井出正一の発言 (本会議)
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○国務大臣(井出正一君) 木暮議員の御質問にお答えをいたします。
まず、新しい高齢者介護システムの検討についてのお尋ねでありますが、御指摘のように、高齢者介護の問題は、保健、医療、福祉、年金等社会保障の各分野にまたがる幅広い課題であります。そこで、新介護システムの検討に当たっては、老人福祉制度や老人保健制度について見直しが必要となるほか、医療保険制度等関連する諸制度についても影響が大きいものと考えられ、社会保障制度全般にわたって総合的に検討を進めていく必要があると考えております。
新介護システムについては、本年二月より老人保健福祉審議会において議論を開始したところでありますが、審議の概要等の公開について十分配慮するとともに、広く関係各方面の御意見等を何いながら国民各層に理解の得られる新介護システムの構築に向けて鋭意検討を進めてまいる所存で保あります。
次に、保険基盤安定制度に係る国庫負担の定額措置についてのお尋ねでございますが、二年間とされていた国庫負担の定額措置の継続は、今回の改正が国民健康保険制度が抱える構造的な問題に対応するため当面必要とされる措置を講じるものであり、また、国の財政が厳しい状況にあること等から行うものであります。
なお、今回の改正では、五年度、六年度それぞれ百億円でありました国庫負担額を、七年度は百七十億円、八年度は二百四十億円に増額することとし、市町村の負担が増大しないよう配慮しております。また、市町村が負担することとなる額についても全額地方財政措置を行い、市町村の国保制度の運営に支障を生じないよう配慮しているところでございます。
次に、保険料軽減制度の拡充についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、応益割合の引き上げに伴い低所得者の負担が過重とならないよう配慮する必要があると考えており、今回の改正では、応益保険料の割合が五〇%に近い保険者について、現行の六割、四割軽減割合を七割、五割に高めるなどの配慮を行うこととしております。
また、応益割合が著しく低い市町村においては、相対的に低所得者の保険料水準も低いことから、こうした市町村において、応益割合を引き上げたとしても、保険料負担の公平の観点から見て低所得者に対する過重な負担となることはないものと考えております。
応益割合の決定につきましては、今回の改正は、その引き上げを強制する趣旨のものではなく、現実には、市町村においてこれらの改正の趣旨を踏まえながら地域の実情に応じて行われるものと考えております。
続いて、小規模保険者対策についてのお尋ねでございますが、今回の改正においては、事業運営の不安定な小規模保険者の増加に対応し、高額医療費共同事業の拡充や国民健康保険連合会等による保険者支援について所要の措置を講じることとしております。
また、広域連合の積極的活用や保険者規模の広域化については、保険者ごとに保険料格差があることなどから、現実問題としては大変難しい面があります。しかしながら、小規模保険者に係る構造的問題の解決を図ることは極めて重要な課題と考えており、医療保険審議会における議論等を踏まえつつ、国民健康保険制度の抜本的見直しの中でさらに検討を重ねてまいる所存であります。
また、小規模保険者の事務処理支援につきましては、保険者が保健事業や医療費適正化対策等を講じるに際して、事業運営に困難な状況が生じていることから、都道府県単位の保険者の共同組織である国民健康保険団体連合会及びその全国組織である国民健康保険中央会の保険者支援に係る法規定の整備を図り、これにより小規模保険者に対する支援の強化に努めてまいる所存であります。
次に、医療費適正化についてのお尋ねでございますが、現在、著しく医療費が高い市町村については、基準を超える医療費の一定部分を国、都道府県、市町村が共同で負担する措置である基準超過医療費共同負担制度を実施しているところであります。
今回の制度改正では、その一環として、この制度に係る基準の見直しを行い、極端に医療費の高い市町村については一層の医療費適正化のための努力を促すこととしております。
また、医療費適正化対策としては、この制度の活用のほか、医療機関に対する指導監査体制の強化、保険者によるレセプト点検の充実、健康診査等の保健事業の充実等を一層推進していく必要があると考えております。
さらに、入院医療費については、住みなれた家庭、地域での療養が可能となるよう新ゴールドプランや在宅医療を着実に推進し、適正化に努めてまいる所存でございます。
次に、老人加入率の上限についてのお尋ねでありますが、昨年十二月九日の老人保健福祉審議会の意見具申にも述べられているとおり、高齢化の進展により上限に該当する保険者が増加していること等にかんがみ、その引き上げは避けられないものと考えております。
ただ、今回の改正では、拠出金制度のあり方についてさまざまな意見があることから、三年以内にこれを基本的に見直すことを前提として、老人加入率の上限を、その該当保険者の割合が法制定当初の状態となる傘とする形をとった上で、当面の措置として、影響額が過大とならない範囲で段階的に引き上げることとしております。
具体的には、改正案では、平成七年度においては二二%、平成八年度以降、老人医療費拠出金の算定方法に関する基本的検討に基づく措置が講じられるまでの間においては二四%から二六%までの間で政令で定める割合とし、段階的に上限を引き上げることとしているところでございます。
次に、老人保健制度と公的介護制度との関連についてのお尋ねですが、新しい高齢者介護システムについては検討が始まったばかりでありまして、その具体的な姿が明らかでない現段階では、新制度創設後の老人保健制度の姿について具体的なイメージを明らかにすることは、困難であります。しかしながら、新制度創設後の老人保健制度がどうなるかは極めて重要な問題であり、今後、老人保健福祉審議会における議論の推移を見ながら、関係者の意見も十分踏まえて、老人保健制度のあり方について議論を深めてまいりたいと考えております。
続いて、国民健康保険における保健事業についてのお尋ねでございますが、国保被保険者の健康の維持増進、さらには中長期的な医療費適正化の観点からも、保健事業点大変重要な役割を果たしており、今後一層の拡充に努める必要があると考えております。このため、地域の実情に応じた保健事業を支援するため一定の国庫助成を行っているところであり、平成七年度からは在宅療養に必要な用具の貸し付け等の事業を新たに助成対象とすることといたしております。
また、国保保険者の行う保健事業は、直接は被保険者の健康の維持塔進を図ることを目的としたものでありますが、地方公共団体の行うほかの保健・福祉施策と密接な関係を有するものでありまして、地域保健、地域福祉の向上のため、これらを積極的に支援していくとともに、互いに十分連携をとりながら効率的な事業展開を行うことが望ましいものと考えております。
最後に、歯科保健事業についてのお尋ねでありますが、高齢者の口腔衛生は心身機能の維持回復という観点から重要な問題と考えており、従来から老人保健法に基づく保健事業においても歯の健康教育、健康相談や訪問口腔衛生指導を推進しているところであります。さらに、平成七年度からは、歯周疾患検診を総合健康診査の一環として、四十歳及び五十歳の節目の時期に実施することとしたところであります。
御指摘の歯科保健事業の取り扱いについては、まずこの歯周疾患検診の実施状況等を見た上で、保健事業の中でどのように取り組んでいくか検討してまいりたいと考えております。
また、新ゴールドプランにおいては、基本理念の一つとして、個々人の意思を尊重した利用者本位の質の高いサービス提供を通じ、高齢者の自立を支援することを掲げているところであります。
高齢者の自立には歯の健康も重要な要素であり、この歯周疾患検診は新ゴールドプランにおける高齢者の健康自立支援策の一つと位置づけることができるものと考えております。
今後とも歯科保健対策を含めた高齢者の自立支援策について積極的に取り組んでまいる所存であります。
以上でございます。(拍手)