大道學の発言 (厚生委員会)

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○大道参考人 大阪府病院協会会長の大道でございます。
 本日は、診療報酬の不正請求の防止に関する事項ということで申し上げたいと思います。
 昭和三十六年の国民皆保険制度達成以来、我が国の医療保険制度は国民の健康確保に大きく寄与いたしまして、着実な発展を遂げてまいりました。また、診療報酬に関する審査制度におきましても、診療側、支払い側、公益の三者構成によります審査委員会の適切な運営によりまして、公平性を保っております。
 一方、医療費の現状を見ますと、平成九年度に入りまして、対前年度伸び率は急激に落ち込みまして、特に、昨年九月の健康保険法等の改正による薬剤の二重負担を初めとする患者負担の増加によりまして、九月以降はマイナスに転じております。私ども大阪府病院協会の調査によりましても、病院の七割が、患者も減り、収入も減っておりますが、特に診療所、中小病院は一〇〇%、患者も減り、収入も大きく減少しておるわけであります。
 さらに、今月四月からの診療報酬改定は、御承知のようにマイナス改定でございます。
 このように、医療費の改定は、特に診療所、民間中小病院に極めて深刻な影響を与えておりまして、医業経営は逼迫した状況にあるということを御説明申し上げておきます。
 さて、今般の診療報酬の不正請求防止に関する措置として、罰則の強化、すなわち、保険医療機関の指定取り消し及び保険医の登録取り消しから再指定に係る期間を現行の最長二年から五年に改める件、また不正請求に係る返還金に対する加算金の割合を現行の一〇%から四〇%に改める件につきましては、極めて大きな罰則強化ではありますが、我々医療担当者といたしましては、不正行為は決して容認されるべきものではないという基本意識のもとに、この措置を受け入れることにはやぶさかではございません。
 しかし、これらの罰則強化が直接不正防止につながるものであるか。その前に、あわせて、現行の保険指導、医療監視等の見直しを図り、不正を未然に防ぐ措置を講ずることが肝要であるかと思っております。
 また、昨年は、医療費の不正請求の総額は年間九兆円にも上るという、全く根拠のない数字が一部のマスコミによって報道されました。この中には、療養担当規則に基づく診療報酬点数表の解釈が行政側と医療側で必ずしも一致してないために発生するものも相当含まれていると考えておりますし、また、審査・支払機関からの返戻レセプトにつきましても、被保険者証の記号番号の誤りなど、事務処理上の問題によるものが七割を超える現状であると聞いております。その背景には、診療報酬点数表の複雑化、点数表の持つ不合理性、被保険者証が世帯単位で交付されていること等の不便性によるものも多いかと思っております。
 これらの問題は、決して医療機関による不正行為ではなくて、制度そのものが抱える問題点として改善をしていくべきであると思っております。
 このように、不正請求というものに対する定義を明らかにするとともに、罰則強化に当たりましては、その適正な運用を強く求めるものでございます。
 最後に、医療担当者として、次の二点についてお願いをさせていただきたいと思います。
 冒頭に述べましたとおり、我が国の皆保険制度は、国の財産である国民の健康を守ってまいりましたが、近年の医療費抑制策によって、社会資本ともいうべき民間医療機関の経営は極めて厳しい状況にあります。ここに、医療保険制度に係る適切な財源確保のための方策の検討を心よりお願い申し上げる次第でございます。
 あわせて、現行の医療保険制度においては、診療報酬支払いまでに約三カ月間という期間がかかるという、医療機関にとっては極めて不合理な状況にあります。速やかな審査・支払制度への改善に向けて、制度の見直しを御検討いただきたく、お願いを申し上げます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 114204237X00819980414_006

発言者: 大道學

speaker_id: 3189

日付: 1998-04-14

院: 衆議院

会議名: 厚生委員会