林義郎の発言 (商工委員会)

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○林(義)委員 今お話がありましたから、全部お答えになるかどうか、私もメモをとっておりましたが、抜けたかもしれませんから、その点をお許しいただきまして、お答えをいたし、それから後、私自身の考え方を申し上げたいと思っております。
 まず、西川さんのお話ですが、遅きに過ぎたじゃないか。これはやはり三党まとめてやるということは、議会の中で、各党個人個人で私はやってもいい話かもしれないと思うのですが、やはり今の日本の政党政治のもとでは政権与党の合意をとってやろうというようなシステムになっていますから、実は、私自身は、この問題は議員提案にした方がいいのでないか、政府提案より議員提案の方がいいのでないか。議員提案なら、私が提案して私がやりますから、私が全部答えても、それでも私はやるだけのなにがある。
 しかし、そういったような問題であるし、経済憲法と言われるような話ですから、議員の中でもいろいろな御意見があるから、やはりその前にまとめてやっていこうという話で始まって、昨年まで、実は大畠さんはそのときには一緒に議論をした仲間で、私と同じような意見で、この人の意見に対しては反対だとかなんとかというような話も随分やったのですね。自民党の中でも意見が違う。
 そういった形でまとまったものですから、私は、まとまってこんなように出てきてよかったなと思う。
 それから、きょうの話を聞いていますと、今まで議論をしていた内容が皆さん方も大分よくわかってもらっている、特にグローバリゼーションの問題であるとか国際的な問題というのは非常によくわかってもらっている、こういうふうに私は思いましたし、御意見は非常に尊重してやらなぐてはいかぬし、皆さん方も恐らく大多数の方々はこの法案が成立するということを期待をしておられるのだろうと思っています。
 それから、もう一つの問題は、透明度の話ですね。この問題もまさにありまして、私は、公正取引委員会は過度の経済力の集中を排除するというところのルールを全部書け、大体これは国会事項じゃないかと。不当な取引制限とか独占とかあるいは不公正な取引方法というのを禁止、それも全部書いてあるのですね。
 だから、正直言って、だれだったか、吉田さんでしたか、お話があったように、この話はよくわからぬ、過度の集中というのは一体何を指すのだ、どこまでが過度の集中で、どこまでがそうでないのか、よくわからぬじゃないか、こんなものははっきりしろ、そんなことをはっきり書けと。しかし、私はなかなかそれは自分では書けないが、公取の方におまえ書けと言って、では先生書けますかと言うから、いや、正直言って私もよく書き切らぬなと。書き切らぬから、これはやはり皆さん方の議論を踏まえてやる話だし、やはり国会でいろいろ議論が出てくるから、私は、やったらいいのじゃないかな。かつて独禁法で問題がありましたのが、今の新日鉄をつくるとぎの八幡、富士の合併ですよ。これはいいかどうかというような話がありました。やはりそのときだって国会でいろいろ議論をされたのだと私は思うのです。
 こういったものは、法律にこう書いてあるからという形でなくて、やはり議論を尽くしてその議論の中でやっていくということが私は必要だろうと思うし、もしもそういったような問題で持ち株会社がどうだこうだというような話があったら、本当は国会の担当委員会であるところのこの商工委員会でまず議論をしてやるのが筋じゃないか、皆さん方の御意見でやったらいいのじゃないか、こういうふうに私は思っておるところです。公取でどれだけ書かれたところで、よく書き切らぬ問題ではないかな、こういうふうに私は思っています。
 それから、あと相続税対策等ありますし、それから税制対策、西川さんおっしゃいましたよね。それから、多くの方々から、税制の対策をつくらなくてはいかぬ。これも随分私、もう初めからこの議論をしたのです。議論をしまして、ところが、税制の議論までやると、今度は商法を一体どうするかという議論になってくる。
