松崎俊久の発言 (国民福祉委員会)

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○松崎俊久君 そういう通り一遍の予防方針の指導で私はそんなに簡単に効果を上げられるとは思っておりません。私は、これを言うからには、自分が行った自治体への一つの実験をここで御紹介して、ぜひ厚生省が一県一自治体でもいいからそういうモデルをつくって、それを他の自治体に見習わせ競争させる、そのぐらいの感覚で問題を見ていただきたいと思います。
 場所は福島県西会津町であります。人口一万。ここは厚生省の言う基準によりますと保健婦を二人置けばよろしいわけでありますが、ここの町長も非常に熱心で、私と心中するつもりで町を変えてみたいと。要するに、福島県九十自治体の中で寿命が八十八番目、脳卒中は一番多いというようなとんでもない町であったわけでありますが、これを五年間でとにかくがらっと変えてみようというような実験を開始したわけであります。
 それには、まずマンパワーを急速に整えます。ほかの事務職員を削ってもマンパワーを整えます。保健婦を人口一方に対して十名、それから管理栄養士三名、その周りに百名の家庭の主婦を組織し、栄養改善推進員をつくります。もっとも、それはきちんと選抜して各集落に配置できるようにします。そして各家庭にケーブルテレビの光ファイバーを導入いたしまして、双方向利用で心電図、血圧を毎日保健センターに送らせるというようなシステム。それから、三メートルの雪に冬は半年閉じ込められますので、屋内温水プール、屋内ゲートボール場、これらをつくってやりました。そして約束の五年後に、脳卒中はSMR、これは標準化死亡比と言いますが、全国を一〇〇とした場合、年齢やその他を考慮して、この町は一七八の脳卒中死亡率を持っておりましたが、五年で一二〇に落ちてまいりました。寿命は四十位上昇いたしました。そして食事の内容もがらっと変わってまいりました。
 それだけではございません。最も具体的なのは医療費であります。医療費は、福島県は上がり続けて、まあ全国そうでありましょうが、ここの町は三二%の老人人口でありますけれども、老人人口三二%にもかかわらず五年間で一万六千円の国民健康保険の減税に成功いたしました。これに驚かれたのか、昨年秋、小泉厚生大臣はこの町に表彰状を贈られました。
 とにかく、このように一つの目標を立てて、どの病気がこの町の健康状態を悪くしている、だったらこの病気を集中的に攻撃するというような、やはり戦略目標と戦術を明確にしてその自治体ごとに目標を与える、こういうやり方をしなければ医療費は上がりっ放し。厚生省がよく言われるのは、老人がふえれば医療費は上がる。そんなことはありません、老人がふえても医療費は下げられるんです。
 こういうことで、やはり各県に一つでもそういう自治体をつくられて、そしてその自治体をモデルにしながら各県、自治体同士に競争させる、そういうような感覚をぜひ厚生省は持っていただきたい。そうでなければ二十一世紀の医療費の高騰、破産という状況を避けることはできません。ぜひともこういう感覚を持っていただきたいと思います。
 それからもう一つ、脳卒中はそれでよろしいとして、骨粗鬆症でありますが、骨粗鬆症は御存じのように閉経後の女性に多発する病気でありますが、骨折、腰曲がり。これは最近各国の医学の研究が競って出してきた中に重大な発見があります。それは、骨粗鬆症の予防の最もいいのは、中年女性ではない、中年女性時既に遅し。女性で言うと大体十歳から二十五歳までで運命は決まる、この間にどれほどカルシウムをとらせたかによって決まるということが確定的になってきております。
 私も平成七年、八年、農水省から億の単位の研究費をいただきまして、日本全国ランダムサンプリングで、三つの大学を結集して四千五百五十人の十五歳から八十歳までの女性を九四%の受診率で精密な骨梁と血液の内容を採取し、これをオーガナイズいたしましたが、その結果わかったことは、やはり大腿骨が特に十歳のときに完成してくる、骨梁が最大量を獲得するのは十歳代である。そうなりますと、小学校、中学校、高等学校というところのカルシウム摂取が五十年後の骨粗鬆症で大量のお金を使うかもしれない者に対する予防になるわけであります。最も安い投資になるわけであります。
 そこで私はお尋ねしたいのですが、高等学校の女の子、これを私は全国各地で調べましたところ、最も必要とする牛乳を五〇%が飲んでおりません。安室奈美恵か何かを夢見てダイエットにうつつを抜かし、親も教師もそれに何のアドバイスもせず、ましてや厚生省も口を挟まず、そして野放しにしている結果、これらの子供は太りたくないと牛乳を一番先にやめます。この間違いを指導するのは直接的には文部省でありましょう。しかし、厚生省が小学校から老人に至るまでの人間の命に対する責任、健康に対する責任を持つ省である以上、やはりこれを見逃しにせず、文部省に勧告をすべきであります。
 私は、二百十四万かと思いますが、全国の高等学校の女子生徒に無料で国家補助により牛乳を飲ませるということ、これの必要経費を計算してみますと約二百億円。二百億の金で将来の日本女性の、平均寿命八十五歳を恐らく超えるであろう女性たちの大量の骨粗鬆症を予防できるなら安上がりです。それと同時に、学校の教科書の中にも明確に子供のときからカルシウムをきちんと摂取する、運動がいかに重要かということをやはり文部省にやらせるべく厚生省は協議を進めてほしいし、プレッシャーをかけてほしい、こういうふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

発言情報

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発言者: 松崎俊久

speaker_id: 6278

日付: 1998-09-17

院: 参議院

会議名: 国民福祉委員会