山田俊昭の発言 (行財政機構及び行政監察に関する調査会)
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○山田俊昭君 余りしゃべることもあれですが、本日は行政評価に対するフリートークということで、何でもありと理解してきょう出席したわけなんですが、先ほど亀谷委員から会長への質問で、この本調査会が発足してから今日に至るまでの経過、した仕事どきょうの調査会のテーマ、行政評価をどうまとめて提言するかというところに来ているようでありますが、これ余談ですが、当調査会の原委員は会長と私だけでございまして、いささか誇りにしているところであるわけであります。
行政評価ということで、きょうフリートークということで行政法なり行政学の勉強をいろいろしてみたんですけれども、行政学の本を読んでみても行政評価なんて、教科書の中には何も書かれていないんです。学者が今いろんな新聞とか雑誌とかで発表しているわけでありまして、結構それが学問的体系にやがて位置づけされていくという状況にあるんだなというところであって、学説もまだ定かではない。
この行政評価とは、行政が行われればそれに対する評価が当然昔からなされていて当たり前であって、これが政策立案の事前段階か途中段階か後でやるかということだけであるわけであって、言ってみれば、この行政評価とは、極めて易しいことを難しくしてやっているような気がしないこともないわけであるんですけれども、学者のいわゆる論文を幾つか読んでみたんですけれども、確かに、いろんな問題点が提起されているというところかと思います。
そこで、私はきょう、この行政評価をするスタッフの養成という観点から私なりの意見の陳述と提言をしたいと思います。評価スタッフの養成ということに絡みまして、身分保障とシンクタンク等の活用、国会との連携という形に絞りまして述べたいと思います。
私は、政策評価といいますか行政評価を行うには評価スタッフの役割が極めて重要であると考えるわけであります。しかし、日本ではこれまで行政評価について軽視されてきた嫌いがありまして、行政評価を行う体制が極めて不十分であると言えるのではないかと思うわけであります。そこで、行政を執行する行政府内部において人材養成の方策を具体的に検討する必要があるのではなかろうかと思うわけであります。
外部監査については、従来、適法性、合法性という観点から評価がされてきましたが、現在は効率性、有効性へと重点を移しているというふうに言われているところであります。この外部監査の担い手であるところの会計検査院、総務庁の行政監察局がありますけれども、その監査部門に関しまして、先回、ことしの三月に参考人として出席された山本先生の平成八年十一月十九日付の日経新聞に紹介されている論文によりますと、「行政監視に会計検査院活用」というテーマで述べていらっしゃるわけですが、行政監視能力を高めるために会計検査院職員が高度の専門的能力を有する組織集団を目指す必要性が主張されているのであります。
さらに、同じ日に出た参考人の金本さんの論文を見てみますと、アメリカのGAOの職員の人材育成については、内部の人間を大学院などに送って人材を育成しているようなことが指摘されているわけであります。我が国の既存の監督機関の充実の観点から、会計検査院及び総務庁の行政監察局のスタッフを充実強化しなければならない。これらの機関は、言うまでもなく監査の専門家でありますので、監査関係の人材の養成についてはそのプログラムを速やかに作成し、普及させる必要があると考えます。また、最終的に行政監視の責任を負う観点から、国会の調査スタッフについてももっと定員をふやしまして、国内外の留学の機会等を与えてその充実強化を図る必要があろうかと考えるものであります。
次に、評価をする人の身分保障についてでありますけれども、前に述べた金本参考人の論文を読んでみますと、GAOの委員長の任期が十五年だ、これがGAOを外部の圧力から守るのに有効な役割を果たしていることが指摘されております。さらに、山本参考人のさきに挙げた論文を見ましても、会計検査院職員の身分保障の必要性が述べられているところであります。
私は、行政監察、会計検査、評価の職務に従事する職員は特段の身分保障が必要であると思います。しかし、日本では、会計検査院の検査官は別としまして、総務庁で行政監察に携わる職員や会計検査院の一般職員にこのような特別な身分保障はないのであります。一般省庁と同様に総務庁なんかの人事システムは六十歳定年制の退職慣行がとられているために、再就職先のあっせんについて監察等の相手方省庁に依存している状況であると聞いております。これでは監察等に手心が加えられるという感を否めないのであります。
そこで、行政監察、会計検査、評価の職務に従事する職員については定年までの勤務を保障して、能力があったりやる気のある人は場合によっては再雇用制度を導入するなどの身分保障を厚くして、再就職をしなくても済むような形がとられるべきではなかろうかと思うわけです。
次に、シンクタンクの活用という点からの意見でありますが、欧米諸国を見てみますと、皆さん御存じだと思いますけれども、アメリカにはランド研究所、またブルッキングス研究所があります。イギリスには王立国際問題研究所がありまして、フランスにはアトランチック研究所があります。ドイツはIFO研究所とかハンブルク経済研究所というような有名な研究シンクタンクを持っているわけであります。
このように欧米では政策立案のためのシンクタンクがたくさんあるんですが、我が国においては政策立案のためのシンクタンクがないと言っていいのか、少しはあると言っていいのか、余り見受けられないところであります。したがって、我が国においても欧米諸国に見られるようなシンクタンクを育成して設立する必要があるのではないかと考えるものであります。
最後に、国会との連携についてでありますけれども、先ほど小山先生も御指摘になったように、現在審議中の中央省庁改革基本法案によると、中央省庁再編後の各府省には明確な位置づけを与えられた評価部門が確立されております。そこで、私は、国会の行政監視機能充実のために、この評価部門による評価結果を参議院行政監視委員会及び衆議院決算行政監視委員会に報告することを政府に対して義務づける制度を設置すべきであることを提案するものであります。
以上が私の行政評価に対する評価スタッフの養成という観点からの意見陳述であります。