久保亘の発言 (本会議)
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○国務大臣(久保亘君) 住専処理機構の損益に関するお尋ねでございましたが、住専七社から譲り受けた貸付債権等につきましては、住専処理機構が預金保険機構と一体となって強力かつ効率的な管理、回収及び処分を行うことにより、現在以上の損失を極力生じさせないよう最大限の努力を行っていく所存であります。
この問題につきましては、損益に影響を与える地価や金利の動向など、今後の金融経済情勢等により左右される不確定要素が大変多いこと、二番目には、貸付債権等の実態を踏まえての住専処理機構としての業務運営方針の検討と切り離して議論するのは適当でないことなどから、現段階で具体的なことを申し上げるのは困難であり、今後、住専処理機構が設立され、その体制が整えられていく中で具体的に検討されていくものと考えております。
住専処理機構や預金保険機構による債権回収や責任追及についての御質問でありますが、管財人の否認権は住専の資産の逸失を防ぐための権限でありますが、強力な債権回収のために必要なのは、むしろ住専の借り手の資産隠しに対処し、その資産の実態を解明することであると考えております。
このような観点から、預金保険機構に対して、管財人には与えられていない罰則つきの財産調査権を付与し、両機構が一体となって強力な債権回収を行う体制としたところであります。
また、住専処理機構は、住専の保有する損害賠償請求権を未確定のものも含めすべて包括的に譲り受けた後、速やかに過去の取引等を精査した上で、損害の概要を特定したものについて厳しく民事責任を追及することといたしております。さらに、刑事責任の追及につきましては、住専処理機構は、その債権回収に当たり犯罪があると認めたときは、預金保険機構に報告するとともに、告発に向けて所要の措置をとることとしているところであります。
なお、こうした強力な債権回収及び責任の明確化に必要な住専処理機構の陣容としては、法務・検察、警察及び国税のOBの参加を求めるほか、法律等の専門家をも結集した特別対策部を設けるとともに、共通・大口・悪質事案への集中的対応のため特別整理部を組織すること等を予定いたしております。
預金保険料の引き上げについての御質問でありますが、今般の提出法案におきましては、預金者に自己責任原則を問い得る環境が整備されるまでの時限的な措置として、今後五年間は預金を全額保護し得る制度を整備することといたしております。
保険料率については、今後生じ得る金融機関の破綻の規模等を予測することは困難であることから、預金保険機構の資金援助が初めて実施された平成四年から七年末までに生じた破綻金融機関の損失額が二兆五千億円程度であったことにかんがみ、今後五年間に同程度の破綻処理費用を要する場合にもこれに対処し得るよう、昨年度の料率の七倍程度に引き上げることといたしております。
いずれにせよ、今般の保険料率の引き上げは、預金者保護、信用秩序維持に万全を期すための必要不可欠な措置と考えております。
政府保証を信用組合の破綻処理に限定することについてのお尋ねでございますが、金融機関の破綻処理は原則として金融システム内の負担により対応すべきものであり、信用組合以外の金融機関については、全体として不良債権額に対して十分な償却財源があること等から、政府保証等特別の制度を用意する必要はないと考えたところであります。
しかしながら、信用組合については、その経営体力等にかんがみ、預金者等が無用の不安を感じないよう制度的に万全の備えを準備しておく必要があり、このための特別措置として政府保証の制度を用意したところであります。
今後見込まれる財政資金の投入額についてのお尋ねでありますが、今後の金融機関の破綻を現時点で予測することは困難でありますが、今後五年間で約一兆円に上る特別保険料を徴収することとしていること、特別保険料率は今後の特別勘定の損益の状況や金融機関の収益の状況等を踏まえつつ三年後に見直しを行うとしていること、信用組合については、仮に現在把握されている不良債権が全額損失となり破綻処理が行われたとしても、他の業態において大規模な破綻が発生しない限りは、基本的には今般の料率の引き上げにより集められる保険料によって対処し得ると見込まれること等にかんがみれば、仮に信用協同組合特別勘定の廃止時において財政支出が必要となる場合でも多額にはならないのではないかと考えております。
信用組合の位置づけについてのお尋ねでありますが、信用組合は、本来、組合員の相互扶助という基本理念に基づき地域に根差した健全な業務運営を図りつつ、組合員等利用者のニーズに応じたきめ細やかな金融サービスを提供していくことにあり、今後とも、地域の中小零細企業、勤労者等の専門金融機関として機能することが期待されていると考えております。
最後に、早期是正措置に関するお尋ねでありますが、これは金融機関の経営の健全性を確保するため、基本的には自己資本比率を基準とした客観的なルールに基づく措置命令についての明確化を図り、金融行政の透明性を高めるためのものであります。
早期是正措置の発動基準につきましては、米国と同様、客観性を持った指標であるところの自己資本比率を用いることが適当ではないかと考えておりますが、措置内容等も含めましてその具体的な内容につきましては、今後、金融に関する専門家等から成る検討の場を設け、十分な御議論をいただき、透明性のある形で決定いたしてまいりたいと考えております。(拍手)
〔国務大臣大原一三君登壇、拍手〕