鳩山由紀夫の発言 (本会議)
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○鳩山由紀夫君 私は、小渕総理の行われた国際連合第五十三回総会及び日米首脳会談出席等に関する報告について、民主党を代表して質問いたします。
今回行われた小渕総理就任以来初の日米首脳会談は、世界第一位と第二位の経済大国が、世界的な経済の混乱に歯どめをかけるための戦略に合意できるかどうかという意味で、世界じゅうの人々やマーケットから注目をされておりました。しかしながら、ある米国の新聞は、今回の首脳会談を評して、来年前半にまた会うことと、両首脳がお互いをファーストネームで呼ぶことを決めたにすぎず、経済問題は何一つ解決していないと皮肉たっぷりに報じております。我々も、三時間の首脳会談の割には内容が極めて乏しいことに対し、全く納得をしておらないということを、まずもって残念ながら申し上げなければなりません。
さて、十八日の党首会談において、総理は、長銀問題について、野党三会派の金融再生法案で言う特別公的管理等で対処することを確認なさいました。にもかかわらず、総理の訪米中に、この「等」をめぐって解釈の違いというか、銀行業界と不適切な関係にある自民党の一部の幹部による、恐らくは確信犯的な歪曲があったのは、大変残念なことであります。
単刀直入に言えば、長銀救済のための公的資金投入について、民主党としてはそれをしないということで合意をしたわけでありますが、一部の自民党幹部は長銀に対する公的資本注入を明言なさいました。総理も、ニューヨークでこの問題に触れられ、長銀に公的資金を投入し、破綻させないで住友信託と合併させる旨発言されたと伺っています。
こうした一連の発言は、さきの合意を踏みにじり、与野党間の信頼関係を損なうものであります。結局、森幹事長が二十二日に統一見解を出され、長銀は現行法のスキームではなく特別公的管理スキームで対処することを確認されてはいますが、総理のニューヨーク発言との食い違いは、完全には埋まっておりません。
長銀に対して金融機能安定化法に基づく公的資金の投入はすべきではありませんし、長銀に日本リース等の関連会社について債権放棄をさせるべきでもありません。またさらに、長銀は特別公的管理により整理すべきであるという民主党の考え方は、いささかも変わりありません。改めて、この間の経緯も含めて、総理の御見解を伺います。(拍手)
また、いわゆる財金分離の完全実施と金融行政の一元化についても党首会談で合意しましたが、これについても、金融危機管理・破綻処理部門は大蔵省に残すといった発言が与党幹部の間から聞かれました。この点については、先日の森幹事長の見解では触れられておりません。あわせて、総理の明確な御説明を求めます。
次に、日米首脳会談における金融システム安定化に関する議論についてお尋ねをいたします。
クリントン大統領は、存続可能な銀行を適切な条件のもとで十分な額の公的資金で支援する必要があると発言されたと報道されています。また、サマーズ財務副長官も、公的資金の投入は不可欠だとの認識を示しながらも、安直な銀行救済にならないように慎重に注入する必要があるとの条件をつけておられます。
こうした米国サイドの発言は、決して公的資金による銀行救済のための資本注入を認めているものではないと我々は考えます。総理はどのように理解をされておられるのか、そして米国とはどのような議論をなさったのか、説明を求めます。
続いて、北朝鮮のミサイル発射が、日本の安全保障及び北東アジアの平和と安定に極めて憂慮すべき行為との日米首脳間の認識については、我々としても同じく思いを共有するものであります。北朝鮮が発射した物体のいかんにかかわらず、北朝鮮のミサイルが日本の安全保障にとって重大な要素であることは言をまちません。
このミサイルに対する抑止、抑止といっても軍事的なものばかりではなく外交的なものも含まれるわけでありますが、この抑止を日本政府としてどのように考えておられるのか、総理のお考えを伺います。
