森喜朗の発言 (本会議)
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○森喜朗君 私は、自由民主党を代表して、橋本総理の所信表明演説に対して質問を行います。
まず最初に申し上げたいことは、最近の行政府」における大蔵省、厚生省幹部などによる一連の不祥事件についてであります。
総理も、先日の所信の冒頭、最近行政に対する信頼を失墜させる事例が続いたことはざんきにたえない、綱紀の粛正を徹底するよう重ねて求めなければならない状況を本当に残念に思うと述べておられ、同時に政治の責任も痛感しておりますとも申されておられます。
そこで、公務員の皆さんには、当然なことでありますが、改めて国民全体の奉仕者であることを十分に自覚し、一規律と襟を正してもらうために、この際、公務員倫理法を制定すべしという意見がございます。先ほどの西岡新進党幹事長の御質問に対しても総理からお答えがございましたけれども、我が党でもその検討を行っていきたい、このように考えております。総理はいかがお考えになられますか。
さらにまた、昨年起きたオウム真理教信者による地下鉄サリン事件において、有名大学を卒業し最高の学問を学んだ信者の幹部が、生命の尊厳性を考えようともせず、教祖の言いなりとなって残忍な事件を引き起こしたのでありますが、こうした事件を見ると、最高学府を出て国民の指導者たるべき者が、やってよいことか悪いことかの判断さえも持ち合わせていなかったという事実であります。
私は、こうした問題の本質は、ずばり言って、戦後の教育のあり方に問題があると言わざるを得ないと思います。受験戦争を勝ち抜いて、ペーパー試験だけで高い成績をとった者だはが出世するという官僚の世界に代表される社会、自由な個性と創造性が発揮しにくい閉塞状況にある社会、あるいは現在の日本は、個人としての権利の尊重が、時として自分さえよければいいという自分勝手な個人エゴとして存在する社会になってしまったような気がいたします。
戦後五十年、廃墟の中から人々は血のにじむような努力をして、日本の復興、再起を願ってきました。すべてとは言えないことでありますが、最近のこうした誤った社会現象を見るにつけ、こんな国家社会をつくることが国民の目標ではなかったことだと思います。総理は、我が国の教育が平等性、均質性を重視する余り、一人一人の個性と創造力を十分に伸ばしてこられなかったことは否定できない、これからは知識を教え込むだけではなく、伸び伸びと「生きる力」をはぐくむ教育を目指すとも申されているわけであります。
資源のない我が国の唯一最大の資源は、昔も今も人材であります。その人材をしっかりと育成するのが教育であります。これからは、他人を思いやる心、正義感、家族愛、郷土愛、地域愛、国を大切にする心、地球環境を大切にする心を持ったバランスのある健全な人格を身につけた人材の育成が大切だと思います。(拍手)また私は、日本のよき伝統文化を尊重し、改めて家庭の果たす役割を十分認識しながら、国際化時代に対応できる活。力ある人材を育成し、そうした中でも特に心の豊かさを追い求めていくことが重要なことだと考えております。
先般の総選挙でも、我が党は選挙公約の中で、創造性豊かな人づくりを居指した教育改革を最重要課題として位置づけました。総理御自身も本年一月の第百三十六国会における施政方針演説で、個性と創造力にあふれ、責任と思いやりを持ち、将来の夢を生き生きと語ることのできる子供たちは日本の宝であると明言されました。そしてこのたびの所信表明演説においても、未来に大きな可能性を持つ子供たちが健やかに育つ環境をつくり上げることは我々大人の責務であると言及されました。
二十一世紀を担う子供たちに夢と希望のある明るい展望を切り開きたいという橋本総理の信条に接して、私自身も大変心を強くいたしておりますが、日本の宝である子供たちが光り輝くためには、教育に対する予算は未来の先行投資として位置づけるとともに、政府を挙げて教育環境の整備に取り組むべきだと思いますが、総理はいかがお考えでありましょうか。(拍手)
総理は、行政改革、財政改革等の当面五つの改革に強い意欲を示しておられます。総理のこの方針は大いに評価するものでありますが、改革をした行政を担当するのも新しい時代の公務員です。「新しい革袋には新しい酒を」と言われますが、もう一つの重要な改革の柱である教育改革がさらに重要であることをこの際申し添えさせていただきます。
