原田昇左右の発言 (決算行政監視委員会)

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○原田委員長 これより会議を開きます。
 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件について調査を進めます。
 この際、今国会における審議の取りまとめについて委員長から申し上げます。
 本委員会は、本院における行政監視機能の充実及び強化を図るため、従来の決算委員会が発展的に改組され、所管事項に係る行政監視及びこれに基づく勧告に関する事項等が付与されましたことは御承知のとおりであります。
 本委員会では、今国会から、国民の行政に関する苦情を受け付け、これを審議に資することとしておりまして、この苦情受付窓口、いわゆる平成の目安箱には、これまで千数百件という国民からの貴重な多くの意見、提言が寄せられており、当委員会に対する国民の大きな期待を感ずるとともに、本委員会の行政監視機能を果たすという大きな使命を自覚せざるを得ないのであります。
 そこで、本委員会では、理事会の協議を踏まえ、これまで、国民からの厳しい声が多数寄せられております公務員倫理の問題、天下りの問題、年金問題、教育問題等について調査を進めてまいりました。
 この際、委員長から締めくくりとしてこれまでの主な質疑内容を取りまとめ、申し述べたいと存じます。
 一 公務員の倫理については、各省庁において倫理規程の制定等、これまで幾多の綱紀粛正策が講じられたにもかかわらず、公務員の不祥事は一向に後を絶たず、今日においても十分な効果は見られない。したがって、政府はこの事態を厳粛に受けとめ、公務員倫理の確立を早急に実現すべきである。
 二 人事院においては、関係省庁の協力を得ながら、公務員の処遇改善を初めとして、キャリア制度の弊害打破、官民交流の促進、新再任用制度の導入など各般にわたる改革を行うとしているが、その際には、公務員の資質向上、活性化のためには、能力主義、競争主義を徹底し、Ⅱ種、Ⅲ種等採用職員の登用の推進、加点を重視した適正な昇進など、昇任制度の大胆な改革を行うべきである。
 三 天下り問題については、現行の就職制限制度のより一層の厳正な運用に努めるとともに、早期退職慣行の是正、公務員の定年制の大幅な見直し、主管省庁からの特殊法人等への役員就任の見直しなど、公務員制度を含めた抜本的な対策を講ずる必要がある。
 四 特殊法人の役職員の高額な給与、退職金については、公務員と民間企業役職員の給与等の実態を踏まえ、その支給水準を見直すなど、その適正化に努めるべきである。
 五 大蔵省及び日本銀行においては、最近の不祥事を踏まえ、国民の信頼を回復するため、一層の情報公開に努める必要がある。また、日本銀行においては、今後速やかに給与等の支給基準を社会一般の情勢に適合したものとなるよう決定し、公表すべきである。
 六 国民年金は、保険料の未納者が被保険者全体の一割を超え、これに未加入者と免除者を加えると全体の三割強が保険料を納付しておらず、このまま推移すれば制度崩壊も懸念される事態となる。このため、戸別訪問による納付督励の着実な実施や罰則の適用など現行の未納者、未加入者対策の充実を図るとともに、保険料納付の利便性を高めるなど新たな仕組みの構築や制度的対応について検討を早急に進めるべきである。また、こうした対策に加えて国民年金制度に対する国民の不信感を払拭し、制度に対する正しい理解を深めるための広報、情報提供活動を一層充実させることも必要である。
 七 昨今の子供たちによる凶悪犯罪や薬物乱用問題、さらにはいわゆる荒れた学校などの学校教育の現状を真剣に受けとめ、今後、幼児期からの教育を重視し、スクールカウンセラー及び心の教室相談員の人材確保、カウンセラーと教員との連携の円滑化等カウンセリング機能の充実を図るとともに、家庭、地域社会、学校が一体となって、青少年の健全な精神の育成に取り組むよう関係省庁の連携強化に努めるべきである。
 八 公立小中学校における校長の学校運営及び人事管理については、その権限が十分に行使できるよう文部省は教育委員会に対して、調査の実施を含め適切な指導に努めるべきである。
 九 行政監察は、政府の内部統制、自己改善機能としてこれまでも重要な役割を果たしてきているところであるが、その実施に当たっては、あらかじめ設定されたテーマのみに縛られることなく、社会情勢等の時宜に適合した適切かつ弾力的な調査、勧告を行うべきである。
 十 防衛庁による装備品等の調達に際して、競争契約の拡大に努めるとともに、契約相手方が契約の履行のために支出し、または負担した費用が原価として妥当であるか否かを審査し、契約金額を確定するために行っている原価監査の手法については、部外の有識者の助言を得るなど、一層の充実強化を図るべきである。
 十一 より多くの国際活動に必要な行政官の育成を図るために、人事院で実施している政府職員の海外派遣制度の充実を図るべきである。
 他方、我が国は、国際開発金融機関の活動の支援のため世界銀行等に設立されている日本特別基金を通じて資金の拠出を行っている。その中で主に開発途上国の人材育成が目的とされている奨学金制度を、多数の大蔵省の職員のみが利用している実態の是正を図るべきである。
 また、日本特別基金の使途に関する情報の開示を図るべきである。
 十二 会計検査院においては、国の予算の効率的執行に資するため、有効性の検査を一層活用することなどにより時代の要請に応じた検査の拡充を図り、また、政府開発援助(ODA)に関する検査については工夫を加えるなどにより充実した検査に努めるとともに、機能の充実強化を図るべきである。
 なお、今日の荒れている教育現場の現状は、まことに憂慮にたえません。このため、委員会審議に資するため、去る三日、非公式ではありましたが、小中高校の校長、教諭、養護教諭及びスクールカウンセラーの方々との意見交換会を開催いたしました。教育現場関係者から健全育成に当たっての課題、質的に変化し深刻化する対教師暴力や学級崩壊、現在の生徒に見られる規範意識の欠如などの問題、養護教諭としての視点からの意見、スクールカウンセラーとして感じていること、高校中退者、不登校経験者を受け入れた教育実践を踏まえての意見、地域社会との連携による教育の取り組みなどについて報告、説明が行われた後、意見交換を行いました。その中で、教育現場関係者から、小規模校の教員配置に対する配慮、スクールカウンセラーを常駐する場合における質の確保、自発性、自主性に富んだカリキュラムの必要性などの要望、意見が出されました。
 私は、この意見交換会を通して、学校と地域社会の連携、融合の重要性並びに教育委員会の現状の見直し及び指導力不足の教員に対する適切な処置等の必要性について指摘しなければならないものと考えます。
 本委員会といたしましては、行政監視機能の充実及び強化という設置の趣旨、国民の期待とその果たす役割の重要性にかんがみ、今後、行政に改善の必要があれば勧告等の措置を行うなど本委員会の責務を果たしていく所存でありますので、委員各位並びに関係者の御協力をお願いいたします。(拍手)
     ――――◇―――――

発言情報

speech_id: 114204127X01219980617_001

発言者: 原田昇左右

speaker_id: 28846

日付: 1998-06-17

院: 衆議院

会議名: 決算行政監視委員会