根本匠の発言 (厚生委員会)

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○根本委員 私は、厚生大臣の御意見は全くの正論であると思いますし、厚生大臣の御努力に感謝を申し上げたいと思います。
 次に、今回のテーマである健康保険法の改正に関連して質問をさせていただきたいと思います。
 今大臣のお話にもありましたように、私も、財政構造改革、これは将来の日本のありようを決める上で大変重要な課題ですから、これはしっかりと進めなければならないと思います。ただ、今回、一連の緊急避難的な経済不況の克服の中で先はどのようなお話になったわけでありますが、財政構造改革の柱を掲げながら、一方で我々、制度の効率化の努力、福祉、医療面での構造改革、これも当然のことながら努力をして進めていかなければならないと思います。この観点から、今回の老人保健拠出金の見直しの趣旨と財政構造改革との関連、この点につきまして改めてお伺いしたいと思います。
 今回の老健拠出金の見直しは、近年の高齢化に伴って、一つは市町村国保の加入者に占める退職者の割合が増大した、もう一つは、老人加入率が著しく高い市町村国保の保険者数が増加した、こういう現状の中で、抜本改革が行われるまでの間でも、老健制度の趣旨にのっとった公平の観点から見直しを行うものであります。
 財政構造改革との関連では、背景にはありますが、平成七年の法律の改正附則においても、平成十年度を目途に所要の見直し、これが規定されております。高齢化の進展等のこれまでの状況変化を踏まえて、老健拠出金の公平な負担を求める観点から、今回必要な見直しを行ったものと私は理解をしております。
 そもそも、老人保健拠出金の考え方はどうかといいますと、退職者は、退職してから自営業者等が加入する国保に加入する。要は、高齢の年代になりますとどうしても保険料の負担よりも給付の方が大きくなる、国保財政を圧迫する。ですから、負担公平の見地から各保険者に加入者数に応じて負担を求める、これが老人保健拠出金の基本的な考え方であります。
 また一方で、現在の退職者医療制度、この制度の考え方は、退職後、老人医療制度の対象になるまでの間の医療費を被用者保険全体で支える仕組みで、この制度は本来、老人保健拠出金の趣旨と整合性を図る必要がある、私はこう思っております。
 ただ、現在までは、退職者とその家族の医療費を見るだけで、退職者に係る老人保健拠出金、これは見ておりません。この見なかったのは、これを導入した時点で、一つは退職者の比率が少なかった、もう一点は、実は、退職者医療制度をつくる前年に老人保健制度ができましたから、急激な負担増を避けるという当時の政策判断があったのではないか、私はこう思います。
 ところが、十四年たった現在、退職者の比率は、昭和六十年が六・三九%でありましたが、平成八年度には一〇・九四%までに退職者の比率が増大をいたしました。市町村の老人拠出金額は、一兆三千七百五十五億円から一兆八千九百九十六億円と一・三倍になりました。このうち退職者の拠出金の額は、八百七十九億円から二千七十八億円と二・三六倍になっております。この間五千億円増加したわけですが、そのうちの千二百億円の増がこの退職者に係る拠出金に相当する部分、四分の一を占めております。こういう状況になっております。
 実は、退職者医療制度と老人保健制度の考え方を基本に置けば、私が申し上げましたようなそれぞれの制度の趣旨を踏まえれば、本来これは全額持つべきだという考え方も成り立つわけであります。ただ、一方で、市町村国保は独立した制度でありますから、その独立性に着目して従来どおり、こういう意見もあるわけでありますが、今回はこの両論を踏まえて二分の一に設定をしたわけですね。実は、これはいわば市町村国保に占める退職者の増大や、これに伴う退職者に係る拠出金の著しい増加を勘案したものでありますが、これはいわば量の増大が政策の質を変える、質が変わる、こういうたぐいのテーマではないのかな、こんな考えを持っております。
 実は、この健保法の改正、老人保健拠出金の考え方、負担の考え方、私はこれは財政構造改革のいかんにかかわらず、先ほども申し上げましたが、財政構造改革を進める中で、やはり並行して必要な制度の効率化、これは当然進めるのは我々政治の責任ですから、この問題は私は本来の制度論として考えるべき政策課題だと思います。
 財政構造改革との兼ね合いでは、財政に余裕がなくなったから、非常に厳しくなったから必要性あるいは緊急性が高まった、こういう背景。背景としてはありますが、この今回の健保法改正は、あくまで平成七年の法改正附則の考え方に従って、抜本改革が行われるまでの間においても、老健制度の趣旨にのっとった公平の観点から、本来の制度論として見直しを行ったものだと私は考えております。
 改めて、財政構造改革との関連と、今回の老人保健拠出金の見直しの考え方をお伺いしたいと思います。

発言情報

speech_id: 114204237X01019980424_004

発言者: 根本匠

speaker_id: 24166

日付: 1998-04-24

院: 衆議院

会議名: 厚生委員会