加藤良三の発言 (外務委員会アジア・太平洋に関する小委員会)

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○政府委員(加藤良三君) 第一点の配付資料の4の(3)の記述についてでございますけれども、我々といたしましては、ここに書いてありますように、まず日本による支援ということが一つのきっかけとなって韓国からの支援が行われることになった、それでそれが南北関係の進展に資する第一歩になり得るであろうということで、それはその時点において私は前向きに考えられるべきことではなかったのかなというふうに思うわけでございます。
 そして、「日韓からの支援が行われた延長線上で、」という書き方について、この書き方が極めて精密に条約の文章的に書いてあるものではございませんので、私たちの意図するところがあるいは正確に伝わらない表現になったかと思いますので、その点は、そうであるとすればおわびを申し上げたいと思います。
 結局、そういう誇りの高い北朝鮮が、みずからの弱みというものを絶えて国際社会に漏らさなかったという国が、割合率直に自分たちの苦しさ、窮状というものを訴えるようになった。それをきっかけにして国際社会の方からある種の支援の手を差し伸べる、そのことに応じて北朝鮮側がもう少し透明度というものを増す方向に動く、そういう形で国際社会というものの一般的なルールの中にできるだけ北朝鮮を取り込んでおくということ自体は、あの朝鮮半島情勢における、だれにとってもいいことのない爆発的な事態と申しますか、緊急事態と申しますか、そういうものを避けるためには当然考えられてしかるべき課題なのではないのかなというふうに思うわけでございます。
 それ以後、米朝合意もございましたし、またそれに引き続いてKEDOの交渉もございましたが、だんだん北朝鮮の側から合理的な対応、実務的な対応というものを引き出せるようになってきていることも事実でございます。
 もちろん、縦割りの国、それから透明性が非常に欠如している国でございますから全貌が明らかになるわけではございませんけれども、先ほど申し上げましたようなKEDOの交渉における北朝鮮の対応というものもある。したがって、米国も北朝鮮がそのような対応をしてくるということに応じて、先般、二百万ドル、五千トンから六千トンの穀物の援助というものを今回の支援に先立って既に行って、北朝鮮のそういう動きに対する認知というものを示したという経緯もあるのだろうと思います。そういうようなことを背景として、この(3)をお読みいただければと思うわけでございます。
 一国の体制がどういうふうになっていくか、これはいわゆる学識経験者という方たちの意見なんかを徴してみましても、政権の正統性、レジティマシーの問題というものがあろうかと思います。その政権の正統性がある限り、多少苦しいことがあってもその国は続くということがあるのかもしれません。そこには恐らく、なかなか数量化することは難しいでしょうけれども、正統性の問題ということが基本にあっての話だろうというふうに思うわけでございます。
 今回の緊急アピールということとの関連で軍用の備蓄の問題が提起されるわけでございますが、先ほど既に触れましたように、北朝鮮においては、軍用の備蓄かどうかその辺がよくわからないにせよ、少なくとも国際機関の調査で備蓄量は継続的に減少していて、九五穀物年度の初期においては相当少なくなっているであろうという観測がなされているわけでございます。そして、一般的に食糧面で優遇されていると見られている軍隊でも、配給量が減っていて栄養失調者も出ているというような状況があるということも言われているわけでございます。
 そういう状況のもとで、今回国連の関係諸機関が、一応現時点において現実的に最も透明度が高いと言われる調査、モニタリングによりましてニーズというものを見極めて、それをアピールの形で問うてきた。これに対して私どもが支援する、あるいは米国が支援する、韓国が支援するということは、緊急人道支援の文脈においてこれは必要なことではないのかなと思う次第でございます。
 大量難民が出るかどうかということでございますが、今現在そういう状況があるというふうには見られておりません。ただ、安全保障上の緊急事態に対して、大量避難民対策を含めて必要な対応策をあらかじめ検討、研究しておくことは、これは極めて重要であるということであろうと思います。関係省庁内部で所要の作業というものが行われている中に、そういうものも当然入るということだろうと思います。
 いずれにいたしましても、北朝鮮について胸にすっきりと落ちるような透明度の高いいろんな手だてというものを講ずることがなかなか難しい状況にあることは事実でございますけれども、今申し上げましたような背景に基づいて一連の施策を考えてまいりたい、こういうふうに思う次第でございます。

発言情報

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発言者: 加藤良三

speaker_id: 23672

日付: 1996-06-13

院: 参議院

会議名: 外務委員会アジア・太平洋に関する小委員会