井上美代の発言 (国際問題に関する調査会)

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○井上美代君 貴重な機会を得ましたことを大変喜んでおります。私は井上美代でございます。
 日本が国連加盟をしてから二カ月後に国連に入られたということをお聞きしておりますし、初の国連の職員として四十年以上もやってこられて、しかもカンボジアそして旧ユーゴの現場でやってこられたという本当に貴重な体験を持っておられる明石参考人に質問ができることを大変うれしく思っております。特に現場を体験された立場から、平和と国際協力の問題について御質問したいと思っております。
 私は調査室がつくってくださいました資料も読みましたけれども、毎日新聞の九月五日のインタビューを読ませていただいて、特に、「国連は実力以上のことをすべきでなく、旧ユーゴでも武力行使を伴わない従来型に徹底すべきと考えた。」と、体験を通じて恐らくこのようにいろいろ意見発表されているんだと思うんですけれども、「そうしなければ紛争当事者と対立し、国連の中立性は失われる。」と、このように言っておられます。紛争当事者に国連がなってしまって、空爆を加えた相手にとって国連は敵になってしまう、このように言っておられます。九二年四月に決まりましたボスニア・ヘルツェゴビナの活動も人道援助活動要員の支援が目的であったということを言っておられて、これは最大の問題なのですが、ある意味ではずるずると国連憲章六章型の平和的解決から七章型の武力行使の可能性へとエスカレートしていき、変貌したとも言えると、このように体験を通じて語られております。私は、ここに今後の国連のあり方が述べられている部分があるのではないかなというふうに思ってお聞きしたところです。
 私は、平和な二十一世紀を私たちは目指しているというふうに思っております。そういう中で、国際紛争解決には、やはり力の政策ではなくて、話し合いと合意を今日非常に困難であっても積み上げていかなければいけないのではないかと考えているわけです。
 それで、私ども日本共産党も、憲法の原則を踏まえて、国連での役割として非軍事的な役割があるというふうに考えてきております。そして、PKOが出ましたときにもそれに同意できなかったわけなんです。特に、日本の場合、停戦の合意だとか五つの原則がそこで踏まえられたわけなんです。紛争当事者が平和維持隊の参加に同意しているかどうかとか、いろいろ五つあったんですけれども、この五つを前提にして憲法違反ではないということでPKO法ができたわけなんですが、明石さんの体験からすれば、軍事的な拡大がかえって国連を攻撃の相手として敵対してくるというようなこともあるということが体験上言われているんです。
 ユーゴの紛争で指揮をとられた結論のところで、この毎日新聞で最後に「国連は何ができて、何ができないか、そして何をすべきか、それがはっきりした。」と言っておられて、それから「地域機構との協力」というのを強調されておりました。これも私は本当に大事なことだなと思いました。「軍事力よりはむしろ外交・経済制裁に向かう。そして人道援助、外交活動、復興援助などを総合的に行う戦略を作り、平和構築に向かう。そんな見方が「ポスト・ポスト冷戦」の国連のアプローチではないかと、私は思う。」と、このように結論で述べておられました。
 私が伺いたいのは、自衛隊のPKO活動がいわゆる五原則を守って活動していたのかどうか。その現場でのことを、本当に貴重な体験をしておられるだけに、ぜひここで聞かせていただけたらというふうに私は思っております。
 PKO法が成立して以降、物品役務の協定が成立して、PKOで米軍への自衛隊の協力なども盛り込まれて、五原則と言っているのですけれども、それで本当に自衛隊が出ていって、そして憲法違反になるようなことにならないかということを私は心配しています。現場というものをよく知りませんので、そういうことを心配しているんですけれども、実際に行き過ぎになるのではないかと思っているわけです。明石さんが見てこられたPKOの実態はどういうものであったかということをぜひ聞かせていただきたい。
 また最後に、平和憲法を持っている日本としては、自衛隊によるPKO活動ではなく非軍事的協力で貢献できる、そういう仕方がたくさんあるのではないかなと私自身は思っておりまして、その点もこの機会にぜひお伺いしたいなと思いました。
 よろしくお願いします。

発言情報

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発言者: 井上美代

speaker_id: 25482

日付: 1998-09-25

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会