自見庄三郎の発言 (逓信委員会)
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○国務大臣(自見庄三郎君) 川橋委員長を初め逓信委員会の皆様には、平素から郵政行政の適切な運営につきまして格段の御指導をいただき、厚く御礼申し上げます。
私は、就任以来約三カ月を経過した今日、郵政行政が国民の日常生活に極めて密着したものであることを改めて認識し、かつ責任の重大さを痛感しているところであります。この機会に所管業務の当面する諸課題等につきまして申し述べさせていただき、先生方の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
まず、郵政事業関係について申し上げます。
郵便局は、地域における最も身近な国の窓口機関として長く親しまれてきており、郵便、貯金、簡易保険等、国民生活に不可欠なサービスを提供し、国民の皆様からも高い評価をいただいているところであります。
今後、高度情報通信社会、少子・高齢社会の本格的到来に加え、地方分権時代を迎えようとしている中で、郵便局を情報・安心・交流の拠点として、国民の信頼にこたえ、地方・地域の発展に一層貢献できるようにするため、本年六月にいただいた郵政審議会答申「郵便局ビジョン二〇一〇」への取り組みを強化し、国民共有の生活インフラである全国二万四千六百の郵便局ネットワークを最大限に活用することにより、国民・利用者の視点に立った施策を展開してまいる所存であります。
個々の事業につきましては、まず郵便事業は、本年度における郵便物数はおおむね順調に推移しておりますが、国民・利用者のニーズに適切にこたえるため、経営の一層の効率化、合理化及び郵便利用の拡大が重要であると考えております。このため、本年十二月一日に定形外郵便物の料金引き下げ等を実施したほか、明年二月二日からの新郵便番号制導入を初めとする事業の効率化、合理化等、郵便サービスの向上に資する施策の展開に努めてまいります。
為替貯金事業につきましては、金融システム改革の進展により、今後、一層の金融自由化が進められる中、金融市場との調和を図りつつ、国営事業としての郵便貯金の役割を適切に果たしていくことが必要であると考えております。このため、郵便貯金オンラインシステムの民間金融機関への開放等に取り組み、国民の共有財産である郵便貯金ネットワークを積極的に開放、活用することにより、国民・利用者の利便性の向上に努めてまいります。
また、郵便貯金資金の運用につきましては、引き続き預金者利益の確保、事業の健全経営を図るべく、安全、確実かつ有利な運用を行ってまいる所存であります。
また、我が国は少子・高齢化が急速に進展しており、国民一人一人が安心して暮らせる社会を構築することは重要な政策課題となっております。
そこで、簡易保険事業といたしましても、国民の自助努力を支援するため、確実な事業経営に努めるとともに、商品、サービスの充実や資金運用制度の改善等に取り組み、国民の信頼にこたえてまいりたいと考えております。
以上、郵政三事業について申し上げましたが、郵政三事業は多くの職員により支えられて初めて成り立つものであり、意欲に満ちた創造性ある職員なくしてはその発展は期待し得ないものであります。そこで、国民・利用者のニーズに対応したより質の高いサービスが提供できるよう、積極的な人材開発と活力のある職場づくりに特に力を入れるとともに、相互信頼に基づくより高次の労使関係の構築に向かって努力してまいります。
次に、情報通信行政関係について申し上げます。
情報通信は、社会経済全般の基盤として二十一世紀の根幹となるべき最重要分野であり、また、政府が進めている六大改革等社会経済システム改革を推進するための原動力となるものであります。私自身、情報通信行政の役割は、このような情報通信の高度化の実現と普及を進め、国民が情報通信をあまねく公平に利用できるようにすることにあると認識をいたしております。
具体的には、本年六月にいただいた電気通信審議会答申「情報通信二十一世紀ビジョン」に基づき、光ファイバー網等次世代ネットワークの整備促進、規制緩和の推進等による情報通信市場の環境整備、全放送メディアのデジタル化の推進、公共分野の情報化を初めとするアプリケーションの開発普及、研究開発の推進、情報通信のグローバル化の促進、情報格差の是正や消費者保護等の利用環境の整備等、情報通信行政を積極的に展開してまいる所存であります。
電気通信関係については、現在、第二次情報通信改革への取り組みを強化しているところでございますが、この推進は、電気通信市場のダイナミズムを創出するとともに、ニュービジネスの振興や利用者の一層の利便性の向上に資するものであります。そのためには、規制緩和や公正有効競争条件の整備等を推進することが肝要であります。今後とも、これらの諸施策を展開することにより、競争導入のメリットが利用者に還元され、また、事業者の健全な事業展開ができるよう努めてまいる所存であります。
放送行政については、デジタル技術の発展の成果を広く国民・視聴者にも還元できるように、二〇〇〇年以前に地上デジタル放送を開始するための検討等、国民・視聴者の利益を最優先にした行政を展開してまいりたいと考えております。
また、さきの国会で放送法を改正していただき、字幕・解説放送を通じ視聴覚障害者のアクセス機会の拡大等が行われました。これを受けて、去る十一月十七日、二〇〇七年までに地上波による総合放送について字幕付与可能な放送番組のすべてに字幕がつくこと等を目標とする指針を発表したところでありますが、今後ともこうした視聴者政策の充実強化を図ってまいる所存であります。
また、国際関係については、WTO基本電気通信合意の発効を目前に控え、情報通信分野の国際連携を強化するとともに、我が国通信事業者等の海外展開を促進してまいる所存であります。
以上のように、情報通信行政の課題は多岐にわたっておりますが、今後、これらの諸施策を総合的に展開することによって、高度情報通信社会の構築を加速してまいりたいと考えております。
なお、十一月十八日の経済対策閣僚会議で決定した「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」には、KDD法の廃止、電気通信料金へのインセンティブ方式導入の前倒し等の情報通信分野の規制緩和施策、光ファイバー網の早期整備、インターネットのアクセス拠点の全国整備等を盛り込んでおります。今後、活力に満ちた日本経済を実現するため、これらの施策を着実にかつ力強く実施してまいりたいと考えております。
さて、今日の我が国の直面する最重要課題は、行政改革、財政構造改革等の六つの改革を進めることであります。行政改革については、昨日、行政改革会議の最終報告が取りまとめられたところであります。
最終報告では、郵政行政につきましては、(一)現行の郵政省の通信政策局、電気通信局及び放送行政局は、二局に再編し、総務省の内部部局とする、(二)総務省に、郵政三事業に係る企画立案及び管理を所掌する内部部局として郵政企画管理局を置き、同事業の実施事務を所掌する外局として郵政事業庁を置く、(三)郵政事業庁は五年後に新たな公社に移行する、等の内容となっております。
郵政行政は、郵政事業、情報通信とも、国民生活、地域社会、経済、文化、行政等あらゆる分野を支える基盤となる極めて重要な分野であります。
今回の最終報告では、国営・三事業一体により全国あまねく公平に国民生活に不可欠なサービスを提供するという郵政事業の基本は変わっておりませんし、情報通信関係についても、関係三局が一体として総務省に移行する案となっておりますので、総合的、戦略的、機動的な行政展開が引き続き可能であると考えております。
したがって、今後、省庁再編に向けた具体的検討が始まることになりますが、私といたしましては、この最終報告に記載されている総務省において、これまで述べてまいりました郵政行政に係る諸課題に適切に取り組んでまいることができるものと考えております。
以上、郵政行政が抱える諸課題及び行政改革会議長終報告に対する所感を申し述べました。私といたしましては、今後とも、さまざまな課題に対し積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、川橋委員長及び理事を初め逓信委員会の皆様におかれましては、何とぞ温かい御指導と御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げます。