昭和五十九年の中曽根内閣当時、臨時教育審議会が設置され、私は当時文部大臣として教育改革に携わった経験があります。臨教審は四次にわたって答申を出し、この答申に基づいた教育改革が現在も進行中でありますが、六・三・三制の学制改革や、就学年齢や入学期の見直しあるいは幼保の一元化など、根本的なテーマについては手がつけられておりません。
戦後の教育制度は、五十年をライフサイクルとして子供たちを育てることに主眼が置かれてきました。しかし、現在の子供たちは、八十年はおろか百歳までも生きることが可能となっています。百年生きる子供たちに、人生五十年を基準とした教育制度が間尺に合うはずがないのは当然であります。このため思い切った教育改革にも着手すべきであると思いますが、総理の御所見を承りたいと思います。
日本は現在、明治維新、第二次世界大戦後の社会改革にも匹敵するようなうねりの中にあります。東西冷戦の終結、どの国も経験したことのない超高齢社会を迎える一方で、成長あるのみという前提でつくられてきた経済社会構造が明らかに制度疲労を起こし、行き詰まっています。二十一世紀にふぎわしい経済社会構造に再構築していくためにも、まず政府みずからで行政改革、霞が関改革に直ちに着手する必要があります。
その際重要なことは、将来を見据えて、将来日本はどうあるべきかという基本ビジョンをまずもってしっかりと固めることだと思います。その上で、まず、国家、行政の機能は何であり、民間との役割分担はどうあるべきかという点を問い直していくことであります。私は、来るべき二十一世紀における日本は、個人と家族、地域社会、国家及び国家と国際社会全体との間の個別利益と全体利益との調和を図りつつ、国際社会で重要な役割を積極的に果たしていくことができる活力があり、魅力のある国を目指すべきだと考えます。
今回の中央省庁の再編を中核とした霞が関改革のポイントは、役所本位の改革から、いかに国民本位の改革が実行できるかということです。
さらに、もう一つの行革のポイントは、地方分権の推進であります。地方分権の必要性は、現在のように全国各地に銀座通りがあるということではなくて、それぞれの地方が個性を持った。地域の特性を生かした発展をするためにはどうしても必要なことなのであります。中央が何でもかんでも全国一律に画一的に指導するというやり方から、個々の地域がみずからの創意と工夫によって主体的に、いかに住民のために独自性を発揮した地域づくりを行うかということが大変重要になるわけです。
地方分権の推進は、国と地方の役割分担を明確。にすることにあります。しかし、一方では県の肥大化、権限が知事に集中することも予想されます。この沈め、同時に地方においても行政のスリム化を進めるべきで、市町村に権限を移すことも重要であります。こうした地方分権の確立が進めば、行政のスリム化と効率化のためには、地方や民間への権限、業務の移譲が必要となります。また、行政のスリム化と同時に、国民は行政の透明化も求めております。
総理は、行政改革、霞が関改革、そして地方分権の推進は焦眉の急であるとして、第二次橋本内閣の最重要課題と位置づけられ、これに関する審議期間を発足一年に限定して成案を得ることを明言されました。自由民主党は、いかなる困難をも乗り越えて、これらが成就されるよう万全を期してまいります。「変革と創造」をキャッチフレーズとした総理のこれら改革についての決意と、具体的に取り扱っていかれる総務庁長官の決意のほどをお伺いいたしたいと思います。
次に、我が国経済は、バブル経済が崩壊する中、激しい円高、高コスト構造のもとでの産業や雇用の空洞化といった現象に見舞われています。先般の通産省の調査によれば、我が国製造業の雇用は今後五年間に百二十万人も減少するものと予測されております。人口高齢化の進展、また先進国の中でも最悪の状況となっている赤字財政の現状も放置できません。
日本の産業、経済を活性化させるためには、早急に既存の制度やシステムを抜本的に見直し、経済についての規制を取り去る等、高コスト構造の是正を進め、新規事業創出のための支援、高度情報通信社会の建設など経済フロンティアの拡大といった経済構造改革に取り組んでいくことにより、初めて二十一世紀への展望が開けるものと考えます。また、日本版ビッグバンを目指した規制緩和と金融資本市場の整備は、国民の資産運用の場としても、企業、特に新規産業の資金調達の場としても、さらに国際金融センターとしても十分な機能を発揮できるように進める必要があります。
このため、今般、総理は大蔵大臣及び法務大臣に対し抜本的改革を指示されたと聞いておりますが、従来この種の改革では、役所間にあるセクト主義を取り払うことが必要とされます。つまり総理の強い指導力が求められていますが、総理の御決意と大蔵大臣の具体的な取り組みについて伺いたいと思います。