関連をして、朝鮮半島エネルギー開発機構、いわゆるKEDOへの拠出問題に対する対応について、基本的な考え方を説明いただきたい。
ところで、去る二十日、日米安全保障協議委員会は、弾道ミサイル防衛、BMD構想に関して、調査段階から格上げをして、共同技術研究を実施する方向で作業を進めていく旨を合意しています。
BMDあるいはTMDでミサイルの脅威に対する防衛措置を考えることは、非常に重要なことだと思っておりますが、BMDにはまだ、予算上の問題だけでなく、技術的信頼性、外交、軍事関係への影響など、検討すべき課題が山積をしています。国会等での議論もなく、北朝鮮のミサイルまたは人工衛星発射直後の混乱の中で、2プラス2における事実上の合意を行ったことについては、いささか早計の感を免れません。
今回の2プラス2合意の背景及びBMD日米共同技術研究に対する政府の見解と、共同技術研究の正式合意に至るまでの今後の国内的手続を、この際、総理の口から明らかにしていただきたい。
また、こうした重大な安全保障上の問題に取り組むためには、防衛庁、自衛隊の組織がしっかりしていることと、それに対する国民の信頼が確立されていることが大前提であります。この際、今般の防衛庁部品調達にかかわる背任事件の責任を、防衛庁のトップである長官の更迭によって明らかにすべきではないかと考えます。この点について、総理の見解を求めます。(拍手)
次に、総理は首脳会談で、日米特別行動委員会、いわゆるSACO最終報告の内容が依然実現していないことを遺憾に思うと述べられたようであります。沖縄米軍基地の整理、縮小、移転問題については、橋本前総理のもとで地元沖縄県の理解を求めることに失敗をし、むしろ中央政府と沖縄県あるいは沖縄県民との間に溝をつくったまま今日に至っていることこそ、大変残念なことであります。
まず、総理、就任以来はや二カ月、あなたが総理として沖縄基地問題の解決のためにどのようなイニシアチブをとってこられたのか、お聞きをしたいと思います。
次に、沖縄県とのコミュニケーションを、今後、いつまでに、どのような形で改善しようと考えておられるのか、普天間の代替地として、名護沖のヘリポート以外の代替案の可能性について、県外移転や後方配備も含めて米国と交渉するのかどうか、ぜひ明確な言葉でお答えをいただきたい。
クリントン大統領と小渕総理は、日米関係ほど重要な二国間関係はないことを確認されておられます。我々も日米関係は日本外交の基軸であると認識をしており、それ自体は非常に結構なことでございます。しかしながら、日本を取り巻く安全保障環境や外交環境は激変しており、日米関係の観点からのみ日本外交を組み立てるのは、いささか無理になってきているのも事実であります。
例えば、さきの訪中でクリントン大統領は、中国に対して三つのノー政策を従来より明確に表明いたしましたが、米国の対中政策に少なくとも変化の兆しが見られるということは、日本の対外政策にもおのずから重大な影響を及ぼします。首脳会談では、この点についてクリントン大統領とどのような意見交換が行われたのでしょうか、総理にお尋ねをいたします。
また、日米防衛協力の指針に言う周辺事態についても、事実上米国との協議で決まる以上、米国の外交スタンスによっては、ある紛争や事態が周辺事態になったりならなかったりするわけであります。米中関係の進展が日米ガイドラインに与える影響について、総理の御認識を御説明いただきたいと思います。
先週、政府・与党は、小渕総理の訪米に合わせて慌ただしく、野党案を基礎とした金融再生法案の修正に合意をいたしました。我々としては、日本経済と世界経済の混乱を防止するために、一刻も早く、我々の考え方をベースに、よりよい金融危機管理策を策定したいと考えて、合意に至ったわけでございます。しかしながら、いわゆるお土産外交的発想によるのではなく、日本国民と世界経済のためにあるべき政策を、日ごろから堂々と議論することこそ、一国の総理に求められる役割でなければなりません。