山口哲夫の発言 (行財政機構及び行政監察に関する調査会)
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○山口哲夫君 調査会には途中から入ってまいりましたので、勉強不足ですけれども、ちょっと違った観点から行政監察、オンブズマン制度について考えてみたいと思っております。それは、今社会問題になっております官官接待、それから自治体の中で起きている空空出張、それから空空会議、空空接待、こういう面から今日の行政監察制度、オンブズマン制度を見てみたい、そういうふうに思います。
それで、官官接待というのは、これは行政監事局はもう十年以上前から知っていたはずです。ですから、通知として、行政事務運営の公正確保に係る体制及び手続に関する調査という通知を各省庁に出しておりました。それが十数年たって、今日初めてこれが社会問題になり政治問題になっている、この間一体何をしていたのかという問題です。
それから、北海道で起きている空空接待、空空会議、空空出張、これは最近起きた問題ではありません。もう十数年前から起きている問題です。私も市長時代におかしいなと思ったことがあったことを思い出すんですけれども、それがなぜ十数年も世の中に問題として出されてこなかったのか、やっぱりここに今日までの監察制度の大きな問題があったんではないかと思います。
私は、その結論として言えば、やっぱり役人の人たちがこういうことに当たっている今の制度では、問題というものはキャッチしてもそれを解決するまでにはなかなか持っていけなかったんでないだろうか。一言で言えば、市民の感覚でそういう問題をとらえていないということが言えるんでないかなと思います。
ですから、行政監察局はこの官官接待の問題をとらえたときに何をしただろうかといえば、さっき言ったように通達を出すわけですね。ところが、受ける方も余りその出てきた通達を重要視していなかったんでないだろうか。通達を出す方も受ける方も、特に出す方は結構地方に行けば官官接待を受けているわけです。ですから、確かに問題はあるなということで出す通達というのは、出さなければならない行政上の手続としてやっただけにすぎなかったんでないだろうか。ですから、結局は行政の形式的な問題のとらえ方、執行、そういうことで終わってしまったんでないだろうか。
特に、自治体の中で起きている空空出張等々は監査事務局そのものがそれをやっている。取り締まる方がそういうことをやるんですから、これはもう問題を提起するべき機構が全然それを提起することもできないと思うんですね。この辺にやはり私は非常に大きな問題がある。そして、国会だとか自治体の議会で政治的な問題にされて初めて事の重要性に気づいて、これはいよいよ何とかしなければならない、こういうことで初めて動き出すわけであります。
ですから、行政監察局が言っておりますけれども、補助金の中身の食糧費が多過ぎる、あるいは補助金として出している食糧費が食糧費の使い道としては間違った方向で使っているんでないか、その辺もよくこれから検討してみる必要があるというようなことを言っておりますけれども、私はそんな狭義の問題ではないだろうと思うんです。もっと根本的な問題が私はあるんではないだろうかというように思います。
そういう点で、私はオンブズマン制度というものを非常に重要視していかなければならない。行政の感覚ではとらえられない。したがって、市民的な感覚でとらえるということになればやっぱり国会で、あるいは自治体の議会でそういう問題を取り扱っていく必要がある、そんなふうに実は考えております。
そういう意味で、私は議会の機構の中に議会の附属機関としてぜひ設置するべきである。独立した機関としてつくるということになりますと、立法、行政、司法のどこにも該当しないという機関として憲法上いろいろと問題があるという御指摘もありましたので、議会の附属機関としてとらえてみた方がいいんではないだろうか。
そして、大事については、これは国会あるいは自治体の議会で任命をする。この間の調査会でも申し上げましたけれども、もちろん人事は非常に大事でございます。ですから、国民の皆さんから尊敬されるようなそういう方々を選ぶということは非常に大切なことだと思いますけれども、しかし人事の問題で解決するものではない。したがって、あくまでもこのオンブズマン制度には強い権限を与えて、そしてスタッフをまず充実させるということが極めて重要でないだろうか、こんなふうに思います。
最後に一つだけ、行政監察あるいはオンブズマン制度には直接関係はないかもしれないけれども、今申し上げたような官官接待、空空出張等々の一連の問題がなぜ行政庁内で解決できなかったんだろうか、それが非常に私は問題があると思うわけです。
かつて、大分前だったと思いますけれども、東大の卒業式で当時の総長が卒業生に向かって、諸君らは社会に出てただ酒は飲むなと、こういう訓辞をされたことを私も新聞で読みまして、大変立派なことをおっしゃると思いました。しかし、実際問題どうだったかというと、恐らくそのときの卒業生の中で結構空空接待をお受けになっていた人たちがたくさんいらっしゃるんじゃないだろうか。
私は、そういう問題というのはおかしいと思う人が庁内でたくさんいたと思うんです。特に若い方々の中には、そういう役所の慣例と言われる中でもこれは不思議だ、改めるべきではないかと思う、そういうことがあったと思う。特に自治体における空空出張なんというのは犯罪行為ですから。
それがなぜ庁内で問題にならないのか。やっぱり私は、庁内でそういうことがきちんと論議されるような雰囲気にない、どうもどこの行政官庁の職場でもそういうことが言えるんでないだろうか。そうすると、職場の中で自由に物が言えるような民主的な職場をつくるということが、行政監察というその前段としてやっぱり解決するべき大きな行政上の問題ではないだろうかなというように実は思います。
そういうことについても、これから真剣に考えていくべき問題であるということもつけ加えて申し上げておきたいと思います。