小泉純一郎の発言 (国民福祉委員会)

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○国務大臣(小泉純一郎君) 行財政改革に異議を唱える方はほとんどいないと言ってもいいくらいの状況だと思います。特に、昨年は財政再建の必要性、そして歳出を削減せよ、補助金なんか全部要らないのではないかというような議論がかなり大手を振るって与野党ともに議論された時期だと思います。総論賛成、各論反対という言葉はよくありますけれども、歳出を削減せよと言ったところ、実質的にいざ審議を始めてみますと、歳出削減したところに非常に批判とか非難が多いですね。歳出削減というのは増税と同じように痛みを伴うものであるというのがようやくわかってきたきょうこのごろではないでしょうか。
 その中で、社会保障関係予算も一切の聖域なしで削減していくという状況であります。ほかの省庁は前年度に比べて今年度はマイナス予算を組むんだという前提で十年度予算が組まれて、社会保障は前年度よりマイナスというのは無理だから三千億円増ぐらいは認めるということでありましたけれども、高齢者がふえる、制度改正なしには八千億円程度伸びるわけです。他の省庁に比べれば三千億円ふえているじゃないかと言われても五千億も削減しているんだということがなかなか理解してもらえない、そういう中で組んだわけであります。ところが、いざ実際五千億円近くを削減する、補助金なんかはもう全部廃止しろと言った人たちでさえ一〇%補助金をカットするだけでやめてくれという声が出てくるぐらい大変な状況だったわけです。
 そういう経緯を踏まえて、予算編成した責任者として私は今回、財政構造改革法を改正するんだったらば、去年の予算編成の前提が既に違ってきたわけですから、その際は今後制度改正をしろと言っても医療保険制度等は来年度には間に合わない、実際に十二年度実施を目指してやっているわけですから、これは制度改正なしにさらに十一年度、いわゆることしの暮れの予算でも削減するとなると、またことし以上に削減された分野の方面の方々はより反発をするんではないか。かえって制度改革しないで何でこんなに削るんだという批判が出て、制度改革全体に対する理解も得るのが難しくなってくるんじゃないか。むしろ、制度改革を本格的にするためにも、この際は、十一年度の予算編成に対してはもう少し厚生省自身に裁量権を持たせていただいて、その中で制度改革への軟着陸を目指した方がいい。
 しかも、前提といいますか、公共事業については、当初予算では前年度マイナスが、補正予算等で兆円単位でふえていくわけですね。これでは、公共事業はふやして福祉予算は削るというのが果たしてより多くの国民多数の支持を得るかというと、私は疑問に思いました。
 そこで、社会保障関係費だけは例外で上限枠を外してくれと強硬に主張したわけでありますが、当初は、そういうことを社会保障だけ例外にしたらば各省庁が承知しない、同じようなことを各省庁が言い出したら収拾がつかないということで、だめだという声が大勢のようだったんですけれども、最終的には私の主張に総理が理解を示してくれて、結果的に私の主張を受け入れてくれたという経緯でありまして、私はかえってその方が今後の社会保障制度のいろいろな制度改革を進める上においてよかったなと思っております。

発言情報

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発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 1998-05-21

院: 参議院

会議名: 国民福祉委員会