりました我が党提出の平成七年度一般会計予算外二案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議に賛成し、政府提出の平成七年度一般会計予算外二案に対して反対の討論を行うものであります。
まず、討論に先立ち、去る一月十七日未明に発生した阪神・淡路大震災により、不幸にも犠牲になられました方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族に対し、衷心よりお悔やみを申し上げます。また、今なお厳しい避難生活を送られている方々、負傷し入院されている皆様に対し、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
今後は一日も早い本格的な復旧、復興が急がれるところでありますが、そのためには迅速かつ適切な対応が要請であります。もちろん、我が党としても、でき得る限りの支援を行う決意であることをここに申し添えるとともに、この際、村山内閣の危機管理、政治姿勢について一言触れておきたいと思います。
最新の科学の力をもってしても、地震については予知すらいまだできない現状であり、ましてや大自然による災害に対しては、我々人間の力は極めて小さいものであります。しかしながら、政治や行政が万全の措置をとるならば、その被害は最小限に抑えられるのであります。
五千四百余名のとうとい命が失われた今回の阪神・淡路大震災の政府の対応については、危機管理体制の欠如、自衛隊の災害出動のおくれなど、内外のマスコミあるいは世論から厳しい批判が寄せられております。我が党が再三提案してきた、災害対策基本法に基づく緊急災害対策本部の設置を行わなかったこと、また、人命救助、緊急輸送などに大混乱を起こしたことなど、今回政府がとった措置は極めてずさんな対応であったとしか言いようがなく、この点においては、国民の政治に対する信頼を失わせた村山内閣の責任は重大であります。
また、行政改革への取り組みについて、村山総理は、さきの施政方針演説において、行革は村山内閣の最重要課題であり、言葉だけの改革に終わることのないよう、不退転の決意と勇気で断行すると力強く断言したのでありますしかるに、特殊法人の見直しについての取り組みたるや、お粗末きわまりなきどたばた劇そのもので、およそ国民が期待した行政改革とはかけ離れ、それこそ言葉だけの改革になりつつあると断ぜざるを得ません。
正しい主張、政策については、たとえそれが野党からのものであっても、真摯に耳を傾ける姿勢が必要であります。謙虚さを欠いた村山内閣の政治姿勢について反省を促し、以下、本予算の組み替えが必要な理由を申し上げます。
その第一は、現在、国政の最重要課題であり、全国民が最も関心を寄せている阪神・淡路大震災の復旧、復興対策が不十分ところか、全く盛り込まれていないことであります。
政府は当面の措置として、応急的対策のため、平成六年度第二次補正予算を編成したところでありますが、これだけでは、被害総額が十兆円とも言われる本震災への対策としては不十分であることは明らかであります。被害の全容掌握と復興計画の早期策定を急ぐとともに、既に被害額が判明し、対策が可能なものについては、直ちに当初予算を組み替え、早急に予算措置を講ずべきであります。
第二の理由は、平成七年度予算が防災都市づくりに全く対応していないのみならず、公共事業の配分見直しなど公共投資に対する改善がなされていないことであります。
昨年十月に閣議決定された公共投資基本計画には、都市防災の視点が欠落しており、今回の阪神・淡路大震災の惨禍を見るまでもなく、都市防災は、地震国である我が国にとって必要不可欠にして緊要な課題であります。また、公共事業の配分見直しについては、細川連立政権において一定の方向性を示したにもかかわらず、平成七年度予算においては、配分の既得権益化を許したままで、ほとんど見直しがなされておりません。新しい公共投資計画の初年度である平成七年度を好機として抜本的な防災都市づくりに着手し、改めて公共事業の配分見直しを行うべきであります。
第三の理由は、平成七年度予算において、行財政改革先送り及び放漫型財政運営の懸念が現実化していることであります。
平成七年度予算編成の過程において、我々新進党は、国民生活の一層の向上と景気の着実な回復を図るため、経済の活性化、行財政改革の断行等、我が国が抱える最重要課題について、二度にわたり政府に具体的な提言を行ったところでありますしかるに、村山内閣は、提言提言を一顧だにすることなく、旧態依然たる編成手法に終始し、放漫型財政運営による改革先送り予算となっており、是正を要求するものであります。
第四の理由は、平成七年度予算において赤字国債の発行を抑えるため、いわゆる隠れ借金やNTT株式売却収入の活用事業を使った小手先の会計操作など、破綻寸前の財政状態を国民の目から隠すため、さまざまな粉飾的手法が行われていることであります。
財政民主主義を確立するためには、財政の現状を隠すことなく、これを公にし、行財政改革を速やかに断行するとともに、歳入歳出構造を全体的に見直すことなど、財政健全化の方途を国民に提示すべきであります。
以上の諸点から明らかなように、平成七年度予算は数々の問題を内包しており、特に阪神・淡路大震災の発生によりその編成の前提条件が大きく変わったことで、現状に適応した予算とは言いがたいものであります。国民の生命及び生活の安定が国政の最重要課題であるとの認識に立つならば、当初予算の組み替えは当然の帰結であり、政府は、速やかに災害対策を中心として平成七年度予算を抜本的に組み替え、国民の信託にこたえるべきであります。
以上、我が党提出の動議に賛成し、政府原案に反対する理由を申し述べ、私の討論といたします。
なお、日本共産党提出の編成替えを求めるの動議については、反対するものであります。
以上であります。(拍手)