大畠章宏の発言 (商工委員会)
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○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。
独占禁止法改正案についての民主党の基本的な考え方を申し上げたいと思います。
基本的な考え方を申し上げる前に、この独占禁止法の改正案をまとめるに当たって、林先生初め与党の皆さんがかなり熱心に御論議をされ、ここまで練り上げてきたことに対しては心から敬意を表したいと思います。
それでは、民主党の基本的な考え方を申し上げたいと思います。
経済のグローバル化と大競争の時代を迎え、企業活動の活性化やベンチャービジネス振興等に資する規制緩和等を通じて、我が国の経済構造改革の一層の推進を図る必要がございます。このため、競争政策の分野でも、制定後五十年を迎えた我が国独占禁止法の基本目的についてはしっかりと堅持をしながら、同時に、今日的に見て、独占禁止法の目的達成のための必要十分な範囲を超えて一律かつ過度の規制となっている部分があれば、これを見直すことは必要であります。
第九条の持ち株会社禁止とその後追加された第九条の二の大規模会社の株式保有制限等の一般集中規制条項は、戦後解体された財閥の復活防止、六大企業集団等の中核に位置する総合商社等による大量の株式保有による支配力拡大防止、さらに日米構造協議等で問題とされました我が国企業特有の閉鎖的な系列関係の是正等、我が国経済の民主化と事業者間の公正かつ自由な競争を促進する上で大きな役割を果たしてきたものと考えます。
これらの一般集中規制は、個々の市場における競争制限効果のみに着目をした十条の株式保有制限や十五条の合併規制などに置きかえられるものではなく、橋本総理も先日の本会議で、これらの規制を全面的に削除して、事業支配力が過度に集中することとなるような持ち株会社などの存在が許された場合、市場への自由な参入、取引先の選択の自由や取引条件の自主的な設定というものが制約され、市場メカニズムの機能が妨げられるおそれがあると答弁しているとおり、これらの規定の基本的枠組みはぜひとも堅持していくべきであると考えます。
以上の基本的視点を踏まえて、第九条については、第一条に掲げられている事業支配力の過度の集中を防止するという目的に反しない範囲で、具体的に持ち株会社の解禁の求められているのはどういう分野か、規制基準の明確化を確保できるか、独占禁止法の他の規制との整合性を損なわないかなどの諸事情を勘案すると、今回の政府案で示されているとおり、六大企業集団内の一つに属する幾つかの有力企業を束ねるような規模の持ち株会社等を禁止のターゲットとして、上位二百社の個々の企業に相当するような規模の持ち株会社を常時監視下に置くという考え方は、おおむね合理性、妥当性を持つものと判断できます。
ただし、事業支配力が過度に集中することとなる持ち株会社の範囲については、本来法律の中で十分に明確にすべきで、今回の定義規定でこれが十分明確にされたとは言えません。このため、ガイドラインを設けることはやむを得ないと考えますが、その策定に当たっては、立法府の意見を十分に踏まえ、個別事案ごとの裁量的判断の余地をできる限り少なくするよう、法律要件及びその解釈基準の明確化に努めることが必要と考えます。
また、持ち株会社の事業活動の実態を常に的確に把握し、内部成長等その後の状況変化によって事業支配力が過度に集中することとなる場合には、機動的かつ厳正な排除措置をとることが必要であります。
第九条の二については、既に上位二百社相当の大規模会社に限った合理的規制であり、今回共同分社化や一〇〇%子会社、ベンチャービジネスの株式を適用除外株式に追加することで必要十分な規制緩和効果も期待できることから、これも合理性、妥当性を持つ改正であると判断いたします。
持ち株会社解禁が我が国の経済構造改革を進める上で必要なことであるとしても、このことが我が国の社会経済活動に及ぼすさまざまな影響については、これを十分に解明し、特に労使関係や消費者、独立事業者等に悪影響を及ぼすことは何としても防止しなければなりません。
このため、次の四つのポイントを申し上げたいと思います。
第一に、金融持ち株会社に関する法整備に当たっては、これまでの金融不祥事等の事件の再発防止も十分念頭に置きながら、また米国の銀行持株会社法も大いに参考にしながら、金融機関の健全性確保と預金者等保護の観点から、事業子会社及び兼業の規制、グループ内金融会社間のファイアウォール規制等についての厳格なルールを設けることが必要です。
第二に、我が国では、奥村宏教授も述べておられますように、企業集団内の株式持ち合いや金融機関による株式保有率の高さ等がいわゆる法人資本主義といういびつな構造をもたらしており、こうした状況を見直し、健全な個人投資家が拡大するよう、証券市場の改革を図るとともに、子会社の事業活動等についてのディスクロージャー、少数株主の権利保護等の面で、商法や証券取引法の見直しを図ることが必要であります。
第三に、企業グループにおける労使協議の実を高め、労使関係の安定を図るため、さきの労使団体間の合意を重く受けとめ、政府、労働省の責任において、労使関係者を含めた協議の場を設け、労働組合法の改正問題を含め、今後二年をめどに検討し、必要な措置をとることが必要であります。
また、分社化等に伴う労働契約関係上の問題について、労働基準法の精神を踏まえ、適切な労働基準監督行政を行うとともに、終身雇用の崩壊等の雇用慣行の変化の中で労働者の権利が損なわれることのないよう、労働基準法の見直し、拡充も検討すべきであります。
第四に、経済全体の規制緩和や企業結合の複雑化が進むと、これらを背景に、市場における独占力行使や競争制限的行為が行われ、独立事業者や消費者の利益が損なわれるおそれがあります。このため、引き続き競争政策及びその執行体制の一層の強化を図ることが必要です。
その際、公正取引委員会の行政委員会としてのあり方についても、その時々の政治情勢や与党からの圧力に応じて簡単に筋を曲げてしまうようなことがあってはならず、一層独立性、専門性を高める方向で検討すべきと考えます。
以上、民主党としての基本的な考え方を申し上げました。
以上であります。