猪熊重二の発言 (行財政機構及び行政監察に関する調査会)

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○猪熊重二君 今、会長がおっしゃったように、従前からもいろいろないわゆる評価はされているわけです、この前もちょっと申し上げたつもりなんだけれども。
 その場合、評価するといえば何が基準になるかといえば、法があれば法律が評価の基準になるし、予算措置による行政執行ならば予算が一つの基準になる。そういうふうな意味で、法律もしくは予算という物差しによる評価というのは、適法性、合法性というところにアクセントがあるだろうと思うんです。そういう評価は、金の面では会計検査院がやっているし、部分的な細かいところにもあるけれども、総務庁の行政監察局がやっている。
 それに対して、行政執行の効率性、効果性、有用性というふうなことになってくると、これは政策判断になってくるわけです。こんなところに橋をつくってみたけれども、人がたまにしか通らぬじゃないか、何でこんなところに橋をつくったんだということになってくると、そこに橋をつくるということ自体の当否の問題になってくる。そのような政策の評価をやるべきところは本来的にはないといえばないし、あるとすれば国会にあるはずなんですね。
 だから、その意味で、この表題にも「政策等の評価制度に関する件」ということが書いてありますけれども、いわゆる行政評価の問題と政策評価の問題はやや質が違うんだと。要するに、行政というのは、内閣が勝手にやるものじゃなくて、法律と予算に基づいて執行しているんです。そういう意味じゃ、法律と予算に適合しているかしていないかだけをやっておけば、行政としてはそのとおりやったよ、全然人が通らない橋も、予算のとおりつくったよということになるんだろうと思うんです。
 こんなところへ橋をつくってどうしようもないじゃないか、鉄道と道路とどっちがいいかと。道路をつくったけれども、道路よりも鉄道の方がよかったとかどうだったとかなんという政策評価の問題は直接的な行政執行からは出てこない。それをもとにして出てくるんだけれども、直接の行政に対する、行政執行の評価という側面では直接的な問題じゃないはずだろうと思うんです。
 そういうふうな意味からいって、行政評価に対する適法性、合法性というような評価の問題でいいのか。さらに政策的な評価まで踏み込んだものが求められるのか。
 まさに会長が先ほどおっしゃったように、今までお上がやって、お上の中に国会も入れて、国会が法律をつくってその法律を行政府がまじめにやっていれば、これは多分いいことに違いないということで全部おさまってきたけれども、それも余りいいことばかりじゃないんですね。むだなことをやったり、干拓事業をやって米をつくろうと思ったときには米が余っているとか。いろんなことがあるから、その政策自体をもう少しちゃんと国民に説明せいという時代なんだろうと思うんです。
 そうすると、そういう政策評価をするような機関というのがどこにあるんだろうか。先ほど申し上げたように、政策評価は国会が立法によって解決するべき問題だけれども、しかし、それだったら年じゅう今やっているわけですよ、ちゃんとやっているかやっていないかは別にして。
 そうすると、現在の行政評価を含めて政策評価をするのにどういう機関が適切なんだろうか。こういうことを考えると、この前も申し上げ、きょう同じことを申し上げて恐縮なんですが、経理的な側面とすれば会計検査院が今でもまあまあ作用している。
 それで、今度はいわゆる行政評価を含めての政策評価というときになると、行政監察局はやる立場にはないしやる能力もないし、要するに立場が違うだろうと私は思うんです。要するに、行政監察局というのは行政内部における自己監察ですからね。そうじゃなくて、国会と内閣の間というとおかしいけれども、何かそこら辺の独立した行政監察機関みたいなものがあるべきだと。
 会計検査院も会計検査院法に、本来、そういう会計検査のほかにも行政の政策効果的なことも提言しろということは書いてあるんです。しかし、会計検査院はそこまで全然手が回らないし、やる気もないんです。
 だから、もし、そろばん勘定のほかにもそういう政策評価まで会計検査院に全部やらせようというんなら、会計検査院を拡大強化してやればいいだろうし、会計検査院はそろばん勘定の方をやってもらおうというんだとしたら、会計検査院に対応する行政検査院でもいいし行政監察院でもいいし、こういう広い意味の行政機関ではあるけれども、しかし、行政府と別個、独立の機関をやっぱり設けるべきじゃないか。
 国会にこれを置くということは私は無理だろうと思うんです。この機関は常設の朝から晩まで仕事をしなきゃならぬ機関だから、国会の委員会的な問題じゃなくて、行政検査院というか、名前はどうであれそんなものをつくるか、あるいは会計検査院を拡大強化するか。
 もう一つ申し上げさせてもらうと、各行政庁が行政の評価をせいと。それはそれで手前たちでやってもらえばいいわけですよ。そこは政策評価までなんかほとんどできないだろうし、もし政策評価できるようだったら閣法を幾らでも出してくればいいんであって、そういう意味では、省庁再編によって各行政機関が行政評価せいと言った場合の行政評価というものにそんなに過大評価し得ないし、するべきでもないんじゃなかろうか。
 何かごちょごちょ申し上げました。申しわけありません。

発言情報

speech_id: 114214277X00319980511_018

発言者: 猪熊重二

speaker_id: 24845

日付: 1998-05-11

院: 参議院

会議名: 行財政機構及び行政監察に関する調査会