加藤良三の発言 (外務委員会アジア・太平洋に関する小委員会)
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○政府委員(加藤良三君) 日朝正常化交渉についての政府の基本的な立場というのは従来から一貫したものでございまして、二つの柱がそこにあるわけであります。
一つは、北朝鮮との正常化、これを進めて戦後五十年以上続いた不正常な状態を直さなくてはいけない、これが第一の柱です。第二は、しかしそういう過程が南北関係の進展、朝鮮半島の安定ということに資するものでなければいけないという柱が二つ目でございます。そういう二本の柱に基づいて韓国その他の関係国と連携を十分にとりながら進めていくというのが、一般的に申し上げた日本の北朝鮮との正常化に対する立場なのでございます。
具体的には、私どもは一九九二年十一月、今まで八回重ねてまいりました正常化交渉というものが絶たれて以来、第九回目が持てないでおります。そして、第九回目の正常化交渉、これをいつ持てるかということについては今日現在めどが立っておりません。北朝鮮側からはいろいろな意味で、主に間接的なチャネルを通じて、この問題をそろそろ動かさなくてはいけないのではないのかという意欲と申しますか、そういう希望みたいなものも伝えられてくるわけでございます。
ただ、冒頭の説明で触れましたように、板門店のところにおける軍事行動とか、それからスーパーKの話でありますとか、あるいは日本から善意の象徴として送った米を運ぶ同じ船にサリンの原料が大量に積まれていた、これは外為法違反のケースであるといったようなことで係争中の問題がございます。こういったようなことが起こるもので、雰囲気的に日朝の国交正常化交渉に向けて物事を動かす要素がちょっと欠けているのではないかなと思うわけでございます。
ただ、そういうものとは別に、我々は北朝鮮というあれだけ透明度の欠けた国家について、できるだけ先ほど申し上げました政策と背馳しない範囲内で自分の目で物を見ながら確認していくということは、これは必要なことであると思っております。
アメリカと北朝鮮との間には米朝合意の枠組みの中におけるさまざまな接触がありますし、米朝合意以外にも遺骨の返還交渉でございますとかミサイル協議とか、ああいうことで接触の場があります。日本の場合にはそういうものがなかなか限られていてございません。そういうわけではありますが、最小限の接触、交渉ではございません、接触でございますが、これは北との間に折に触れてまだ維持してきているわけでございます。その内容はしからば具体的に何かということになりますと、これはまさに外交活動の中の国際相場で見ても公にすべきでない部分に属することだと思いますので、その具体的内容を明らかにすることは差し控えさせていただかざるを得ないのでございますけれども、そういう意味での接触というものは維持して今日に至っているわけでございます。