松崎俊久の発言 (国民福祉委員会)
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○松崎俊久君 療養型の病院、私はベッド数は少なくとも五十万を目標にしなければならないというふうに考えております。治療型の病院のベッド数がアメリカと同じならば十二万五千でよろしいのに百二十六万あるわけですから、せめて治療型をアメリカの倍の比重だと仮定しても二十五万、四倍と見積もっても五十万であります。そうしますと、大半をこれから療養型病院に切りかえるべきであろうというふうに私は思います。
なぜそれを考えなければならないのかといいますと、今、大臣は長野の問題、私は先ほど言い落としたのでありますが、長野はいわゆる在宅介護がかなり進んでおります。長野はそういう意味では厚生連の佐久病院を先頭とする予防体制も大変立派ですし、動物たんぱくを昆虫食や川魚に昔から頼りながらやってきた非常な賢明さと、いわゆる先見的な長野県の気風というものが長野県を非常に押し上げたんだと私は思いますけれども、もっと大事なことは、実は長野の住宅面積が百十五・六平米であるということなのです。要するに、広いから介護が家で可能なんです。またそれが当たり前という考え。高知は八十五・二であります。
ところが問題は、高知はまだいい、今度は団塊の世代を大量に抱えた首都圏、千葉県、埼玉県、神奈川県、もちろん東京もでありますが、これらが最も老人の比重の多い県になる可能性が十五年後から二十年後にかけてあり、明確に推定できます。
ところが、こういうところこそ五十平米とか六十平米しかないわけですから、とても家で老人を介護することは不可能なのです。だとすれば、大都市型は、少なくともナーシングホームヘ、あるいは療養型の病棟へということになりますし、いわゆる農村は介護保険の在宅を主力にするという、明確なすみ分けを考えていかなければならない段階に入るだろうと思うんです。
さて、大都会の場合、農地規制を緩めて郊外病院を建てようといっても何年もかかります。こういう規制が幅をきかせておりますし、現在のこの経済の不況の中で自分の家を売って老人ホームに入ろうと思っても老人は入れない、こういうような状況にあるわけですから、こういうような規制を取り払うために他の省庁と交渉して、大都会で老人ホームをつくったり老人病院をつくる場合には、大幅な補助と農地規制による農地の規制をいち早く緩めるというようなことを農水省にぜひ、あるいは国土庁にも働きかけていただきたい、それが非常に重要だと思います。
昭和二年に健康保険法はつくられました。私の家内の祖父が当時の政権の幹事長で、大学の学長をしておりましたので、これをつくることに携わったのでありますが、当時の記録を調べてみると明らかにこれは富国強兵、労働者にあめを持たせ、労働運動に対するあめの役割を果たす。戦後、GHQがこれを維持し、冷戦構造の中でいわゆる共産主義に対抗するためにヨーロッパなどと似たような形の、すなわち健康保険法を維持してきた。やっぱり健康保険にはそういう基本的な性格が私はあると思います。それが今破綻に瀕しつつあると。昭和十六年に戦争のためにつくられた食管法は今や破綻しました。そろそろ健康保険も抜本的に考えるべきときが来たのではないかというふうに思います。
貧しき者には徹底した保護を与えなければなりませんが、豊かな階層にまでそれを及ぼす必要はありません。だとすれば、これは民間保険を導入する自由化の問題を含めて幅広く検討する段階にもう入ったのではないかというふうに思います。
ぜひ厚生省は、一部の審議会などではなく幅広く民間保険を導入、一部導入するような自由化の問題をもあわせ考えつつ、貧しき者の健康保険、病める貧しい老いた老人たちを十分に介護できる介護保険、こういうものはきちっと守らなきゃなりませんが、相当部分に自由化を進出させるという、やはり健康保険の世界、医療制度の世界におけるビッグバンを意識されて行動されるべきではないかと思います。
以上で私の話を終わります。