久保亘の発言 (本会議)
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○国務大臣(久保亘君) 私に対する御質問は三十項目以上にわたっておりましたが、ただいま総理から御答弁を申し上げましたものを除きまして、お答えをいたします。
地価の下落と住専処理方策との関係についての御質問でありますが、本処理方策は平成七年の路線価を基本といたしております。路線価の水準は公示価格の八割程度に設定されているため、地価下落が処理方策の見直しに直結するわけではございませんが、住専処理にとって厳しさが増している事実を真摯に受けとめながら、今後とも回収努力になお一層万全を期してまいりたいと考えております。
住専の債権の回収についてのお尋ねでありますが、政府の住専処理策におきましては、住専処理機構と預金保険機構とが一体となって強力に債権回収を行うことといたしております。特に借り手の資産隠しに対処するために、預金保険機構に罰則つきの財産調査権を付与するとともに、回収困難な事案については預金保険機構みずから取り立てることができることといたしております。また、回収に際し違法な妨害行為があれば、捜査当局と緊密な連携をとり積極的に告発する等、厳正に対処していくことといたしております。
今回の住専処理スキームにおける住専経営者の経営責任や母体行の責任の追及についてのお尋ねでありますが、今回のスキームでは、七住専を一括して取り扱うことにより困難事案にも共同して立ち向かえることになり、住専の経営陣や関係金融機関が違法な行為により住専に対して損害を与えていた場合には、住専処理機構が住専から譲り受けた損害賠償権を適切に行使することとされております。また、仮に刑事上の責任が認められる場合には、当然のことながら厳しく追及されることになります。
住専処理機構の債権回収体制についてのお尋ねでありますが、住専処理機構は、強力かつ効率的な管理・回収及び旧住専経営者等に対する民事、刑事上の厳格な責任追及といった業務を強力かつ円滑に遂行し得るよう、人材面、組織面等において十分工夫していくことといたしております。また業務運営に当たりましては、住専処理機構は、罰則に裏打ちされた財産調査権等を有する預金但険機構と緊密に連携をとりつつ回収に当たることといたしております。こうしたことからすれば、強力な債権回収体制など実現できないとの趣旨の御指摘は当たらないと考えております。
なお、御指摘の土地、債権の流動化策につきましては、強力な債権回収等に係る重要な問題であると認識しており、今後、十分に検討してまいりたいと考えております。
金融機関の不良債権の実態についてのお尋ね味ございますが、大蔵省は、預金取扱金融機関の不良債権の総額につき、平成七年九月末で約三十八・一兆円、平成八年三月末時点で約三十四・七兆円と発表したところであります。本件については、金融機関から報告された計数を積み上げたものであり、信頼できるものと確信いたしております。
住専の担保不動産を処理することによる他のノンバンクヘの波及についての対応についてお尋ねがございましたが、ノンバンクの不良債権問題につきましては、過去の事例を見ても、母体行または主力行を中心として法的整理を行うなどさまざまな方策による処理が行われてきており、仮に御指摘のような影響を受けるノンバンクがあったとしても、それぞれのケースごとに関係者の措置により、金融システム内において解決ができるものと理解いたしております。
住専処理機構が住専から資産を買い取る資金に係る融資についてのお尋ねでございますが、母体、一般、系統のそれぞれがおおむね三分の一ずつの融資を処理機構に対して行う予定となっており、各金融機関の具体的な融資額、条件等については、このような枠組みの中で、住専法案の成立後、住専処理機構、関係金融機関等の間で決められていくべきものと考えております。なお、こうした借入金については、債権の回収金等により仮済がなされる予定と考えております。
金融安定化拠出基金についてのお尋ねでありますが、現時点においては、同基金に対して約一兆円の拠出を行うことについて関係金融機関よりおおむねの合意が得られているところでありますが、各金融機関による具体的な拠出額等に関しては、住専法案の成立後、預金保険機構、関係金融機関等の間で調整され、決定されていくものと考えております。なお、この基金への上積みについて、現在具体的な検討が行われているとは承知しておりません。
次に、同基金の運用については、預金保険法の定めるところにより、有価証券、預金等により運用されることになると考えております。その運用益の見込みについては、まさに今後の経済金融情勢のいかんであり、現時点で確定的に見通すこおは困難でありますが、法令等の要件のもとで最も効率的な資金運用が図られていくものと理解いたしております。
日本住宅金融の株主総会での解散決定や資産譲渡決議についてお尋ねがございましたが、今般の住専処理策については、住専各社及びその母体行等の関係者が合意してでき上がったものであり、株主総会に関しても、処理スキームに沿った形での解散決定や営業譲渡決議等が行えるよう、住専各社及び母体行において、株主総会の開催、株主に対する対応等に適切に努力されるものと考えております。
