矢野哲朗の発言 (行財政機構及び行政監察に関する調査会)
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○矢野哲朗君 矢野でございます。上野前理事から途中かわりまして参加させていただいております。
質疑をさせていただこうと思うのでありますが、まず、会長から与えていただきました第三項目のテーマ、今後どうするんだというふうな話が一つのポイントになろうかと思いますけれども、現状を考えて、現在の監査のあり方で果たして十分なのかどうかというところを私なりに意見を述べさせていただいて、不十分だということになりますれば、しからば今後どうするんだと、こういうふうな一つ考え方をお示しさせていただきたいと思います。
冒頭、私が入る前の話だったと思うのでありますけれども、総務庁の現在の行政監察のあり方を質疑された内容を読ませていただきました。そうしますと、設置法に基づいて大変この権限は強力だし、監察のテーマの選定においては有識者で構成する行政監察懇話会の十分な論議を踏まえてテーマを設定し、なおかつ各省庁の内部監査とも十分連携をとりながら、すべての行政分野について必要に応じて行っていると、こういうようなことで、今のところ問題ないというふうな一つのお話をいただいた経緯があるようであります。
しかしながら、その結果、例えばどういうふうな形でその勧告並びに報告が生かされているのかなということでの精査をさせていただきますと、時代の流れが大変急になってきたということで、旧来の行政組織では十分ウォッチできない、対応できないという流れの中で、この行革、そういった一つの大きな潮流があらわれたにもかかわりませず、閣議に報告された案件が十一件しかなかったという現実がありますね。
それで、関係行政機関の長へ勧告もしくは行政運営の改善を図る必要性を認めたときに、総理または関係機関の長に改善を指示するように意見を具申することができるというふうなことなのでありますけれども、その結果、十一の報告しか閣議になされていない。私は、時代の要請はそんなものではないと思うのでありますね。ですから、そういった意味で、果たしてその辺での調査並びに時代の変化に対応する体制が十分できているかというと、一つ私は問題提起をせざるを得ない。
それから、勧告一つとらえてみましても、この内容自体が非常に改善しやすいと言ったらちょっとオーバーかもしれませんけれども、本当に当面の課題、当面の改善要綱というふうな範疇にややもすると帰しているような勧告内容が多く見られると。それだからして、じゃ果たして本当に今の体制で十分なのかというと、大変大きな疑義を持たざるを得ない。なおかつ、特殊法人やら出先機関の分野においても、話ですと、監察官が千五百人が千人に減ったということで、大変人手がないというふうな実情も理解できないわけではないですけれども、その辺で、例えば一例でありますけれども、ODAの展開の中で、無償援助業務というのが大宗をなしていることも事実でありますし、そういう中で果たしてどこまでその辺がウォッチできているかというと、そういった物理的な問題もあるのじゃないのかなと。
こういうことで、現在の総務庁における行政監察については大変努力はいただいているけれども、一つは、時代の要請に対応した行政の組織自体、そして制度、運営の評価・改善機能、そこまでの抜本的な指摘がされるのかなというと、その点についての不十分さを感じざるを得ないし、なおかつ改善についても、内部監査の一つの限界かなと思うのでありますけれども、そういうふうな監査内容にも陥っている。そして、出先機関についての本当に幅広い行政監察が行われているかというと、その点でもまだまだ不十分さを感じざるを得ない。こういうことからいくと、大変に今の状況では問題があるのではないのかなと感じざるを得ないのであります。
そして、私がこの調査会に入るに当たりまして、一つは、憲法を改正しない限り、オンブズマン制度に準じた組織をつくっても果たしてどれだけの機能を発揮できるのか、また三権分立という立場から非常に難しい問題があるんじゃないのかなというふうな話を私なりにインプットされてこの調査会に出たわけでありますけれども、片岡先生初め三人の参考人のお話ですと、まさに問題ありなんというふうなお話をいただきました。
しかしながら、今まさに我々の抱えている行政上の問題として、官官接待やらエイズの問題がるる発生したことも事実であります。そうすると、国民は国会に何を期待しているのかなと。そういった問題を未然に防いでほしい、もし問題があったら徹底的にこの問題を追及してほしいと、こういうふうな国会に対する一つの非常に強い要望があろうと思うのであります。しかしながら、果たして今の状況でそういった国民の期待にこたえることができるのかな、その一つとして国政調査権があるんじゃないかと。今の委員会のあり方でも国政調査権を十分駆使してひとつそういった真相究明をしたらどうなんだと、こういうふうな話も一部ありました。
しかしながら、私、今までの国政調査権のあり方を考えたときに、後ほど共産党さんから説明があろうと思うんでありますけれども、例えばここで一連の過去におけるスキャンダラス的な問題が提示されている、こういうときには国政調査権が行使されまして資料要求やら証人要求と、こういうふうな一つのあり方があったと思うんであります。しかしながら、ここまでの問題が起きない限り国政調査権は平常において果たして現実に行使できるのかなと。
私ごとで甚だ恐縮なんでありますけれども、アンゴラ国との友好並びに無償援助の展開というのを取り組ませていただいて、どこでどういうふうな援助の意思決定がされ、それがどういう手続を踏んでどういうふうに執行されるのかなということで一つのケーススタディーをさせていただきました。そして、ポイントポイントでコンサルを先方の国に置くんですと、そうしたらそのコンサルはどういうことで選定されるんですかと、その選定基準並びに選定における一つの判断材料その他の資料をひとつ御提示いただきたいと、こういうふうなお願いをしたところが、企業秘密で御提示できませんと、こういうことなんですね。
そうすると、じゃ私が外務委員会に移って問題提起をして理事会に諮っていただいて、そして初めて国政調査権を持って資料要求するかと。こういうふうな手続が果たして平易な段階で可能なのかなと思うと、甚だ煩雑な手続が必要ですし、時間も要すると。そういうことで国民の今期待しているような国会のあり方として十分機能できるのかなというと、私は非常に物理的にも、ましてや行政と一々角を立ててこう話さなきゃいけない、そういうふうな状況が果たしていいものかどうなのか。
そんなことを考えると、スムーズに国政調査権というものを行使できるというような状況にあるのかというと、大きな意味合いからして、行政と国会がもっと緊張感ある一つの体制をとれないかなと。間違いを未然に防ぐ、もし間違いがあれば徹底的に追及するということを常時やれるような体制がやっぱり必要なんじゃないのかなと、こうこの一連の参考人の御意見を聞いてから考えた次第であります。
特に、先般小林節先生が、私は現役の学者なものだから考え方は常に変わると、本来反対だと。要するに、国会にオンブズマン制度を置くということは憲法上疑義があるし、実際問題があるということで強い主張をしていた小林先生自体が時の流れと時代の要請によってまあいいんじゃないのかなと、こんな考え方にまで変化をしたという一つの経緯があるわけであります。
そういった意味からすると、今、具体的にどんな形でどういう人がどういう手続を経て、どんな機能を持ってというようなことは、今後まだまだ議論の展開の必要性があろうと思うんでありますけれども、当面何となくふんわりとした組織立ては必要なんじゃないのかなというふうな方向性を何か最近感じとってきたようなんであります。とりあえず口あけとしてそんな意見を私なりに述べさせていただきたいと思います。