斎藤文夫の発言 (本会議)
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○斎藤文夫君 私は、自由民主党、社会民主党・護憲連合並びに新党さきがけ三党を代表して、ただいま議題となりました平成八年度予算三案について賛成、そして平成会及び日本共産党など提案の両修正案に反対の討論を行うものであります。
まず、討論に先立ちまして一言申し上げます。
平成八年度予算は、住専問題をめぐり年度内成立することができず、五十日間という暫定予算の編成を余儀なくされ、国民生活への影響や景気回復が懸念されたばかりか、地方公共団体の予算編成に多大の迷惑をかけたことはまことに遺憾であります。
しかし、四月十一日、本院に送付されて以来、外交日程、祝祭日など極めて限られた厳しい審議日数ではありましたが、参議院の見識にかけて十七日間連日にわたり精力的な予算審議を継続し、国民の負託にこたえる審議を行ってまいりました。
さて、橋本内閣が村山前内閣から政権を引き継ぎ、早くも四カ月が経過をいたしました。この間、総理は、日米首脳会談を初め山積する外交案件を精力的に処理され、また、内政面においても、住専、薬害エイズ、行政改革などと真っ正面から取り組んでこられました。
特に、普天間基地の全面返還が決定したことは、総理の強力なリーダーシップによるところであり、粘り強い交渉はまことに特筆されるべきであり、まさにこの合意こそ日米関係の新たな一ページを開いたものと確信をいたします。
最近の世論調査でも明らかなように、これらの重要案件を短期間でまとめ上げた橋本総理の力量、手腕に対し、国民が高く評価しておるところは御同慶の至りであります。
さて、今国会最大の懸案となっておりました住専問題につきましては、国会の審議を通じて、政治も行政もその責任はもちろん見逃すことはできません。しかし、何といっても住専をつくった母体行や関係金融機関等の責任が与野党を問わず厳しく指摘されたところであります。また、住専問題をきっかけに、大蔵省主導のいわゆる護送船団方式の金融行政や金融システムを国際化、自由化に対応して抜本的改革をすることは時代の新しい要請であり、我々はこの課題と真剣に取り組んでいかなければなりません。
本予算案及び関連法案の早期成立により、我が国金融システムに対する内外からの信頼性を回復し、預金者保護や景気回復を確かなものにするために、一刻も早く政府の処理スキームを実施し、そして住専、借り手など関係者の刑事上、民事上の責任を厳しく追及し、債権の徹底的回収を図ることこそ国民の期待にこたえる道と確信いたします。
他方、我が国経済は、数次にわたる積極的な経済対策のよろしきを得て、ようやく長期にわたるバブル不況から脱却し、公共投資や住宅投資の堅調さに加え、消費や設備投資にも回復の動きが見られ、景気の先行きに一段と明るさが見えてきたことは大変喜ばしいことであります。
景気を本格的な拡大基調に乗せ、さらに住専問題など一連の金融不安を解決することは、橋本内閣の当面する重要課題であります。
一方、我が国の財政事情は、数次にわたる景気対策等の影響があって、国債残高が八年度末約二百四十兆円に達する見込みで、これは主要先進国中、GDP対比で最も厳しい財政状況であります。このままでは高齢・少子社会となる子や孫の時代に過重なツケを強いることになります。このため、赤字依存の硬直的な財政体質から脱却することが国家的喫緊の課題であります。聖域なき支出の洗い出しに取り組むことはもちろん、規制緩和、地方分権の積極的推進による抜本的な行政改革と一体的に財政再建を強力に推進することが必要不可欠であります。
以下、本予算三案に対する賛成の主な理由を申し述べます。
賛成の第一の理由は、景気回復をより確実にするための配慮がなされていることであります。
本予算において、厳しい財政事情を受けて一般歳出全体の伸びが二・四%と低く抑えられている中、投資部門経費は対前年比五・二%増、公共事業関係費は四%増と高い伸びが確保され、しかも住宅、下水道、地震、防災などの民生部門のインフラ整備に加え、情報通信施設や技術研究開発施設の整備など経済波及効果の多い分野へ重点配分されております。また、二兆円規模の所得税・住民税減税も継続実施されており、財政による公的需要の拡大とあわせて、消費増による内需拡大を指向した景気回復をバックアップする措置が講じられております。
賛成の第二の理由は、産業構造の改革推進と積極的に取り組んでおるところであります。
今、二十一世紀に向け、我が国の経済社会は強く構造改革が求められており、そのため、本予算においては科学技術振興費として対前年度比一〇・九%増を計上するなど、アクセントの効いた予算配分がなされております。
特に、基礎的、創造的研究の充実強化を図るとともに、宇宙、海洋など新分野の研究開発を推進し、新技術産業を興し、新時代にふさわしい科学技術振興策を講じており、これは従来の予算配分枠にとらわれない財政措置であり、必ずや二十一世紀経済社会の新たな構築と発展に大きく寄与するものと賛意を表する次第であります。
賛成する第三の理由は、ゆとりと豊かな国民生活実現に向け、高齢・少子時代に対応して保健・福祉分野にきめ細かな配分がなされている点であります。
特に、福祉対策については、障害者プランを新規に策定し、新ゴールドプラン、エンゼルプランなどを着実に推進することとしており、橋本内閣の「人にやさしい政治」を実践する努力のあらわれと高く評価しております。また、雇用対策や中小企業対策、農林漁業対策についても遺漏なきを期しております。
賛成の第四の理由は、国際国家日本にふさわしく世界経済の発展に貢献するため、ODA予算により、質の高い援助を目指している点であります。
終わりに、本予算案には、緊急金融安定化資金六千八百五十億円が計上されております。関係金融機関等に新たな寄与を求めるなど、可能な限り国民負担をなくすよう努力することに期待をいたし、本予算三案に対し賛成いたすものであります。
なお、平成会及び共産党などの提案に係る両修正案は、いずれも緊急金融安定化資金六千八百五十億を削除する等を内容とするものであり、これは住専問題の解決をいたずらに長引かせ、金融不安や国民経済に大きな悪影響を与えることは明らかなところであり、よって両修正案に反対するものであります。
以上、重ねて本予算三案に対し賛成、両修正案に反対いたし、自由民主党、社民党・護憲連合、新党さきがけ三党の賛成討論といたします。(拍手)