大森政輔の発言 (予算委員会)
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○大森政府委員 ただいま委員が一部を御朗読なさいました一九六一年二月二十二日の当時の林法制局長官の答弁、これは同趣旨の答弁は相前後して何回にもわたって述べられているわけでございますが、そこで述べられております趣旨、考え方と、私どもが現在とっている考え方との間には、何らそごがないというふうに考えているわけでございます。
この当時の林法制局長官の述べられました趣旨と申しますのは、将来、いわゆる理想的国際社会が実現して、国連が国内社会における警察のような役割を果たすようになった場合における、我が国のそのような国連の警察活動への参加の問題についての答弁であるというふうに理解されるものでございまして、その場合には、国連憲章も現在のものとは大きく異なった姿となっているということが前提でありまして、現行の国連憲章上の国連軍への参加の可否についての答弁ではなかったはずでございます。
そして、ちなみに現在の国連憲章第四十二条、四十三条に規定されております国連軍につきましては、従前から私どもが申し上げておりますように、憲法九条の解釈、運用の積み重ねから推論いたしますと、我が国がこれに参加することには憲法上の疑義があるというふうに考えているわけでございます。
憲法問題でございますから、疑義がある限りは我が国としてこれをやってはいけないわけでございますが、ただ、断定的に結論を述べておらないゆえんのところは、要するにまだ国連軍というのは、このような憲章上の正規の国連軍の話でございますが、いまだ設けられたことがなく、そのための前提となる特別協定もいかなる内容になるか不明であります。
したがって、将来、その編成が現実の問題となり、兵力の提供に関する特別協定の具体的内容が確定したときに初めて確定的な意見が申し上げられるということ、これも従前から申し上げているところであります。これは、何も結論を逃げているわけじゃございませんで、具体的な特別協定がどうなるかが決まらなければ、確定的な憲法判断ができないということでございます。
それを若干申し上げますと、要するに、国連軍への参加というのは、我が国の主権行為が基点になることは間違いございません。ただ、その上で、その参加をした我が国の組織が国連軍の中でどう位置づけられ、それに対する指揮の形態がどうなるのか、あるいは撤収の要件あるいは手続がどう定められるのかということが、その参加した我が国の組織の行動がなお我が国の武力の行使に当たるかどうかという評価にやはり決定的な影響を及ぼす。したがいまして、特別協定が決まらなければ、そのあたりの確定的な評価ができない、こういうことでございます。