住専処理に係る有税償却が株主総会で混乱を生じるのではないかというお尋ねでありますが、住専向け債権の処理については、各金融機関が企業会計原則にのっとり経営判断に基づき決定した事項であり、株主総会における対応については、各行において適切に対応すべき事項であると思います。
今回の住専の処理策につき、処理策が確定した場合に三月末にさかのぼって無税償却を認めるのかとのお尋ねでありますが、税務上の取り扱いは、三月末までに発生した事実関係に基づき適切に判断されるものと考えております。いずれにしても、個々の具体的な事実関係に基づき、現行法令に照らして公正かつ適切に処理されるものと考えております。
いわゆる二次損失に係る財政資金についてのお尋ねでありますが、住専処理機構が住専から譲り受けた貸付債権等については、預金保険機構と一体となって、現在以上の損失が極力発生しないよう最大限の回収努力を傾注することとしており、現段階で一定額の損失の発生を前提としているわけではありません。ただ、万一損失が生じた場合には、住専法案の規定により適切に助成を行うことといたしております。
このような財政資金による助成時期については、債権回収に伴う損失の発生状況等を勘案しつつ行われることと考えており、現時点で具体的時期に関する方針を決めているわけではありません。
今般の住専処理策が関係当事者の知らないところで策定されたのではないかという御質問でありますが、政府としては、当事者間における議論を踏まえつつ、個別住専を超えた全体的枠組みの整備についての検討を並行して進め、適時適切に当事者間の合意形成を促進するよう努力してきたところであります。さらに、金融制度調査会においてもこの問題について議論されるとともに、昨年夏以来与党でも二十回を超える真剣な検討を重ねていただき、関係者の合意を取りまとめ、政府・与党として国民経済全体の見地から本処理策を決断したものであります。
系統金融機関への利払いについてのお尋ねでありますが、この問題は、現在、住専各社と系統金融機関等との間で調整がなされているところであり、当事者において判断されるべきものであると考えております。
なお、関係金融機関等による新たな寄与については、今後とも、結果としてできる限り国民負相の軽減につながるよう、関係金融機関等の自主的かつ真剣な取り組みを促してまいります。
住専社員の再雇用についてお尋ねがございましたが、住専処理機構が引き継ぐ約十九万先にも及ぶ貸付債権について、その円滑な移管や管理・回収業務を効率的に行っていくため、これらの管理・回収等の実務に精通した者を即戦力として速やかに相当程度確保する必要があると考えており、住専職員の活用も含め、有効な人材確保策について、住専処理機構の時限性や金融機関の効率化の観点を踏まえ、母体行等においても真剣に検討していただきたいと考えております。
母体行による追加負担についてのお尋ねでありますが、関係金融機関等による新たな寄与の問題については、既に私からも、国会等からの厳しい議論を踏まえ金融界に対して協力を要請しており、これを受けて金融界との間でさまざまな意見交換が行われているところであります。今後とも、結果としてできる限り国民負担の軽減につながるよう、関係金融機関等の自主的かつ真剣な取り組みを促してまいります。
なお、いわゆる二次損失に係る財政資金についてのお尋ねでございましたが、住専処理機構が住専から譲り受けた貸付債権等については、預金保険機構と一体となって強力に回収し、現在以上の損失が極力発生しないよう最大限の回収努力を傾注することといたしております。したがって、現段階で一定の損失の発生を前提としているわけではありません。
政府の住専処理策を撤回すべきとのお尋ねでありますが、総理からも申し上げましたように、今回の住専処理策は、国際公約というより、我が国の命運に責任を持つ政府‘与党として国民全体のために決断したものであり、撤回などということは考えておりません。
早期是正措置について、その具体的な内容について明らかにすべきではないかとのお尋ねであります。
早期是正措置は、金融機関の経営の健全性を確保するため、基本的には自己資本比率を基準とした客観的なルールに基づく措置命令についての明確化を図り、金融行政の透明性を高めるためのものであります。早期是正措置の具体的内容については、今後、金融に関する専門家等から成る検討の場を設け、十分な御議論をいただき、透明性のある形で決定したいと考えております。
新しい金融行政を確立すべきだとの御質問でございますが、今後の金融行政については、市場原理の貫徹した金融システムを構築していくことが必要と考えております。いずれにせよ、初めに組織や権限の分離ありきということではなく、これまでの行政のあり方について十分な反省を加え、その上で、これからの新しい金融行政のあり方について大胆かつ真剣な検討を進めてまいりたい考えております。
今回、更生特例法案において信用組合等に更正手続の道を開いているのは、破綻した信用組合等は消滅させるとしても、その事業には更生の見込みがあり、また地域経済の安定のために事業の維持更生を図る必要がある場合がある等の理由によって、更生手続を活用した破綻処理を行うことが適切な場合もあり、そうした場合に更生手続を活用できるようにするためのものであります。他方、住専については、その事業内容等にかんがみれば、事業自体にそもそも更生の見込みがないことなどにより、更生手続は使えないものと考えられます。