続いて、農林分野について質問をいたします。我が国農業・農村は、土地利用型農業の規模拡大のおくれ、担い手の減少、高齢化、農山村における過疎化の進行など、多くの問題を抱えております。このような情勢に対処するため、政府は平成四年六月に「新しい食料・農業・農村政策の方向」、いわゆる新政策を策定し、これに沿って各般にわたる施策を推進することとしたわけであります。その後のウルグアイ・ラウンド農業合意が行われ、WTO体制という新たな国際環境のもとで、この新政策をどのように位置づけ、どのような農政を展開しているのか、農林水産大臣にお伺いをいたします。
現在、地方公共団体や農業団体等から、現行農業基本法にかわる新しい基本法制定の要望があり、我が党としてもこうした声に対応していかなければならないと考えていますが、この新しい基本法の中において新政策をどのように位置づけようと考えているのか、あわせて伺いたいと思います。
次に、財政構造改革について伺います。
今や国の公債発行残高は約二百四十兆円にもなっており、これを一万円札の束で積み上げると実に富士山の約六百三十七倍になるそうであります。また、このほかに隠れ借金と呼ばれている特別会計の借金と県や市町村といった地方の借金を入れると、何と約四百四十二兆円にもなります。財政赤字に直面しているのは我が国だけではありませんが、欧米諸国においては二〇〇二年までに財政収支を均衡させることを目指す動きにあります。我が国も今こそ財政健全化に向けての取り組みを急がないと、我々の子供たちに負担を残し、子供たちの時代の活力を奪い、発展を阻害することにもなりかねない状況にあります。
財政構造改革を進めるには、国民に痛みを分から合っていただかなければなりません。このため、政治のリーダーシップが必要となりますが、総理並びに大蔵大臣には、財政改革に向けてどのような目標を掲げていかれるのか、また、財政構造改革元年となる平成九年度の予算にいかに対応されるのか、お伺いしたいと存じます。
次に、総理のおっしゃられた。長生きをしてよかったと思える社会の建設でありますが、高齢社会が到来することは避け得ないことであっても、社会が全体として活力に満ちたものであり、お年寄りだれもが長生きしてよかったと思えるような社会をつくることは政治の重要な役割の一つでありますが、今日の社会構造はいまだに、人生五十年と言われたころとまでは言わないまでも、人生八十年時代に対応できるシステムとはなっていないのであります。
諸外国では、定年後のお年寄りと若い人たちがともにボランティア活動の中に生きがいを求める姿を見かけますが、残念ながら我が国にはこのような土壌はできていません。このたび、我が党は、社民党、さきがけとともに市民活動促進法案、いわゆるNPO法案の作成に当たってきましたが、その早期成立を図ることは必要でありますが、まずその土壌づくりを進める必要があります。
先日開かれました我が党総務会のときでありましたが、ある総務から、ドイツの国民基本法には徴兵制がある、もちろん忌避もできる、しかし徴兵制を忌避した場合、ある一定期間は社会奉仕を義務づけることとなっているという発言がございました。私は、もとより徴兵制度に言及するわけではありませんが、社会に出る若者が学校教育の中でボランティア活動を必ず体験することが必要だと思います。また、諸外国では、ボランティア活動の中でお年寄りの生き生きした姿があります。二十一世紀を支える大切な子供たちに、就学制度の中で、ある一定期間奉仕活動を体験して社会に出るような思い切ったことを行うことこそ重要だと考えますが、総理の所見はいかがでありましょうか。(拍手)
そこで、当面の最大の課題である介護問題については、介護保険制度の創設という対応が提示されていますが、この介護保険制度の創設とあわせて、二十一世紀に向けて、そしてまた少子・高齢社会の活性化に向けた教育制度、雇用制度等、社会保障制度をどのような姿としていくべきか、またその構築をどのように進めていくべきかを考える必要があります。
さらに、少子・高齢社会では女性の活躍が一層期待されますが、女性は今でも相当活躍しておられます。農業では六割の女性労働力が我が国農業を支えています。しかし、一方において、それにふさわしい立場や地位は与えられていない現状もあります。最近では役所の中にも女性がふえてきましたが、部長、局長は少ないし、民間の大きな会社でも取締役になればマスコミが物珍しい扱いをいたしております。総理は、男女共同参画社会の実現に向け新たな国内行動計画を策定すると言っておられますが、国でやれることはまず実践することが必要です。
