伊吹文明の発言 (本会議)

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○国務大臣(伊吹文明君) 桝屋議員にお答えを申し上げます。
 まず雇用情勢でございますが、先ほど総理からも、中高年齢者を中心として雇用情勢は厳しいと御答弁を申し上げました。雇用は短期的には景気の動向に左右されるものであり、雇用の安定を図る観点からも、総理が御答弁を申し上げましたように、景気回復のため、金融システムの信頼を回復し、金融デフレを払拭するとともに、マクロの有効需要管理などの対策を強力に推進していく必要があると思っております。
 その上で、労働省としては、これまでも、雇用調整助成金制度の活用により失業の防止を図るとともに、積極的に求人の発掘を行い、離職者の早期再就職を促進するなどの対策を講じてまいりました。これらに加えて、現在、政府で総合的な経済対策の一環として雇用対策の一層の充実について検討いたしているところであり、今後とも雇用の安定に努力をしてまいりたいと考えております。
 次に御指摘の、いわゆる非正規雇用労働者の労働条件についてでございます。
 確かに、現実には、経済社会の構造変化や労働者の就業意識の変化等を背景といたしまして、多様な雇用形態で働く労働者が増加いたしております。労働行政といたしましては、パート、派遣等の労働者が労働条件面で不当な取り扱いを受けることのないよう、労働基準監督機関による監督指導において今後とも一層の努力をしてまいりたいと考えております。
 第三に、時間外労働の上限に関する基準及び激変緩和措置についてのお尋ねであります。
 一般の労働者についての基準に関しては現行の適正化指針を参考とし、また、女子保護規定の解消に伴う激変緩和措置として設ける基準については、中央労働基準審議会の建議で通常の労働者よりも低い水準を設定することとされている趣旨を踏まえ、適切な水準にいたしたいと考えております。
 また、基準緩和措置の対象者については、建議にございますとおり、育児・介護休業法の深夜業の制限を請求できる労働者の範囲と同様とすることを基本に検討してまいる所存であります。
 五点目は、時間外・休日労働の賃金の割り増し率でございます。
 中央労働基準審議会の建議では、本年度行う実態調査の結果を見た上で、引き上げの検討を開始することとされております。また、深夜業の賃金の割り増し率についても、あわせて検討することが適当とされているところであります。私といたしましては、この検討を円滑に進め、その結果を待って適切に対処したいと考えております。
 裁量労働制について、三つお尋ねがありました。
 まず、裁量労働制における労使委員会は、改正法案においては、労働基準法上、賃金、労働時間など労働条件全般について調査審議するものとして位置づけられておりますが、さらに、裁量労働制の実施に当たっては、対象業務や対象労働者の範囲、健康管理のルールなどについて全員一致で決議することが義務づけられているところであります。
 さらに、裁量労働制の対象業務でございますが、改正案では、企業の中枢部分で働くホワイトカラーのうち、業務の遂行手段や時間配分をみずからの裁量で決定し業務上の具体的な指示を受けない者に限り、その対象となることを法律上明らかにし、さらに、対象業務の具体例を指針において示すことといたしております。
 また、個々の事業場では、労使委員会において、法律及び指針に則して労働者の具体的範囲を全会一致で決議で定めなければならないこととされているところであります。すなわち、対象業務が明確かつ適切なものとなるよう、十分な措置を講じているところであります。同時に、労使委員会において法律及び指針に照らして適当でない業務を対象業務とする旨の決議が仮になされたとしても、そのようなことは法律上許されておりませんので、労働基準監督署の厳正なチェックを受けることは当然のことであります。
 新しい裁量労働制の指針の骨格についてもお尋ねがございました。
 指針では、対象業務や対象労働者の範囲、働き過ぎ防止、健康確保のための措置の内容、苦情処理体制のあり方のほか、制度の適用に当たっての労働者本人の同意、業務の成果の評価基準など、労使が話し合って定めておくべき事項を示すことを予定いたしております。届け出られた決議が指針に反している場合には、これに沿ったものとなるよう改めて労使委員会で検討して決議することを求めたり、それが法違反になるような重大なものであれば厳しく是正を求めるなど、労働基準監督署において厳正な指導を行ってまいる所存でございます。
 変形労働時間制については、今回の改正法案では週四十時間労働制を基盤といたしましたが、これは、労使が真摯に取り組んでおります平成九年四月に全面的に適用された週四十時間労働制を基礎とすることが最も現実的であり、労働時間短縮にも効果的であると考えたからでございます。
 労働契約期間について三点、これもお尋ねがありました。
 まず、その上限の延長の対象となる高度の専門的知識、技術などを有する労働者の基準についてでありますが、高度の専門的能力を持つ労働者がその能力を十分に発揮することができる環境を整備するという制度本来の目的に合致するものとなるよう、中央労働基準審議会を初め関係方面の御意見を伺いながら定めたいと考えております。
 また、当該業務に新たにつく者に限るという要件は、事業の転換、拡大等に伴う場合をも含めまして、対象となり得る労働者を新たに雇い入れる場合に限るという趣旨でございます。
 最後に、三点目の、三年契約の労働者について契約を更新する場合の契約期間の上限は、現行と同様、一年となるものでございます。また、一年以内の有期労働契約の反復更新の問題につきましては、中央労働基準審議会の建議に沿いまして、専門家による研究会を設け、さらに調査検討を進めていくことといたしたいと考えております。(拍手)
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発言情報

speech_id: 114205254X03119980421_023

発言者: 伊吹文明

speaker_id: 3636

日付: 1998-04-21

院: 衆議院

会議名: 本会議