今回、監督庁に倒産手続開始の申し立て権を付与するのは、監督庁による業務停止命令が行われた場合等において、その金融機関の倒産手続を適時適切に開始することができるようにすること序目的としたものであり、また、当該申し立てが適正であるか否かは第三者たる裁判所により認定太れること等にかんがみれば、監督庁が強力な権限を有することとなるわけではないと考えております。
更生手続申し立てを行う主体についてのお尋ねでございますが、適時に更生手続による破綻処理を行うことにより、預金者の負担の拡大を防止するとともに破綻金融機関の事業の維持更生を図ることは、預金者保護などのために金融事業の監督を行っている行政庁の責務であります。他方、申し立てを行うに当たっては、業務改善命令などの監督行政上の措置や任意の合併・営業譲渡による破綻処理の適否、信用秩序に与える影響など、諸般の事情を総合的に勘案する必要があります。これは、監督庁のみに可能なことであると考えております。また、適時の申し立てを行うためには金融機関の財務内容を十分に把握していることが不可欠であり、金融機関に対する検査・監督を行う監督庁が申し立てを行うこととすることが最も一切であると考えられます。
整理回収銀行の処理の対象を信用組合に限定ることについてのお尋ねでありましたが、これは、信用組合において近年相次いで経営破綻が発生したことや多額の不良債権を抱える厳しい経営状況を踏まえたものであります。
なお、金融機関の破綻処理に当たっては、破綻した金融機関は存続させないことなどを前提条件としており、護送船団方式の継続との御批判は立たらないと考えております。
政府保証を信用組合の破綻処理に限定することについての御質問でありますが、金融機関の破綻処理は、原則として金融システム内の負担により対応すべきものであります。しかしながら、信用組合については、経営体力等にかんがみ、預金者等が無用の不安を感じないよう制度的に万全の備えを整備しておく必要があり、このための特例措置として政府保証の制度を用意したところであります。
預金保険料率を七倍に引き上げた積算根拠については、今般の預金保険料率の引き上げに当たっては、預金保険機構の資金援助が初めて実施された平成四年から七年末までに生じた破綻金融機関の損失額が二・五兆円程度であったことにかんがみ、今後処理を要する木津信用組合等の処理も含めて、今後五年間に同程度の破綻が生じた場合にも対処し得るようにするとの考え方に立ち、昨年度の料率の七倍程度に引き上げることとしております。
今後発生し得る金融機関の破綻を現時点で予測することは困難でありますが、信用組合以外の業態においては、全体として不良債権額に対し十分な償却財源があること等から、預金保険機構による大規模な資金援助が必要となる可能性は、現時点では低いと見込まれております。
信用組合の業態転換等についてのお尋ねでありますが、金融機関の業態転換につきましては、個別金融機関がみずからの経営判断により意思決定することが基本であると考えており、今後とも現行法令の規定に基づき適切に対応してまいる所存であります。また、信用組合の経営の健全性の確保、破綻の未然防止等を図るため、いわゆる金融三法案において法的手当てを講じるなど、金融システム安定のため所要の措置を講じてまいる所存であります。
信用組合の監督についての御質問でありますが、信用組合に対する指導監督権限は、中小企業等協同組合法等の規定により、信用組合の地区が都道府県の区域を超えないものは都道府県知事に機関委任されております。現行制度上、都道府県知事は法令上の権限を適切に行使する等により適切な監督に当たるとともに、大蔵大臣は、知事の法令上の権限行使に対して指揮監督を行うほか、金融システム全体の安定性を図る責務を有しているところであります。
信用組合に対する都道府県の財政支援についてのお尋ねがございましたが、これまで都道府県は信用組合の破綻等に当たり資金拠出等を行ってきておりますが、これは機関委任事務としての信用組合の指導監督の一環として行っているものではなく、それぞれの都道府県の実情に基づいて、地域経済に与える影響や民生の安定等を勘案の上、公益上の必要性から自己の責任に基づく判断により行われているものであります。昨年十二月に出された金制調答申においては、「こうした都道府県の財政支援はあくまで自らの判断に基づくものではあるが、今後とも行われることが期待される。」とされたところであり、大蔵省としてもこの考え方に沿って対応してまいる所存であります。
最後に、信用組合に対する国と知事との共同検査の発動基準の明確化についての御質問がございました。
昨年十二月の金融制度調査会答申を踏まえて、共同検査の発動基準を早期是正措置の一環として位置づけ、例えば自己資本比率が一定の水準を下回った信用組合につきましては、原則として大蔵省と都道府県の共同検査を行うことを含め、今後、基準の明確化を図ってまいる所存であります。(拍手)
〔国務大臣大原一三君登壇〕