吉岡吉典の発言 (本会議)

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○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表し、金融関連法案について、総理並びに大蔵大臣に質問いたします。
 昨年来、住専問題を初め金融機関の破綻が相次ぎ、金融機関の膨大な不良債権の実態が明るみに出されました。そして今、「住専に血税を使うな」は大きな国民の声になっています。住専処理に当たってまず求められることは、その責任を明らかにすることであります。
 このような事態をもたらした背景に、八〇年代以降の金融自由化と、その中で引き起こされたバブルとその崩壊があることは、ひとしく指摘されているところであります。
 では、バブルを引き起こし、バブルを崩壊させ、今日の住専問題を引き起こした責任者はだれか。それはまさに大銀行であり、大蔵省ではありませんか。そうであるなら、その処理は当然その責任で行うべきであります。ところが、大銀行は本来とるべき責任をとろうとせず、大蔵省は国民の血税による破綻処理で大銀行の責任を免除しようとしているのであります。これでは国民が納得せず、怒りの声が巻き起こっているのは当然と言わなければなりません。総理、大蔵大臣、これをどう考えますか。
 特に、住専の場合、設立から今日まで親銀行としてその経営に深くかかわってきた母体行が責任を持ってその解決に当たるべきものであることは、従来の系列ノンバンク処理のルールからいっても明らかであります。にもかかわらず、政府は、従来ノンバンク処理のルールになっていた母体行責任主義を放棄し、政府が住専処理の主体であるかのような立場に立ち、史上例のない公的資金導入を図りました。そして、今それを法的に確立しようとしているのであります。
 大蔵大臣、住専処理ではなぜ従来のルールによらないのですか。一体これまでノンバンクを含めて金融機関の破綻処理に財政資金を投入した例がありますか。明確な答弁を求めます。
 その一方、政府は、母体行に追加負担を求めるためにも住専処理法案をそのまま成立させてくれと言います。とんでもない言い分です。そもそも提案されている法案は、公的資金投入初めにありきで、法案を原案のまま通すことは、母体行に追加負担を求めないで処理する枠組みをつくることではありませんか。それは国民の負担をなくすこととは全く相入れず、逆に追加負担を妨げるものとなっているではありませんか。法案そのものは追加負担を想定しておりません。大蔵大臣、そうでしょう。はっきりお答え願います。
 重大なことは、税金投入を住専にとどまらず信用組合にも広げようとしていることであります。法案は、今後五年間の措置として、破綻した信用組合処理のためにも公的資金を投入する仕組みをつくろうとしています。東京の二信組を初め、木津、コスモなどの破綻の事例から明らかなように、多くの信用組合の破綻は経営者の乱脈経営に加えて大手銀行の深い関与が原因として挙げられています。今回の法改正は、これらの関係金融機関の責任を棚上げにしてしまうものであります。そうでないと言えますか。
 一たび住専へ、信用組合へと公的資金投入に道を開けば、これは果てしなく広がることは必至であります。これは金融機関全体への公的資金投入の突破口になる危険を持つものと言わざるを得ません。銀行など一般金融機関の破綻の場合には、いかなる場合にも公的資金の投入はないと言い切れますか。さらに、住専と同じような理由を持ち出してノンバンクにも公的資金を投入することはないと断言できますか。しかと答えてください。
 ところで、大蔵大臣、あなたは住専処理の最も望ましい方法をどう考えていますか。できることなら、これまでの系列ノンバンクと同様に、母体行が責任を持ち、みずから母体行にふさわしい負担を行い、関係金融機関の協力を得ながら処理するという従来のルールこそ望ましい処理方法だとは考えないのですか。母体行責任による処理を妨げたのはだれですか。その最大の障害は、母体行が追加負担を拒否し、果たすべき責任を逃れる態度をとり続けていることです。
 したがって、母体行の追加負担を本当に実現するためにも、住専処理の一協力者にすぎないかのような主客転倒の立場に立っている母体行の態度を許さず、国民とともにこれを厳しく糾弾し、親会社としての責任を迫ることこそが必要であります。総理の見解はいかがですか。
 同時に、国民が求めている追加負担は、六千八百五十億円の財政資金にとどまらず、二次処理で生じるであろう巨額になることが予想される損失の国の負担部分をきっぱりなくすこと、すなわち、民間企業の破綻処理にいかなる形でも国民の税金を投入するなということであります。大蔵大臣が考えている追加負担とはどのようなものなのか、これまで明らかにされておりません。この際、具体的に説明していただきたい。
 ここで、住専問題をめぐる大蔵省の責任には極めて大きいものがあることを改めて厳しく指摘しなければなりません。
 大蔵省は、住専の設立を推進したのに始まり、総量規制、第一次、第二次再建計画への関与、さらに処理過程でも一貫して深くかかわってきました。にもかかわらず大蔵省は、よかれと思ってやったなどと言って今日に至るまで深刻かつ具体的な反省は示しておらず、住専とのかかわりについても明らかにしておりません。このような責任逃れは決して容認できません。大蔵省には、これまでの政策と行政の自己点検を行い、これらの責任を疑問の余地なく明らかにし、国民の疑惑を解明する責任があります。大蔵大臣、いかがですか。
 さらに、これまでの論議の中でも明らかになった天下り、天上がりなどに象徴される今までの不明朗で業界と癒着した金融行政をきっぱりと改め、国民に目を向けた金融監督・行政を確立することが必要であります。
 連立与党の大蔵省改革案も後退に後退を重ねていますが、我が党がかねて提起しているように、金融機関に対する監督を大蔵省から切り離し独立した監督機関をつくることは、ますますその必要性を増しています。総理、どう考えますか。
 さらに、政府は、金融機関の健全性確保のためなどとして、早期是正措置の導入などの措置をとろうとしております。健全性の確保はもとより当然のことですが、バブルの反省からも必要なことは、金融自由化が急速に進められた結果、公共性、社会的役割の重要性を忘れた金融機関に社会的責任を厳しく確認させることであります。その立場から、銀行の業務を規制し、ディスクロージャーを拡充するなど、銀行法を必要に応じて強化していくことなどが必要であると思いますが、これらの措置はとらないのですか。具体的にお答えください。
 総理、大蔵大臣、主権在民の憲法発布五十年という年に、国民の八割、九割が反対していることをあなた方自身も認めている住専処理策を強行することは、まさしく主権在民の否定ではありませんか。主権者の意思に沿ってこの際きっぱり廃案にすべきであることを強調して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 113615254X02519960610_024

発言者: 吉岡吉典

speaker_id: 4589

日付: 1996-06-10

院: 参議院

会議名: 本会議