ちなみに、今日、社会民主党、新党さきがけはいずれも女性党首であります。そこで、男女共同参画社会の実現が必要と思いますが、総理にその抱負のほどを伺いたいと思います。
次に、安全保障について伺います。
我が国の安定と繁栄は、アジア太平洋地域、ひいては世界全体の平和と繁栄に密接不可分に結びついております。日米安保体制は、我が国の安全にとって必要不可欠な要素であるとともに、アジア太平洋地域の平和と安定に大きな意義を有しております。本日、日米安保協議会が開かれ、沖縄に関する特別行動委員会の最終報告が出されましたが、今後、政府は、普天間飛行場の代替ヘリポート建設を含め、最終報告を実現するため最大限努力すべきと考えますが、これらを含め沖縄問題の取り組みについて総理の決意のほどを伺いたいと思います。
また、日米安保関係の一層の充実のため、日米安保共同宣言に基づく日米協力を進めることは重要でありますが、その中で、日米防衛協力のための指針の見直し作業に対しどのように取り組むお考えか、あわせて総理に伺います。
アジア太平洋地域における相互の政策の透明性と安心感を高めるための政治・安全保障対話及び協力を積極的に推進すべきであり、その意味で、ASEAN地域フォーラムの活動を我が国としても積極的に支持し、その進展に貢献すべきと考えますが、いかがでありましょうか。
我が国の繁栄は広く国際社会において平和が確保されることが前提であり、顔の見える貢献をする必要があります。世界各地で起きている地域紛争、対立の背景の一つは途上国の貧困に起因することから、途上国の開発問題への取り組みの強化が不可欠であり、そのためにODAの果たす役割は大きいと考えますが、総理のお考えを伺いたいと思います。
また、我が国は国際平和協力法に基づき国連PKOに参加しておりますが、今もゴラン高原にPKO・自衛隊が派遣され、中東和平のために汗を流しております。これら日本のPKO参加は国際社会から高い評価を得ており、今後とも積極的な貢献を行っていくべきでありますが、いかがでありましょうか。
国連に期待される役割はかつてないほど増大しており、国連がこれにこたえて十分な役割を果たすためには、その機能を強化することが必要であります。九月の国連総会の一般討論演説で、総理は、安保理改革、行財政分野の改革、経済社会分野の改革が全体として均衡のとれた形で進められることの重要性を強調するとともに、安保理改革については、「我が国は、憲法が禁ずる武力の行使は行わないという基本的な考え方の下で、多くの国々の賛同を得て、安保理常任理事国として責任を果たす用意がある」と明言しておられます。
明年一月より我が国は非常任理事国となり、世界の平和と繁栄に一層積極的に貢献していくべきものと考えます。また、地域紛争や開発問題への取り組みに加え、国連の機能強化のための改革を強力に推進していくべきであると考えますが、改めて、安保理非常任理事国となるに当たっての決意と、安保理改革を初めとする国連改革に関する総理のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
次に、今般の総選挙の結果についての評価であります。
我々自由民主党は、一昨年六月、村山連立政権の一員として与党に参加してからは、民主的で自由でかつオープンな政策論議によって、被爆者援護法や水俣問題など、多年にわたる懸案事項の成案を得ることができました。本年一月、橋本連立政権になってからも、安全保障問題や沖縄問題への取り組みに見られるような難しい政策課題の解決を積極的に図ってまいりました。こうして自民、社民、さきがけの与党三党は、連携して政局運営に責任を持って当たることで、極めて強権的などの批判のあった旧細川・羽田連立政権下によって混乱していた日本の政治を、国民が切望する、信頼される安定した政治の方向に進めてきた結果が今回の国民の審判であったと考えます。
今回の選挙においてでは、かつて、消費税が七%、一〇%、一五%のアップが必要と言っていた人たちが、選挙になると途端に三%据え置きや、選挙目当てでできもしない十八兆円もの大幅減税を無責任に主張するという御都合主義の政党よりは、責任政党として勇気を持って改革を掲げた民主的な議論を行う政党を国民は選んだわけであります。このことは、第一党の自民党を中心とした安定した政権を求め、引き続いて橋本首班による政権を継続してほしいという国民の期待であったとも考えます。(拍手)
