大畠章宏の発言 (商工委員会)

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○大畠委員 民主党の大畠でございます。
 先ほど、民主党としての基本的な意見表明をさせていただきましたが、少し観点を変えて、それを補足する意味で林先生に少し御意見をいただきたいと思います。
 私自身も林先生の経済理論というのは大変尊敬をしておりますが、そういう見地から、今回独占禁止法の改正法案というのをまとめる上での経過等も含めて、ちょっと御意見を賜りたいと思います。
 確かにこの独占禁止法は、先ほどからさまざまなお話がありましたとおり、戦前の財閥というものにかなり注目をして純粋持ち株会社の禁止というものをうたったものと思います。
 これは、いわゆるアメリカ軍が日本を占領した後、なぜ日本がこれだけの軍事力を持って、かつ第二次世界大戦というものに突入したのか、その根底を尋ねると、どうも軍部に対して資金供給をしている財閥にあったということから、財閥を解体する一環として純粋持ち株会社の禁止というものをうたったことは、歴史的に多分そのとおりだと思うのです。
 しかし、時代が変わってきまして、財閥の復活というのはほぼ、もう日本の中でなかなか難しい状況になったと思います。大きな会社の社長さんなんかも、結局は昔の社員がずっとそのまま社長さんになるとかなんとかという経緯になっていますから、この財閥の復活というものは、ほぼ私は可能性として消えたものと思います。
 そうなってきますと、国際的な、いわゆるグローバルな経済競争の中で、日本も、アメリカ、ヨーロッパが持っている純粋持ち株という経済行為のツールを取得したいという思いが出てくるのはそのとおりだと思うのです。したがって、こういう形になってきたのですが、そのときに懸念されることが幾つかあったと思うのです。
 その一つは、日本の企業の特異性、あるいは日本の社会の特異性というものが一つ挙げられると思うのです。単に国際的なイコールフッティングという観点から日本でも純粋持ち株会社を解禁したいというその意思はわかるのですが、日本の特異な社会性、あるいは企業のあり方というものが非常に問題点をはらんでいるということも事実であります。
 かつて、日本の中でこの純粋持ち株会社を解禁するという報道をしたところ、アメリカの商工会議所がいち早く賛成を表明しましたが、その話をいろいろ聞いたら、いわゆる規制を緩和するということはアメリカの企業が日本に入りやすくなるということだからいいことじゃないかという観点から賛成した。しかし、どうもよく調べてみると、日本の中のいわゆるグループあるいは系列化というものがどんどん強くなるのではないかという懸念があるということがわかって、いま一つ純粋持ち株会社の解禁についてはどうかなという疑問符を呈するというような報道も一部されました。この日本の企業の特異性というものを、先ほどの岸田委員の話ではありませんけれども、透明性をどう高めるか、ここが私は重要だと思うのです。
 三月二十六日に新聞報道されましたけれども、野村証券に強制捜査が入った。これも総会屋対策としてVIP口座をつくって一部のところに不正な資金を流していたということがわかって、証券会社ですらそういうことをやっていたわけです。また、いろいろな議論の中で、株主総会というのがありましたね。株主総会もしゃんしゃんで済ませていいんだろうか。これは世界を見ても、そんな三十分で済ませるとか二十分で済ますとか、そういう株主総会というのはないわけなんですね。
 そういう日本の企業独特の習慣、慣習というものを今のままにしておいて、そして国際的なメガコンペティションだからということで純粋持ち株会社という制度を導入していいんだろうかという疑念もあるのですね。ここら辺のところについては、どうも今回の与党の議論の中で、日本の企業の企業倫理、あるいは透明性というものにメスを入れようというような動きは、議論はあったと思うのですが、具体的な形として動いておりません。
 したがって、私は、もしもメガコンペティションということであれば、日本独特の企業慣習等々、アメリカ、ヨーロッパから見て不可解と思われるものについては透明性を高めるというメスも一方で入れる必要があると思います。
 それから、もう一つは金融問題でありますが、この純粋持ち株会社を解禁するに当たって、その発端はどうもやはり銀行界のいわゆる不良資産の処分の問題あるいはそういうものを発端として金融持ち株会社を解禁したいという思いがあってかなり動いた形跡がございます。
 しかし、この問題についてはさまざまな問題があるということで、金融持株会社法を新たにつくろうということで与党内で整理をされてこられましたので、これはこれとして評価をしたいと思うのです。
 もう一つ、三点目の問題点はいわゆる労働問題でありまして、これは林先生も、労働問題がある、そして純粋持ち株会社を解禁することになってこの労働問題はふえるかもしれないという御認識をお持ちだと前に伺っておりましたけれども、この労働問題については、日経連と経団連あるいは連合の三者において、二月二十五日に合意をされました。その文言が、「独占禁止法の改正による持株会社の自由化に伴う労使関係の対応については、労使協議の実が高まるよう、」……

発言情報

speech_id: 114004461X01319970509_025

発言者: 大畠章宏

speaker_id: 22351

日付: 1997-05-09

院: 衆議院

会議名: 商工委員会