 この話をやるときに、今度は、きのう国会で電電公社の分割法の話がありましたよね。あれのところでも、東京会社はもうかるが、関西会社はもうからぬ。だけれども、もうかっているところからこっちへ持っていって利益をやる、一体そんな話が分割した会社であり得るのかね、どうなのかねというような議論があるわけですよ。
 それから、資産の譲渡をしたときの課税をどうするかというような話も当然に出てくるわけですから、そういった問題はやっていきましょう。西川さんはその話と一緒にやれというお話ですが、まだ話がまとまらぬ間にまたやったら怒られてしまいますから、こういうふうな形でやっていこう、税制は税制の問題として考えていかなくてはならない。
 税の立場からいいますと、いろいろ問題があるのです。さっきのように、もうかる会社ともうからぬ会社と二つに分ける。足したところで税金をかけるというのが全体の会社の考え方。ところが、損をする会社があったら、普通の税法でいうと、損をする会社は赤字でゼロですよ。もうかった方は全部税金をかける、こういうことです。税金を取る方からすれば、たくさんもうかったところの会社から取ればよろしい、赤字になって大損したのはそのままほっておく、こういう考え方ですが、それを連結で一緒にやろうということはちょっと虫がよ過ぎるのじゃないかという議論さえ実はあるのです。
 その辺の議論を正直詰めていかなければいけませんし、今の話はもう一つ言うと、日本の企業とアメリカの企業が合弁会社をつくる、香港の企業とどうするかというような話のときもみんなその話が出てくるわけですから、そんな問題は少し時間をかけて詰めてやらなくてはいかぬのじゃないかな、私もこう思っています。
 そういった中に、さっきお話がありました相続税対策の話。これは純粋持ち株会社というのは大会社だけじゃありませんよ。田舎の小さな会社で、おやじさんが八百屋をやって、少し子供にスーパーをやらせましょう。スーパーも、乾物屋をやるスーパーと食料品店のスーパーと雑貨売りのスーパーとみんな、子供三人に分けてやる。全部持ち株会社にしてやるということになったら、資本の数は非常に少なくてよろしいから、相続税対策にはあるいはなるかもしれない。そういったようなことをやはり抜け穴がないように考えていかなくてはならない問題だろうな、こう思っています。
 それから、大畠さんの話ですが、大畠さん、もう随分やったから中身の方はよく御存じでしょうからあえて申しませんけれども、やはり規制を緩和をしていく、こういうことで、純粋持ち株会社にしたらかえっていろいろな形で規制の強化になる、規制というよりは日本のコントロールを強くするんじゃないかなという御意見がアメリカの方からもあるだろう、こんなふうな話。私もそんな話を時々聞くのです。
 ただ、これは、日本の実情からいいまして、純粋持ち株会社だったらすぐにそれがずっと発展していくかというと、私はそう思いません。現実に、事業持ち株会社で、たくさんの会社が持ち株会社でやっている。日立製作所なんというのはたしか三百ぐらいの持ち株会社があるわけですね。今度中国に行ったら、中国の持ち株会社をまた二百とかなんとかみんなつくるわけです。上海につくり、大連につくり、南京につくり、重慶につくり、みんな持ち株会社でやるわけですね。そういったような形でやりますから、私は、それが規制なのかどうか。
 要するに、規制でやると、今度向こうで困るのは、日立に物を納める、日立と取引をするときに系列に入っていなかったならばだめだ、こういうふうな話ですから、系列取引の問題をどうするかということを私は考えていかなくてはいかぬ。これは、今の独禁法では不当な取引制限あるいは不公正な取引方法に当たる話ですから、そういったような問題について独禁法で新たなメスを入れる、こういうふうなことは考えてやってもいいのじゃないかなと私は思っています。
 それで、メスを入れる方法としては、公正取引委員会が例えば不公正な取引方法という形で抑えることができる、こういったものがあったら公正取引委員会に、先ほど古賀さんだったか、だれか話をしておりましたように、だれでも独禁法に違反するような事項があったら申し出をすることができるという話がありますから、だれでも申し出をして、そういったような形でやったらどうだというような話をやっていく。
