中尾栄一の発言 (交通安全対策特別委員会)
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○中尾国務大臣 このたび建設大臣を仰せつかりました中尾栄一でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
交通安全に関する諸施策について、私の所信を申し述べるに当たり、まず、去る二月十日に発生した一般国道二百二十九号豊浜トンネル崩落事故によって亡くなられました二十名の方々に深く哀悼の意を表する次第でございます。
私といたしましては、被災者の生存に望みをかけて救生活動に全力で取り組んできたところでございますが、このような結果となり、まことに残念で痛惜のきわみであります。
御遺族の悲しみとこれまでの御心労に深く思いをいたし、心からお悔やみを申し上げますとともに、負傷された方々に心からお見舞い申し上げます。
建設省といたしましては、今回の事故を重く受けとめ、崩壊したトンネルと同様の地形条件にあるトンネル坑口部及び落石覆工が設置されている箇所ののり面や斜面について、緊急点検を全国の道路管理者に指示したところでありまして、現在実施中でございます。
また、既に北海道開発局に、トンネル工学、地質工学などの学識経験者から成る調査委員会を設置し、原因の徹底究明を行うこととしております。
建設省といたしましても、事故の重大性にかんがみて、大規模岩盤の崩落による被災の再発防止等の視点から、別途技術的課題・崩落防止策を検討するための委員会を早急に設置させたいと考えております。
今後、今回の事故を教訓とし、道路の安全性のより一層の向上に全力を挙げてまいりたいと考えております。
続きまして、交通安全対策に関する諸施策につきまして、私の所信を申し述べます。
交通安全が全国民の切実な願いであるにもかかわらず、交通事故死者数は、昭和六十三年以降八年連続して一万人を超えるなど、まことに憂慮すべき事態が続いております。
申し上げるまでもなく、交通安全対策を推進するため、関係省庁が一体となって全力で取り組むとともに、国民一人一人の自覚と御協力が不可欠であります。その中にあって建設省に課せられた使命は、道路における交通環境の改善等を通じて、安全で円滑な道路交通を確保することにあります。
建設省における交通安全施策の基本は、まず第一に、一般道路における対策として、交通安全施設等の整備を推進することにあります。緊急に交通の安全を確保する必要がある既存の道路につきましては、これまで五次にわたる交通安全施設等整備事業五箇年計画に基づき、総合的かつ計画的に交通安全施設等の整備拡充を図ってまいりました。引き続き平成八年度を初年度とする第六次特定交通安全施設等整備事業五箇年計画を策定し、本計画に基づき交通安全施設等の整備を強力に推進してまいる所存であります。
この新五箇年計画では、通学路を初めとする歩道や自転車道等の整備を重点的に行うとともに、交通事故の基礎データのより一層の充実を図り、急増している高齢者の事故、多発している自動車乗車中の事故、依然として多い夜間の死亡事故など近年の事故特性に対応した事業に重点を置いて整備を図る方針です。
さらに、踏切道における交通事故の防止と交通の円滑化を図るため、引き続き、立体交差事業、車道拡幅、歩道整備等の構造改良事業を推進することとしております。
このため、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案及び踏切道改良促進法の一部を改正する法律案を今国会に提出しているところでありますので、よろしく御審議のほどお願い申し上げる次第です。
第二に、高速自動車国道等につきましても、平成八年度を初年度とする第二次の五カ年間の事業計画に基づき、依然として多い雨天及び夜間事故等への対策として、排水性舗装、照明設備を初め、各種の交通安全施設の重点的な整備を図るとともに、渋滞対策等による安全で快適な道路交通環境づくりなど総合的な交通安全対策を進めることとしております。
第三は、安全性の高い道路網の形成を図ることであります。平成八年度におきましては、第十一次道路整備五箇年計画の第四年度として、引き続き、高規格幹線道路、地域高規格道路を初めとする道路ネットワークの整備を推進するほか、交通事故、渋滞等の道路交通問題の解決を図る高度道路交通システムの研究開発及び整備を積極的に推進してまいります。
安全性、信頼性の高い道路網を確保するため、以上の施策に加え、耐震性の向上を図るための道路構造物の補強、落石やのり面崩壊の防止等の事業を実施するとともに、冬期の安全で円滑な道路交通を確保するため、除雪等の実施、消融雪施設等の整備の推進に努めてまいる所存であります。
以上、交通安全に関する諸施策につきまして所信の一端を申し述べさせていただきましたが、今後とも国民が安心して暮らせる社会を一日も早く実現するため、総合的な交通安全対策を強力に推進してまいる決意であります。委員長初め委員各位の御指導、御鞭撻のほどを切にお願いを申し上
げる次第でございます。
ありがとうございました。(拍手)