武村正義の発言 (本会議)

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○国務大臣(武村正義君) 我が国財政は、総理もお答えいたしましたように、公債依存度、利払い費率等が主要先進国の中でも一、二を争う高い水準になっております。御承知のように、平成五年度決算において税収が三年連続して減少しましたし、初めて二年連続して決算上の不足を生ずるという極めて異例な事態となってきております。
 七年度予算の編成に当たりましては、このように異例に厳しい財政事情のもとで、特例公債の発行を回避するため歳出歳入両面においてあらゆる努力を傾注いたしたところでございます。
 今後の財政運営に当たりましては、こうした一段と深刻さを増してきた財政状況のもとで、財政が社会経済情勢の変化に適切かつ迅速に対応していくため、公債残高の累増に伴う国債費の重圧が政策的経費の圧迫要因となっている現在の財政構造の改善を図っていくことがますます急務であります。
 こうした認識に立って、平成六年二月、財政審議会会長の「中期的財政運営の在り方に関する所見」におきましても、「一段と厳しい財政事情の下ではあるが、公債依存度の引下げ等により、公債残高が累増しないような財政体質を作り上げるとの努力目標に改めて取り組むよう強く要請する。」との指摘がなされたところであります。
 公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げるという努力目標に積極的に取り組むことは重要な課題でありますし、今後とも、あらゆる努力を傾注し財政改革を一層強力に推進していかなければならないと考えます。
 次に、一〇%以上の歳入不足についてのお尋ねでございますが、五年度におきましては、バブル経済の崩壊もあって年度途中において税収が大幅に落ち込むと見込まれたことから、第二次補正予算におきまして、従来にも増して徹底した既定経費の節減を行うとともに、税外収入の確保、追加財政需要の圧縮に努めたほか、やむを得ざる措置として国債整理基金特別会計に対する定率繰り入れ等の停止など、特例的な措置を講ぜざるを得なかったところであります。
 さらに決算段階においては、補正後予算に対し一段の減収となったことから決算上の不足を生じ、結果として決算調整資金からの繰り入れを余儀なくされたところでございます。
 税収の見積もりにつきましては、予算編成時点までの課税実績や政府経済見通しの諸指標等を基礎に最大限の努力を傾けているところでございせすが、特にいわゆるバブル経済の崩壊の過程におきましては、経済情勢の見きわめが極めて困難であったことにつきましても御理解を賜りたいと存じます。
 次に、法人税依存体質についてのお尋ねでございますが、法人税を含む所得課税は景気変動の影響を大きく受けやすいというのは御指摘のとおりでございます。このような点も含め、いかなる税目もそれぞれ長所を有する反面、何らかの問題を伴いますので、所得、消費、資産等に対する課税を適切に組み合わせていくことが必要でございます。
 昨年成立しました税制改革関連法におきましては、こうした基本的な考え方を土台として、活力ある福祉社会の構築を指す視点に立ち、所得課税の負担軽減及び消費課税の充実を図ったところでございますが、消費課税は景気変動に対する振れがより小さく、このような改革の実現により安定的な税収構造の構築に資するものと考える次第でございます。
 最後に、中期財政計画の策定についてのお尋ねでございますが、中期財政計画を策定するに当たりましては、まず、今後の中長期的な社会経済情勢や我が国を取り巻く国際情勢の変化を極めて正確に見通す必要がありますが、今日のように社会経済情勢が大きく変化する時代にありましては、このような見通しを立てることは極めて困難なことであります。
 あえて一定の仮定のもとで将来を見通し政策選択を行おうとする場合には、財政計画策定時点での将来見通しや政策選択は早期に現実と乖離したものとなることは必至でありますほか、計上経費が既得権化し、かえって財政の膨張、硬直化を助長する等、効率的な資源配分や財政の機動的、弾力的な対応が阻害されることにもなります。
 以上から、中期財政計画を策定することにつきましては、いい御提案ではございますが、実際には容易でないことも御理解をいただきたいと考えます。(拍手)

発言情報

speech_id: 113215254X00419950209_023

発言者: 武村正義

speaker_id: 25957

日付: 1995-02-09

院: 参議院

会議名: 本会議