伊藤茂の発言 (本会議)

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○伊藤茂君 私は、社会民主党・市民連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました橋本内閣不信任決議案に対して討論を行います。我が党の態度は、不信任案に同意できない、したがって反対であります。(拍手)
 その理由は二つであります。
 その第一は、連立政治のルールと責任を回避しないということであります。
 社会民主党は、村山内閣以来のこの四年間、また、前回の総選挙以来の一年七カ月の閣外協力、社民党の主張を政府に、政策に反映させるべく、息つく暇もない懸命な努力をいたしてまいりました。新党さきがけの友人の皆さんとともに、この間に、自民党単独政治時代ではできないさまざまの大きな成果を上げたと確信をいたしております。
 私たちは、先日、閣外協力をきっぱりと解消いたしました。しかし、連立政治のルール、連立に参加した政治責任をきちんとすることは大事なことだと考えます。
 今回の橋本内閣不信任決議案の趣旨の中心は、経済政策への批判になっております。私どもも、昨年来、最も重要な政策課題が経済でございますから、勤労市民の立場から、また弱者の味方という信念において、社民党の意見を反映させるよう懸命に努力をしてまいりました。その真剣な議論を通じて、幾つもの意見を反映させたと考えております。
 もちろん、連立の政治ですから、政府がやってきたことが十分だとは思いませんし、不満はあります。また、直面する現実を厳しく認識をして、率直な反省の気持ちもあります。しかし、連立三党が協議してやってきた政治責任は回避しません。それは、連立政治の将来のためにも大切なルールだと信ずるからであります。
 また、この不信任案で主張をしている内容が、経済政策としてすべて正当だとは思いません。批判は激しくなさっておりますが、国民の皆さんと日本の将来に本当に責任ある政策をお持ちなのかどうかは、提案を伺ってもよくわかりません。不信任案は共同で出されましたが政策はばらばらという事実も重いことだと考えます。
 これが不信任案に同意できない理由の第一であります。
 第二の理由は、私たち社会民主党が閣外協力を解消した理由と関連します。
 私たち社民党は、政治倫理問題とガイドライン立法の問題を妥協できないことと考えて、自民党と橋本内閣への協力を解消する決断をいたしました。それは憲法や外交の基本方向、政治の基本にかかわることだからであります。
 政治倫理では、政治資金規正法附則九条、十条で明確に規定されている企業・団体献金をやめることを自民党は否定なさいました。また、あっせん利得罪の制定につきましては、私どもは当然のことだと信じますが、橋本総裁はこれをお断りになりました。さらに、ガイドライン立法につきましては、有事の備えの前に平和外交の戦略が優先する、憲法の枠内であり安保の変質はしない、近隣諸国に懸念を抱かせない、この三つを与党間で何遍も確認をしてまいりましたが、自民党はそれを断って与党協議を打ち切って、閣議決定、国会提出をいたしました。社民党は、平和主義の党として主張は曲げられませんから、連立を解消いたしました。
 しかし、今提案をされている不信任決議案の内容は、私たちの政治倫理、私たちの平和外交の決意と比べましてあいまいであり、不鮮明であります。これが同意できない第二の理由であります。
 不信任案に反対する二つの理由を簡潔に申し上げました。
 最後に一言だけ、私ども社会民主党の今の気持ちと決意を申し上げます。
 社民党は、みずからの政治信念を鮮烈に貫いてまいります。それが二十一世紀に向けた新しい政治への欠かせない任務だと思います。橋本内閣への閣外協力を解消した以上、このような自民党と手を組むことはもうありません。
 今、ヨーロッパでは社会民主主義が政治の新しい主流となっております。そういう政治を、そういうドラマを日本でも実現するために、大きな使命と高い志を持って力を尽くしてまいる決意であります。
 以上をもって、社会民主党・市民連合を代表しての討論といたします。(拍手)

発言情報

speech_id: 114205254X04619980612_016

発言者: 伊藤茂

speaker_id: 9141

日付: 1998-06-12

院: 衆議院

会議名: 本会議