寺前巖の発言 (本会議)
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○寺前巖君 私は、日本共産党を代表して、民主党、自由党、日本共産党三党提出の「橋本内閣を信任せず。」という決議案に賛成の討論を行います。(拍手)
国民主権の憲法になって昨年で五十年たちました。あらゆる分野で、国民が主人公の追求がなされているときに、自民党橋本内閣の政治はそれに逆行し、どこに国民が主人公という姿を見ることができるでしょうか。
深刻な不況、生活苦、史上最悪の完全失業率、中小企業の相次ぐ倒産。橋本内閣は、戦後最悪のこの事態を一層悪化させる役割を果たしているのであります。戦後半世紀にわたる自民党政治は、今や政治、経済、平和・外交とあらゆる分野で行き詰まり、かじ取り不能の状況に陥っているのであります。
また、政官財の癒着体質も極限に達しています。金融・証券不祥事が相次ぐ中での銀行、証券、ゼネコン、製薬会社などからの自民党への献金。官庁の中の官庁と言われる大蔵省、金融の中の金融と言われる日銀などの汚職腐敗事件。
あなたの内閣の存続自体が国民にとって不幸なことです。政治、経済などのあらゆる分野の行き詰まりを打開するために、こんな内閣を一日も存続させるわけにはいきません。(拍手)
私は、橋本内閣不信任案決議の賛成に当たって、特に二つの点を指摘したいと思います。
第一は、橋本内閣の悪政の数々についてであります。
橋本内閣は、この二年余りの間、一体何をやってきたのでしょうか。
景気が低迷している中で、さらに追い打ちをかける消費税の増税などで九兆円の国民負担増。日本経済と国民の暮らしをどん底に落としました。昨年の九月からの医療費値上げに始まる社会保障の連続切り下げを義務づけた財政構造改革法の制定。サービス残業をなくせば四百万人も雇用がふえるにもかかわらず、サービス残業を天下御免で横行させる労基法改悪の道。中小小売店、商店街が大型店の出店ラッシュで大打撃を受けているにもかかわらず、大型店を野放しにする大規模小売店舗法の廃止。米の輸入拡大、減反の強要、事実上の価格保障の打ち切りで、日本農業の破壊と食糧政策の放棄。橋本内閣が行ってきたのは、これら国民に対する数々の悪政のあらしであり、悪政の洪水であります。
しかも、あなたは、経済、財政の運営でも不況の問題でも、反省どころか経済失政の責任を何一つとろうとしないのであります。
財政危機だから歳出を削る、赤字国債の発行を二〇〇三年度までにゼロにする、すなわち、昨年十一月、財政構造改革法の制定を強行してきました。ところが、驚くべきことに、年頭には銀行の救済といって三十兆円も投入するという緊急対策を行いました。そして、半年後には財政構造改革法の改定。
また、これで景気がよくなると言ってきたのに、その本予算が成立するや、これでは不十分といって、新総合経済対策、新たに補正予算を提出しました。しかし、それは、過去六回実施してきた景気対策に見られるように、対策には一向に役立たず、破綻が証明済みのゼネコン奉仕の従来型公共事業を中心とするもので、これでは、国と地方の借金をふやし、むだと浪費を助長するだけであります。
国民の願いを無視し、朝令暮改、右往左往の政治運営に終始しているあなたの内閣の存在は、国民にとってこれほど不幸なことはありません。悪政の洪水をせきとめるには、洪水の発生源であるあなたをやめさせることだと言わねばなりません。
第二に指摘しなければならないのは、この悪政の洪水が自然発生的に起こったものでないことであります。こんな異常な政治がはびこってきた大もとには、歴代の自民党政治がとり続けてきた、大企業さえ栄えればあとは野となれ山となれの大企業最優先の政治、アメリカの言うことなら何でも従うアメリカ最優先の無責任な政治が横行していることにあります。
その一つが、財政面にもあらわれています。
アメリカの内需拡大圧力で大きく膨張した総額六百三十兆円のいわゆる公共投資基本計画。本当に必要とする事業を積み上げるのではなく、総額を先に決め、それを使い切るために、次から次へと不要不急の大型開発事業を進めてきました。それは、国、地方合わせて公共事業に五十兆円、社会保障には二十兆円という、世界に例のない逆立ちした税金の使い方を生み出しました。こうして、今日、国、地方を合わせて約五百三十兆円という莫大な借金をつくり出しているのであります。
橋本内閣は、ここにメスを入れるのでなく、何の反省もなく、アメリカの言いなりになって国債を増発し、ゼネコン中心の公共投資の歯どめない拡大、無責任な浪費政策をとり続け、その負担を国民に押しつけているのであります。
外交・安保の問題でもそうです。
日米安保条約のもと、無期限に米軍の駐留を許しています。しかも、その建前に反して、日本の国土は今、日本防衛の任務でない海外出撃部隊の米軍の基地と化しているのであります。
在日米軍のやりたい放題の超低空飛行、そして沖縄の海兵隊、横須賀、佐世保を拠点とした第七艦隊、三沢の空軍部隊、これら米軍の殴り込み部隊の世界各地への出撃に自衛隊から自治体、民間まで協力を義務づけるアメリカ有事参戦法の道、これで日本は主権国家と言えるのでしょうか。憲法の平和条項を守っていると言えるのでしょうか。
ゆえに、大多数の国民は、日本の政治はこれでよいのか、何のために政治はあるのかと、真っ正面から今の政治を見詰め、怒りに燃えているのであります。出口のない逆立ち政治を打開するために、一刻も早く橋本内閣を退陣させねばなりません。
政治は、アメリカのため、財界のため、政治家のためにあるのではありません。国民のためにあるのです。我が党は、政治も経済も平和・外交もかじ取り不能になっている自民党政治を終わらせ、政治は国民のものという日本の政治を実現するために奮闘することを表明し、私の賛成討論を終わります。(拍手)