政治の信頼を取り戻すため、我々は選挙制度を含む抜本的な政治改革を断行し、今回の総選挙は新しい選挙制度で、政党中心、政策本位の選挙を行い、国民の選択を求めたものでありました。しかし、今回の選挙妃おいて、国民からは、供託金没収者が復活当選したのはおかしい、さらに、例えば奈良一区では三、四位の候補者が比例選で復活し、我が党の二位の候補者を追い越して当選するといった。いわば追い越し当選の問題や重複立候補のあり方などが指摘されたわけであります。これらの疑問を含めて、国民からはこのたびの制度に相当の不満や批判が出されています。
早速、我が党としては、こうした今回の選挙で明確になった問題点や選挙制度のあり方を含めての定数削減について、例えば比例区を次回から完全になくすとか、まず二百の議席を百にするといった意見などもありますが、何回か選挙を重ねることで最終的には三百の小選挙区に移すことなども考えられます。こうしたことについても選挙制度調査会において検討を行い、あしき点は改めて、行政改革を進める前に、まず政治みずから隗より始めよということで国会議員の大幅削減を行い、率先して政治・国会改革に取り組む必要があると考えますが、総理の御決意を伺いたいと思います。(拍手)
今回の選挙は、我が党の議席が過半数に至りませんでした。しかし、将来の日本のために、戦後の社会経済システムの変革は待ったなしでやってきます。このことを強力に推進していく政党として、自民党に大きな期待を寄せられたものだと思います。そこで、我々は今回も社民党、新党さきがけと政策合意を図り連立政権を組み、また21世紀の皆さんとも政策において合意をした上で、第二次橋本政権を誕生させることができたわけであります。
第二次橋本内閣の最大の政策課題は、何といっても行政改革です。これをなし遂げるには強力で幅広い政治のリーダーシップが必要とされます。そうした意味からも、民主党との間でも行革を中心とした政策協議を行い、ともに責任を果たすことに喜びを持ちたいものであります。今や、政治が一致協力して、国家国民の将来のための行政改革を初めとする戦後日本の社会経済のシステムの変革を何としても成功させなければ、日本の未来はないと言っても過言ではないと考えます。
我が自由民主党は、こうした観点に立って橋本政権を強力にバックアップし、行政改革を初めとする諸課題、諸政策については、国民にわかりやすいようにオープンな議論に心がけ、国民の皆さんに協力をお願いし、また率直な御意見に謙虚に耳を傾け、政治を進めてまいります。将来の日本のための改革を断行する過程においては、国民の皆様方には一時的には痛みを伴うことがあるかと思いますが、二十一世紀の日本の将来のため、さらに子供たちの未来のため、思い切った決断と実行によって「変革と創造」を実現していかなければなりません。(拍手)
総理、日本の近代を開いた明治の元勲たちは、大きな国家目標を打ち立てました。
その第一は、殖産興業でありました。この目標は百年で達成されましたが、今日では債権国家、債務国家となり、総理が今先頭に立って財政改革犯着手べれることになりました。
第二は、帝都建設でありました。これは東京一極集中で終えんし、新しい首都機能を持つ地域を設定し、国土の均衡ある発展に努力しなければなりません。
第三は、学制発布でありましたが、ある時期、我が国の発展に大きな役割を果たしましたが、これも今日では画一的な人材を育成するのみで、人づくりの機能を果たしておりません。
明治政府は大きな犠牲を払いました。勇気を持って廃藩置県もやり遂げました。まさに今日の行政改革そのものです。また、正本じゅうの昔からあった寺子屋、塾を学校にし、義務教育制をしき、欧米諸国を追いかけることを目標にいたしました。
さらに、今では考えられない財政状況で、北海道から九州に至るまで日本じゅうに鉄道を敷設しました。これが戦前戦後を通じ国土の均衡ある発展につながったことは言うまでもありません。
さらに、政府を挙げて北海道の開発に着手しました。二十一世紀を控え、今まさに沖縄振興を掲げることも歴史の偶然とは言えないのではないでしょうか。
総理、明治の開拓者と同じ燃えるような情熱と使命感を持って、新しい日本を創生させるために、全力を振り絞って我々の先頭に立っていただきたいと思います。(拍手)
我々連立三党は、さきの村山政権を支え協力したときと同じ気概を持って、橋本政権を今後とも強力に支え、改革を断行していくことこそ我々議会人の使命であるという決意を申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