平田健二の発言 (国会等の移転に関する特別委員会)

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○平田健二君 去る七月二日及び三日の二日間、武田委員長、国井理事、石渡委員、太田委員、佐藤委員、鈴木委員、円委員、山本委員、瀬谷委員、三重野委員、そして私、平田の十一名は、愛知県及び三重県において国会等の移転に関する実情調査を行ってまいりました。
 以下、その概要を御報告いたします。
 まず、愛知県における実情調査の概要について御報告申し上げます。
 愛知県においては、平成七年十二月の国会等移転調査会最終報告以後、平成八年四月に移転先候補地として東三河南部地域及び西三河北部地域の二つの地域を表明して以来、同年七月には県議会において首都機能移転についての意見書を採択するとともに、後段で御報告をいたします三重県をも含めた中部圏、東海四県との連携を図るなど、首都機能移転問題への取り組みを積極的に推進している地域であります。
 東三河南部地域は、静岡県西部地域と隣接し、太平洋と三河湾に面した豊田市、岡崎市など関係する八市町村から成る地域であり、また、西三河北部地域は、岐阜県東濃地域と隣接する豊橋市、豊川市等内陸部の関係する六市町から成る地域であります。今回の調査では、まず、豊橋技術科学大学から東三河南部地域の豊橋市周辺を視察した後、豊田西広瀬工業団地より西三河北部地域の丘陵地を視察いたしました。
 次に、概況説明会における愛知県知事ほか関係者の方々の説明及び派遣委員との意見交換について、その概要を御報告いたします。
 まず、鈴木愛知県知事からは、本県は国土の中央に位置しており、本県だけを対象としない、隣県との連携も視野に入れた取り組みを行っているところである。候補地を擁する東海四県相互の連携を図り、中部・東海地域への首都機能移転の実現を図りたい。愛知県は、東海道新幹線、東名・名神高速道路などが集中する交通の要衝であり、全国からのアクセスが極めて容易である。今後、中部新国際空港、第二東名・名神高速道路、リニア新幹線などにより当地域における交通条件は飛躍的に向上することとなる。また、二つの候補地はいずれも既存都市の名古屋とは隣接しておらず、三十キロから六十キロ以上離れており、スプロール化の懸念は想定されない、しかもその大都市機能・サービスを十分に活用できる地域である。土地取得の容易性については、現段階で移転の第一段階に対応可能な用地は、東三河南部地域で約三千ヘクタール、西三河北部地域で約四千三百ヘクタールが分布し、さらにその周辺には長期的開発の可能な土地が分布している。また、地震災害等の安全性については、一部に活断層はあるものの、開発区域から避けることは可能である。地形等については、標高二百メートル以下の平たん地、丘陵地が広がり、都市整備が容易であるなど、国会等移転調査会報告の選定基準等に基づいた説明がありました。
 次に、愛知県議会の大見議長及び倉知首都機能移転・地方分権調査特別委員会委員長からは、首都機能移転は東京一極集中によるさまざまな弊害を是正し、均衡ある国土づくりを推進するための極めて有効な手段である。社会経済全体に広まる閉塞状況を打破する、新しい日本の進路を開く上でも重要な役割を果たす国家的プロジェクトであり、その早期実現に期待するものである。国におかれては、首都機能移転と地方分権の推進を車の両輪のごとく進めていただきたいと考える。
 そうした認識のもとで、昨年七月には県議会において首都機能移転についての意見書を採択するとともに、政府及び国会に要望いたしており、また、さきの財政構造改革に伴う首都機能移転着工延期方針については、今後その取り組みが停滞することに県議会としても懸念をいたしている。他県との取り組みに関しては、首都機能移転担当特別委員会の正副委員長で構成する首都機能移転東海四県議会連絡協議会のもと、東海地域への首都機能移転の実現に向けた協力体制をとっている。また、二〇〇五年開催の国際博覧会で培うこととなる自然環境との共生を目指した最先端都市づくりのノウハウを首都機能移転にも十分生かしてまいりたいなどの説明がありました。
 次に、新首都「中部」推進協議会の安部、谷口両代表理事からは、移転に伴う国会都市と東京との関係は、東西に偏ることなく、日本列島の中央部に位置するのが望ましい。そのような観点から、交通インフラが高度に整備され、全国とのアクセスにすぐれた、国内各地からの移動コストを最小限に抑えることのできる当地域への移転は、経済効率的に見て望ましいとの説明がありました。
 次に、早川豊橋市長及び加藤豊田市長からは、豊橋を中心とする東三河南部地域は、六つの市町から成る相互に広域的な地域づくりに取り組んでいる地域であり、移転調査会の候補地選定基準についてもお互いの理解が進んでいる地域である。また、周辺の静岡、長野との結びつきも強く、全国総合開発計画における地域連携軸の全国的モデル地区となるよう、地域発展に向けて積極的に取り組んでいるところでもある。また、豊田市を中心とする西三河北部地域は、全体が丘陵地帯であり、地形の変化をうまく活用した土地利用が可能な地域である。花嵐岩から成る地盤は災害に強く、また気候の面からは、温暖で積雪が少なく住みやすい地域であるなどの説明がありました。
