田中節夫の発言 (交通安全対策特別委員会)

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○田中(節)政府委員 警察庁交通局長の田中でございます。よろしくお願いいたします。
 初めに、このたびの豊浜トンネル崩落事故の交通対策でありますが、関係機関等との密接な連携をとりながら、救助活動、瓦れき搬送等の諸対策の迅速な推進のため、所要の交通規制、誘導措置等を行っているところでございます。今後とも、人命の一刻も早い救出のため、交通対策に全力を尽くす所存でございます。
 次に、平成八年中に警察庁として重点的に取り組むべき施策につきまして、お手元の資料「交通警察関係資料」により御説明申し上げます。
 最近の交通情勢一般につきましては、先ほど総務庁の方から御説明がございましたが、本年に入りまして、交通事故による死者は、既に二月九日には昨年より一日早く一千人を超え、二月十三日現在では一千百七人となっており、昨年より十三人増加しているなど、依然として深刻な状況となっております。
 一方、違法駐車や過積載の実態については、徐々に改善の兆しがうかがえるものの、依然として鎮静化するには至っていないほか、都市部を中心とした慢性的な交通渋滞、交通公害等、国民の生活に深刻な影響を与える多くの課題がございます。
 このように、道路交通に起因する交通事故、渋滞、公害等の多くの問題は、車社会を迎えた国民にとって極めて身近な問題ではございますが、これらの問題は、車社会を受け入れ、それにより便益を受けている国民自身が進んで解決すべき問題ではないかとも考えております。
 警察としては、道路交通の場に参加する国民一人一人がこれらの問題の解決をみずからの問題として積極的に取り組むよう働きかけ、その国民を支援するための施策を推進し、安全で快適な車社会を実現していくことが使命であると考えております。
 このような観点から、警察庁として平成八年中に重点的に取り組むべき主な施策を資料の一ページから二ページにまとめてございますので、その
要約を御説明申し上げます。
 第一は、交通事故防止対策の推進についてであります。
 指導取り締まりにつきましては、地域の交通事故の実態や国民の要望等を踏まえながら、交通事故に直結する悪質、危険性、迷惑性の高い違反等に重点を置いた取り締まりを強化することとし、特に暴走族に対しましては、あらゆる法令を活用しての取り締まりによるグループの解体等に努めることとしております。
 また、若者及び高齢者を重点とした参加・体験・実践型の交通安全教室の開催等、組織的、体系的な交通安全教育の推進、昨年の道路交通法の改正により設けられた自動二輪車免許制度に関する規定の円滑な施行や適正な運用に努めますとともに、各種講習制度の充実等適切な運転者対策を推進することとしております。
 特に、人口の高齢化に伴い、増加する高齢者の交通事故についての抜本的な対策を講じるため、昨年十月に警察庁に高齢者にやさしい交通社会をめざす懇談会を置いて高齢者と道路交通環境にかかわる問題を論議し、警察がとるべき施策の方向について有識者に対し意見を求めているところであり、その結果については四月初旬には公表できるものと考えております。
 なお、これらの施策の推進に当たっては、交通事故分析の高度化に努め、その分析結果に基づいたきめ細かな対策を講ずることとしております。
 第二は、総合的な駐車対策の推進についてであります。
 駐車対策につきましては、地域の交通実態等に応じた駐車規制の見直し、積極的な駐車違反取り締まり、駐車誘導システムの整備等総合的な対策を推進するとともに、駐車違反の取り締まりに当たっては、レッカー移動、車輪どめ装置等を効果的に活用するほか、使用者の責任を強力に追及することとしております。
 また、本年一月から施行されております改正保管場所法の適正かつ効果的な運用を図る等、自動車の保管場所の確保に努めることとしております。
 第三は、国民生活に適応した交通環境の整備についてであります。
 資料の八ページから十ページ及び「第六次交通安全施設等整備事業五箇年計画(案)について」という白色のパンフレットをごらんいただきたいと存じます。
 平成七年度で終了いたします第五次交通安全施設等整備事業五箇年計画につきましては、委員皆様方の深い御理解と御支援を賜りまして、一〇〇%を超える進捗率となっており、厚く御礼を申し上げます。
 また、平成八年度からは新たに第六次の交通安全施設等整備事業五箇年計画がスタートいたしますが、警察庁といたしましては、交通事故死者数が年間一万人を超える高い水準で推移し、交通事故件数の増加も予想される現状のもとで、この計画に大きな期待をかけているところでございます。
 この計画においては、高齢者等の交通弱者の人々に配慮するため、道路管理者と連携して交通規制と道路の面的整備等を組み合わせたコミュニティーゾーン対策、新交通管理システムの整備、災害に対応できる施設整備等新たな視点からの諸施策を盛り込んでおります。
 この五箇年計画の事業規模のめどは、資料の十ページの3にございますが、都道府県公安委員会分としては、国が補助いたします特定事業については調整費二百億円を含む二千百億円、地方単独事業が約六千三百億円となっております。今後は、これらの具体的な事業計画を策定することとしておりますが、厳しい財政状況のもとで所要の予算を確保するため努力してまいりたいと考えておりますので、御支援をよろしくお願い申し上げます。
 なお、平成八年度以降におきましても、引き続き交通安全施設等の整備事業を行うために、建設省と共同いたしまして必要な法律の改正案を国会に提出しておりますので、よろしく御審議を賜りたいと存じます。
 第四は、災害時の交通対策の推進であります。
 阪神・淡路大震災における交通対策のうち、特に緊急交通路の確保につきましては、多くの議論が本委員会等におきましてもなされたところでありますが、この震災の反省、教訓を踏まえ、国におきましても、災害対策基本法を改正し、災害時における都道府県公安委員会による交通の規制権に関する措置の強化、車両の運転者の義務、警察官に対する措置命令権限の付与等に関する規定を整備いたしましたほか、災害時に自動的に発電する装置を備えた信号機の整備、広域緊急援助隊の発足等災害発生時の交通管理対策を講じてきたところでございます。
 現在、都道府県警察におきましては、災害時における緊急交通路の確保につきまして万全を期すため、防災計画における交通対策の抜本的な見直しの作業を進めているほか、災害に強い交通管理システムの計画的整備、都道府県の枠を超えた交通対策訓練の実施等の大規模災害時に即応できる体制の確立に努めているところでございます。
 以上、警察庁といたしまして、本年も交通安全対策には全力を挙げて取り組んでまいる所存でございますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。
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発言情報

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発言者: 田中節夫

speaker_id: 4706

日付: 1996-02-15

院: 衆議院

会議名: 交通安全対策特別委員会