中谷元の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○中谷元君 自由民主党の中谷元でございます。自由民主党を代表して、質問をさせていただきます。
今回の訪米において小渕総理は、国連総会で演説し、地域紛争を抑止するためには、平和、開発、国連改革を同時並行で進める新たな国際秩序の枠組みが必要だと提唱いたしました。
中でも、総理が懸命のリーダーシップを発揮した対人地雷禁止条約は、締結国が四十カ国を超え、一年余りのごく短時間で、来年三月から発効することになりました。この条約は、NGOを中心とする国際連携が多くの国々を動かし、非人道的な兵器の使用禁止を実現した、人類史上特筆すべき条約であり、国連の新たな役割や軍備管理を示唆したものであります。外務大臣当時からこの条約に信念を持って強く行動し、政治決断された小渕総理の世界平和に対する人間的良心に敬意を表するものであります。
国連改革について、総理は、これからの国連のあるべき姿として、タジキスタンでPKO活動中に亡くなられた故秋野豊助教授の言葉を引用され、踊らされず踊る、国連は何よりも主体性を持っていかなる課題にも正面から取り組むべきだとの主張をされましたが、総理の国連に対する思いと今後の我が国の貢献のあり方、安保理事国入りへの意欲についてお伺いをいたします。
さて、日米首脳会談において、世界一位、二位の経済大国が、世界経済の安定のために密接に連携することを再確認したことは、最も重要なことだと思います。
アメリカ経済は、長期のドル高政策によって米国への資金流入が続き、証券市場の活況を支えておりますが、その弊害は、日米貿易不均衡や各国の対外債務をさらに重くしております。国内では、金融業重視で製造、輸出産業は軽視されたままで、ウォール街のことしか考えていないように思えますが、一方では、ドル安やドルバブルの崩壊による世界マネーの大逆流が心配されるところです。
今回、日米間でどのような経済政策や経済運営が話し合われたのか。IMF等、通貨危機の再発防止を目的とする国際金融システムの見直し作業に積極的にかかわることにも同意されましたが、この構想と今後の対応についてお伺いいたします。
また、クリントン大統領は、米国を含む多くの国における歴史的経験にかんがみ、日本の金融当局が、存続可能な銀行を、適切な条件のもと十分な額の公的支援によって支援する必要性を強調しましたが、これは大変重要なサジェスチョンだと思います。どこの国でも、金融危機に対しては、金融機関に公的な資本を注入し、失業や連鎖倒産、社会的混乱を未然に防止するのは当然のことであり、預金者保護の公的資金がよくて、どうして借り手を公的に保護することが悪いのでしょうか。
金融の安定を図りながら、クレジットクランチ、信用逼迫を防止するには、公的資本が極めて重要な役割を果たします。日米首脳会談を受けて、総理は、どのような手法で我が国の金融再生を図るのか、また、訪米中の発言の中には、新しい景気対策の検討も用意しているとありましたが、どのような対策をいつごろ実施するのか、お伺いをいたします。
次に、安全保障面についてお伺いをいたします。
先月三十一日の北朝鮮のテポドン弾道ミサイル射撃に対して、日本政府は北朝鮮の軽水炉建設への協力を一時凍結しました。しかるに米国では、米朝会談において、三十万トンの麦の食糧援助やKEDOの早期実施を合意し、今回の日米会談において合意された枠組みやKEDOへの支援を求めてきております。
我が国へのミサイル発射の抗議に対して、北朝鮮側から何の回答もないままに、KEDOに対する資金援助を行うことは、どう考えても納得ができません。あたかも、日本が北朝鮮に対し怒りや叫び声を上げているのに、同じ安全保障の同盟国であるアメリカはあくびをしているように思えます。
ミサイル発射について、米国首脳はどう認識をし、どう対処をしようとしているのか、我が国の外交姿勢をお伺いします。
今回の北朝鮮の行動は、ある意味では、我が国に対する武力による威嚇または外交的挑戦とも考えられます。日米安全保障条約とは、いかなるときに機能し発効するのか。また、今後我が国が攻撃を受けたときに、我が国はどう反撃するのか。いかなるときも米国が確実に日本を支援するという日米安保体制の信頼性は、揺るぎがないものとして認識して、すべて他人任せのままで安心できるのでしょうか。
日本全土がテポドンミサイルの射程圏内に入った現在において、私は、専守防衛という言葉自体が大きく変質するのは当然だし、直接国民の生命を脅かす危機に対しては、みずからが責任を持って努力しなければならないと考えますが、政府としての見解をお伺いいたします。
また、防衛庁にお伺いしますが、2プラス2において、BMD、弾道ミサイル防衛の共同技術研究を実施する方向で作業を進めていくとの表明がありましたが、それは事実でしょうか。
BMDを日米で共同研究すること自体は、日米の連携の強さを明示するものであり、意義のあることと考えますが、その前に、我が国としての防空システムをいかに整備するのか、偵察衛星、早期警戒衛星を含めた情報収集衛星をいかに保持するかなど、総合的に検討する必要があると考えますが、その検討は進んでいるのでしょうか。
最後に、今回の2プラス2や日米防衛首脳会議において、ガイドラインの実効性を確保するために必要なすべての措置をとるということが確認されましたが、政府は、今後、日米間でどのような連携を図っていくのか。また、今回の北朝鮮ミサイル発射などを教訓として、昭和五十年代に検討された有事法制検討を再開し、有事における対米支援、有事ACSAや、防空体制を含めた有事以前の段階での自衛隊の役割、法的根拠の検討なども真剣に行う必要があるのではないかと思いますが、政府の日本有事法制の整備に対する姿勢と見解をお伺いいたしまして、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