 ある会社がおかしいということになってしまったならば、その会社が不当な利益を得たり、あるいは不当な損をしているというようなときには株主訴訟か何かで訴えていくというのが今与えられた方法ですが、果たしてそれだけでいいのかどうかというのはお互いこれは勉強してみなくてはいかぬ話だと、吉田さんだったか、さっきそんな話がありましたけれども、私は、この問題は、独禁法というものは経済ルールですから、経済ルールは決して公正取引委員会や政府がつくるんじゃないのですよ。ルールをつくるのは我々国会ですよ。だから、私たちは国会でこの辺は大いに議論してやったらいいんじゃないかな、こういうふうに思っております。
 ルールの話になりましたから私は申しますけれども、鈴木さんは専門家だからあれですけれども、金融持ち株会社の話、金融の話だって、言いますと、アメリカの銀行委員会、さっきあなただったか、前田君かな、だれか話をしておられましたけれども、向こうも、いや、なかなか我々も知識がなくてなどということを言っていますが、私は、アメリカの銀行委員会というのは大変な権威のある委員会だ。アメリカの連邦準備理事会とか、あるいは歳入庁とか、あるいは財務省とかありますが、その上にあるのが銀行委員会。
 その銀行委員会は、いろいろな金融の持ち株会社だとかファイアウォールの話だとかというのをやっていくわけですから、我々国会もその辺については権威を持ってやったらいい。何かわからぬから全部役所に任せるなどという話でなくて、私たちが独自の力で、独自の考え方でやはりこの制度をつくっていくのが私は本当に必要なことじゃないかと思いますし、そういった議論をぜひこれからもやっていかなくてはならない話だろうと思っています。
 労働組合の話がさっきありましたが、労働組合の話は、大畠さんと一緒にやったころからずっと話がありましたね。ありましたが、最後には、日経連と連合と話をしたというので持ってこられまして、国会の附帯決議にというような話がありました。私はそのときに申し上げたのは、労働組合の方の問題、労働関係の問題というのは十分に私たちは考えていかなくてはいかぬ。本当はこれは独占禁止法の問題とは違う話だ。それは、労働関係というのはまさに労働関係、独占禁止法というのは企業経営の問題であるし、会社の取引の問題ですから、違う話だ。
 しかし、そういったものがいろいろ影響を及ぼすという話で、法律論として申し上げるならば、最高裁の判断で、子会社の労働組合が親会社と交渉することは妨げないという話がありますから、それは私はできる話になっていると思うのです。しかし、法律でやっているのを、判例法で決まっているからそれだけでいいかということになってくると、その辺は少し考えてみた方がいいだろうな、こう思います。
 そういった意味では、私は、この場でやるのがいいのか、労働委員会でやるのがいいのか、やはり議論をしてもらったらいいと思うのですね。あるいは、この商工委員会から労働委員会の方に、こういった問題があるのだけれどもどうだろうかという連合審査を申し入れて、一遍議論をしてみるということが必要じゃないかな、私はこう思っているのです。今回やれというのじゃないですよ。そういった問題ですから、ちょっと時間をかけてやらなくてはいけない。
 というのは、私は昭和二十二年に大学に入った。そのときに最初に労働組合法を聞いたのですよ。それはアメリカの法律だというのです。日本には労働組合法というのはなかった。だから、アメリカのまさに判例法に基づくところのルールの法律でしょう。だから、判例法に基づくルールの法律というものは、ルールを積み上げてやっていくのが正しい方向だと思いますし、いろいろな意見が出たら、それでどういうふうにしてやっていくか。こんな方向で話がまとまったから後は役所に任せて、ばっとやれなんというのは、とるべきでない方法だ。お互いが権威を持って、こういったルールづくりをしていきましようというような話を私は独禁法と同じようにつくっていくことが必要だろうと思いますし、それから国会の中で……

発言情報

speech_id: 114004461X01319970509_028

発言者: 林義郎

speaker_id: 33770

日付: 1997-05-09

院: 衆議院

会議名: 商工委員会