加藤良三の発言 (外務委員会アジア・太平洋に関する小委員会)
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○政府委員(加藤良三君) 第一の共同声明と台湾関係法の関係についてでございますけれども、私が先ほど立木先生の御質問にお答えしたときに、三つの共同声明が台湾関係法の枠内に入る、あるいはその逆というようなことを申し上げたつもりはまず全くございません。それは併存しているわけでありまして、公聴会の席上なんかでもアメリカの政府の責任者が、アメリカの中国、台湾についての立場というものはこの三つの共同声明と台湾関係法という枠組みである、要するに両方あるということを述べている次第でございます。
議会の中の雰囲気というものについてはもう御案内のとおりでございますけれども、アメリカの政府に限って申し上げますと、アメリカの政府はこの三つのコミュニケを通じてほとんど日本政府と同じ認識を示しているわけでございます。すなわち、中華人民共和国が中国を代表する唯一の合法の政府である、そして台湾は中華人民共和国の一部であるという中国の立場を、アメリカで言えばレコグナイズする、すなわち留意すると申しますか認識するというか、そういう表現でこれを規定している。すなわち、そこは日本の一九七二年の共同声明における取り扱いとほぼ同様の構成になっているということが言えると思います。
それに加えて、国内法としての台湾関係法というものがございまして、これの中で、一定の台湾の安全が損なわれたというか安全に脅威が生じた場合にとるべき措置について大統領と議会が協議して決めるんだというような規定でございますとか、台湾に対して十分な防衛能力みたいなものを保障するためのいわば武器の供与を行うとかということが条文に記載されているわけでございます。その二つをアメリカの政府の立場からすれば矛盾なく運用してきているということだろうと思います。
また、F16の供与についても、これは中国側から非常に強い反発があったわけでございますけれども、台湾関係法の枠内の問題として処理されており、またそれは共同声明との間の整合性というようなところについても別にそれが違反しているとかなんとかというところで決着がついた話ではなかったんじゃないかというふうに思います。要するに、三つの共同声明はその後といえども維持されつつ、台湾関係法もそこに存在しているという感じであります。
この辺がアメリカの戦略的なあいまいさというところとどういうふうにつながるのか、私も必ずしも精密には申し上げられないんですけれども、とにかくそういう二つの要素を、国内法と共同声明というものの二つの柱を持った枠組みがアメリカの側にはあるということだろうと思います。
それから、国連加盟云々というところでございますけれども、先般の三月二十三日の総統の選挙に先立ち、あるいはその選挙を挟む形で行われた軍事演習、こういったものについての分析というものが海峡の両岸でやっぱり進められているのではないかなというふうに思うわけでございます。
先ほどの御質問にもあって、私がお答えしないでここまで来てしまいましたけれども、中国の方では、独立志向派というのが少なかった、現状維持を求める声が七五%であったという言い方をしており、また台独を主張する民進党の票が二一%であって、そしてむしろ大陸との連携を重視する新党、陳履安の党の票の合計が二五%ぐらいになるので、これはむしろ台独の方が負けたのであるという説明を中国はしているというところからいたしまして、そういう論理を構築しているところかなと思うわけでございます。
しかし、この後、李登輝さんの方でも、中国が台湾問題にやはりあれだけのこだわりを示している、昨年六月の訪米後の反応ということもまた思い合わせて考えられているのだろうと思います。この後の台湾の繁栄、平和、安定というものをどういうふうに維持していくのかということで、まさに今はいろいろ考えておられる段階ではなかろうか。そういうわけで、この選挙での勝利に任せて国連の加盟ということをわっと押し上げて提起するんだというような兆候は必ずしもないわけでございます。
いずれにいたしましても、今、両岸が比較的落ちついた中で双方の関係者が情勢を分析し、これからの進め方を考えているところではないかと思います。