秋葉忠利の発言 (規制緩和に関する特別委員会)
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○秋葉委員 社民党の秋葉でございます。
まず、二人の参考人、内橋先生それから正村先生、実は私は以前からお二人の著作を読ませていただいたことがありまして、実はアメリカに長い間住んでいたのですが、「匠の時代」、それから正村先生はお子さんのことをお書きになった本がありますが、そういったものを読ませていただいて大変感動した記憶がございます。きょうは御意見を伺えるということで大変光栄に思っておりますが、残念ながら時間が余りありませんので、事によったら、こちらの私の方の考え方を一方的に押しつけるみたいな質問になるかと思いますが、失礼な点はお許しいただければと存じます。
実は今、最初のお話を伺いながら、私にとってはお二人ともそれほど差のある御意見ではない、視点は違いますし、それから全体の枠組みは違うけれども大変貴重な、何といいますか、知的な枠組み、それから視点を提供していただけたというふうに思います。松下議員もおっしゃっていましたけれども、まさに目からうろこの落ちるような思いということでは私も賛成です。
その中に、私が伺いたかった二点についてのお考えが既に最初の十五分ずつで十分に私にはわかったような気がいたしますけれども、せっかくですので、ある程度事実関係を委員会の皆さんにも御理解いただきたいと思いますし、今後の議論のためにも改めて簡単に、どういった問題意識を私が持っているのか説明をさせていただければと思います。
実は、最終的に規制緩和を行う、それが行政機構の改革であるとかあるいは社会的なルールをきちんとつくるということ、それから市民社会を健全に発達させる。そういったいろいろな、別の言葉でお話しになりましたけれども、そういった考え方は全く賛成なんですが、具体的に、私たちがそういった仕事を始める際に非常に大きな問題になっているのが、最初に内橋先生がおっしゃいました、議論が深まっていない、そういう嫌いが社会全体にあるように思います。国会の中の議論もそうだと思いますけれども。
その中で特に、私は再販価格制度が重要なんではないかというふうに思います。それはなぜかといいますと、再販価格制度を維持すべきだと言っている人たちのほとんどが活字文化の送り手の側にいるわけで、その人たちが模範的な議論を展開しない限り、ほかの分野における議論で知的な批判にたえ得るような、あるいは後世に対してきちんと説明ができるような議論ができるとは思えないからなんですけれども、残念ながら再販制度の議論において何かとんでもない事実誤認が平気でまかり通っている。これはかなり親切に言っているつもりなんで、うそっぱちが平気で横行しているようなところがございます。あるいは極論と言った方がいいかもしれませんけれども。
例えば一例を挙げますと、これは文化庁がつくった文書ですけれども、再販制度を維持すべきだということを言っている中で、例えば、再販を廃止すると民主主義発展の危機に陥る、それから、文化の普及振興の危機に陥るというようなことを平気で言っているわけです。あるいは、文化庁が音頭をとっております、今度は別の何か懇談会というのがあるのですが、民間の人が集まっているというようなことなんですが、例えばこれですと、アメリカでは通常、一つの地域に新聞は一紙しか存在しない。これもうそです。こういううそを平気で並べて議論が行われたことになっている。あるいは、新聞を見るとこういったたぐいの議論しか出てこない。
この議論の質を何とか高める必要がある。議論を深めるという以前に、事実がきちんと提示されて論理的に議論が行われるようなことがないと、ただ単に今のレベルの議論では、じゃんけんをして勝った方の言い分を通すといった方がよりフェアな決定になるかもしれないぐらいの私は危惧を持っております。
そこで、一つはお願いなんですが、ぜひ先生方にそういった意味での事実を基礎にした議論、論理的な議論の先頭を、さっきのお話のような形で切っていただきたいと思いますし、それから我々の立場も含めて、一体そういった議論を起こすためにどんなことをしたらいいのか、よいお知恵があったらぜひそのあたりをお聞かせいただきたいと思います。
それからもう一つ、二番目の問題として、後で申し上げますけれども、これは公正取引委員会の役割についてですので、それを後半伺いたいと思いますので、時間の配分もよろしくお願いできたらと思います。
〔委員長退席、野田(佳)委員長代理着席〕