 その後行われた関係者の方々と派遣委員との間では、同一県内から二つの候補地を擁することの理由、国会都市の具体的なイメージ、首都機能移転に伴い今後必要となる社会資本、将来的な人口の増減に伴う対策、用地取得のための方策、県議会及び県民の首都機能移転に関する認識などについて意見交換が行われました。
 次に、三重県における実情調査の概要について御報告申し上げます。
 三重県においては、平成八年九月以降、鈴鹿山ろく地域を移転先候補地とし、国会等移転調査会最終報告に掲げる九つの選定基準と候補地の適合性について調査結果を報告するとともに、県議会においては同年十月に首都機能移転に関する決議を行うなど、特に近年において首都機能移転問題に関し活発な取り組みをしております。
 移転先候補地の鈴鹿山ろく地域は、伊勢湾岸に面する鈴鹿市、津市など、関係する九つの市町から成る地域であり、今回の調査では、河芸日本城山青少年公園、鈴鹿国際大学など、高台となる地点から候補地の状況を実際に視察いたしました。県側の説明では、全体として緑豊かでなだらかな山地、丘陵が連なっており、交通アクセスの面でも、今後予定される道路等の建設も含め、利便性に富む地域であるとの説明がありました。
 次に、概況説明会における三重県知事ほか関係者の方々の説明及び派遣委員との意見交換について、その概要を御報告いたします。
 まず、北川三重県知事から、新都の基本イメージは海と森の新都であり、世界に開かれた分権型の環境共生都市、海と森の自然に囲まれた新しい都市の構築を目指すこととしており、また新都の基本コンセプトとしては、首都機能移転を行政改革と地方分権を初めとした一連の構造改革を推し進める契機としてとらえ、均衡ある発展を目指し、技術と文化を生かした新都の創造、世界の人々が共感できる環境共生都市の形成、開かれたネットワーク型都市の形成などを挙げております。
 鈴鹿山ろく地域における利用可能な土地面積は一万四千四百ヘクタールほど存在するものの、行政改革、地方分権の推進により、新たに居住する人口を約三十万人程度に抑えることができるとともに、実際の利用面積は四千八百ヘクタール程度になるものと見込んでいる。首都機能を一つの地域に集中させるのではなく、十のクラスター状の新都市群に政治・行政施設を分散するとともに、相互を高速交通網、情報通信網によって緊密な連絡をとることとする。また、新都建設費用については、行政改革の断行による首都機能のスリム化、既存の都市機能の活用、用地費の安さなどにより総計約五兆円になるとの試算をしている。国会等移転調査会の選定基準からすれば、土地取得の容易性については利用規制がなく、開発に適した地域であり、防災上の観点からは、当地域を震源とするマグニチュード七以上の記録はなく、また伊勢平野の平たん、なだらかな里山の連なる風光明媚な地域で、渇水も過去にほとんど経験していないなど九項目すべての基準を十分に満足する地域であるとの説明がありました。
 また、国におかれては、公正で透明なルールのもとで調査審議が進められ、国民が納得できる客観的な方法により移転先候補地を選定する答申がなされるよう期待するとの要望もありました。
 次に、三重県議会の末松議長及び萩野首都機能移転・地方分権推進調査特別委員会委員長からは、東京の一極集中の是正や大規模災害に対する我が国の対応力の強化を図る上でも首都を東京以外へ移転させることが重要であり、こうした状況にかんがみ、平成八年九月には、すぐれた条件を備える三重県に首都機能を移転されるよう、「首都機能移転に関する決議」を採択した。また、本年六月には、地方分権問題と一体に議論するための特別委員会を設置するとともに、既に東海四県の関係委員長から成る首都機能移転東海四県議会連絡協議会を設立し、共同の取り組みを行っているところである。近隣県議会との連携を図りながら、中部圏、近畿圏の結節点という好適地三重県に新首都の実現がかなうよう活動を続けたい。現状を把握した冷静な議論を行い、納得のいく結論に収れんさせるのが我々の責務であるなどの説明がありました。
 次に、鈴鹿山麓地域首都機能移転推進協議会会長でもある加藤鈴鹿市長及び三重県経済団体首都機能移転推進協議会会長でもある堀木三重県商工会議所連合会会長からは、特にアクセス面での優位性を強調し、三重県には国の特定重要港湾の四日市港があり、食料のみならず文化や情報が入る、防災上の点からもすぐれた機能を発揮する港の存在は、世界主要都市の大部分が海に面していることからも明らかである。また陸上においても、日本の東西南北の交流軸が交差する地域である。これら数々の利点を盛り込んだ海と森の新都構想こそ急速に発展する国際化に対応できる首都機能移転構想であるなどの説明がありました。
 その後行われた関係者の方々と派遣委員との間では、首都機能移転問題に関する県民の関心度及び国民へのPR策、土地取得の容易性となる根拠、用地取得に伴う土地規制のあり方、調査会報告書の六十万人都市とは異なる人口三十万人構想の具体策、新都市における廃棄物処理の具体策、近隣中部四県との連携策、クラスター等新都の具体的イメージなどについて意見交換が行われました。
 以上が調査の概略でございますが、ここで愛知、三重の両県知事を初め調査に御協力いただいた関係者の方々に厚く御礼を申し上げて、報告を終わります。

発言情報

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発言者: 平田健二

speaker_id: 3710

日付: 1997-11-20

院: 参議院

会議名: 国会等の移転に関する特別委員会