矢島恒夫の発言 (財政構造改革の推進等に関する特別委員会)
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○矢島委員 私は、日本共産党を代表し、財政構造改革の推進に関する特別措置法案及び漁港整備計画の一部変更について承認を求める件に反対の討論を行います。
まず初めに、本法案は、今後三年間の予算の骨格を決めてしまうとともに、国民に大きな負担増をもたらすという重大な内容を持っているにもかかわらず、公聴会も開かず、審議不十分のまま本日採決されようとしていることに強く抗議するものであります。
本法案に反対する第一の理由は、この法案が、医療、社会保障、教育、中小企業など国民生活のあらゆる分野で予算を連続的に削減し、多大な国民負担を強いるからであります。
とりわけ医療、社会保障の分野での国民負担増は深刻です。来年度は、現行の医療、社会保障制度を維持するだけに必要ないわゆる当然増経費の八千五百億円のうち、五千五百億円が削減されます。二兆円負担増と言われる今年度の医療保険制度改悪でも国の予算の削減は三千億円ですから、来年度はことしを上回るような国民負担増になる危険があります。その上に本法案は、再来年度以降も連続的な予算削減を義務づけるのです。このような連続的でかつ大幅な国民負担増は、歴代自民党政府でさえできなかった前代未聞のことであり、国民の生命と健康、福祉を重大な危険に陥れるものであります。
その一方、今日の財政危機を招いたゼネコン奉仕の公共投資や軍事費などの浪費構造にはメスを入れずに温存されています。
公共事業の現状には多くの国民の批判が集中しているにもかかわらず、本法案ではわざわざ「事業の量を変更することなく」と明記し、公共事業の浪費的内容はそのままです。この法案によっても、社会保障の公費負担は二十兆円、公共投資五十兆円という、他の先進諸国には見られない異常な財政構造は基本的には変わりません。
また、軍事費についても、SACO経費の別枠扱いという特別の優遇措置をとり、実質的に増額になる道を開いています。浪費構造にメスを入れない本法案は、財政構造改革とは名ばかりの、国民生活切り捨て法案にほかなりません。
反対する第二の理由は、この法案が、憲法に定められた予算単年度主義の原則を踏みにじるとともに、国会の予算審議権をも実質的に奪うものだからであります。
本法案は、来年度予算の総額を今年度以下に抑えるとともに、今後三年間の主要経費ごとの上限を定めるなど、予算の骨格を決めようとしています。これが憲法第八十六条に規定する予算単年度主義の原則に反することは明白であります。
さらに、国会が各年度の予算案を審議する段階では、本法案によって社会保障や教育など主要経費の骨格が事実上決まっているわけですから、国会の予算審議権を実質的に奪うものであり、国の財政処理は国会の議決が必要とした憲法第八十三条にも反し、財政民主主義をじゅうりんするものであります。
反対する第三の理由は、消費税増税などの九兆円負担増という間違ったかじ取りによってもたらされている不況に拍車をかけるものだからであります。
この法案でさらなる負担を国民に押しつけるなら、GDPの六割を占める個人消費は一層落ち込み、日本経済により大きな困難をもたらすことは明らかです。これでは、税収不足、さらなる負担増、一層の税収不足という悪循環になってしまいます。国民負担をふやして浪費の穴埋めをしようという本法案では、政府の掲げる財政再建すらできないことは明白です。
日本共産党は、公共事業の浪費など財政危機の真の原因にメスを入れることによって財源を生み出し、国民生活の向上と社会保障の充実を図りながら財政再建を進めるという財政再建十カ年計画を発表しています。こうした方向こそ財政危機から脱出する確かな道であります。
なお、民主党提出の修正案は、主要な経費の量的縮減目標を削除しているものの、政府案の国民生活切り捨ての骨格をそのまま容認するものであり、賛成できません。
財政構造改革の名に値せず、国民に多大な負担を強いる本法案は、撤回しかないことを最後に強調して、私の討論を終わります。(拍手)