加藤良三の発言 (外務委員会アジア・太平洋に関する小委員会)
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○政府委員(加藤良三君) 確かに委員御指摘のとおり、米国の内部においてもいろんな意見があるように思います。例えば、二月二十二日の段階で、これは米国の上院の情報委員会でございますけれども、CIAのドイッチ長官が北朝鮮情勢につきまして、もし食糧不足が前線の部隊のところまで広がっていけば体制の安定が損なわれることになるかもしれないという証言をいたしております。類似の証言が国防省筋等によっても行われていたように記憶しております。
他方、この前五月に済州島で行われました日米韓の高級事務レベル協議において、やはり金正日書記が国政全般を指導しているという見方が一般的であって、今すぐ崩壊云々という状況にはない。北朝鮮が食糧、エネルギー不足などいろいろの困難を抱えているのは事実であるので、その情勢の把握にはいろいろ困難な点があるけれども、どうもこれは見ていくしかないなというような感じで意見が一致したということもあるわけでございます。
ただ、いずれにいたしましても、そういう状況が改善に向かっているということはないように思われるわけでございます。例えば、今回アピールを発出する主体となった国際機関、FAOとかWFPは、その評価ミッションの調査結果に基づく報告書において、北朝鮮は配給システムを維持するために既に備蓄を相当取りましている、これが補てんされなかったために備蓄量は継続的に減少しているのであるというような見通しを述べているわけでございます。そして、ことしの六月から十月にかけては昨年の収穫のほとんどが消費されて在庫が急速に減少するので、食糧事情はかなり悪化するだろうということを述べております。
そして、先ほど申し上げましたように、一般に食糧面などで優遇されていると言われる軍隊にも影響が出始めていて配給量が減っている、栄養失調者も出ているというような状況もあるわけでございます。
そういうわけで、ちょっとお答えが明確なものにならないで恐縮でございますが、明らかによくない方向に状況は向かっているように思われますけれども、現時点において金正日書記が全体を統括している、その体制を覆すような状況がそこにあるということではないと思われます。