野呂田芳成の発言 (決算行政監視委員会)

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○野呂田国務大臣 このたび防衛庁長官を命ぜられました野呂田芳成であります。誠心誠意相務めたいと思いますので、どうぞ御鞭撻、お引き回しのほど、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、御報告いたします。
 防衛庁におきましては、先日、調達実施本部元幹部の背任事件に関連して、各種の報告の公表等を行いました。本日は、これらにつきまして順次御説明させていただきます。
 まず、四社事案関連文書の管理実態に関する報告につきましては、額賀前防衛庁長官がみずから先頭に立って、自浄能力を発揮し国民の信頼回復を果たすべく、徹底的に調査を実施し、国民的な視点に立ってその結果を取りまとめた上、先月十九日に公表したものであります。
 本報告における調査結果を総括して申し上げますと、強制捜査の直前に防衛庁幹部による資料の移転や処分が行われていた事実を初め、組織的に証拠隠しを行っていたと受け取られてもやむを得ない事例があったことが明らかになりました。また、東京地方検察庁に任意提出する資料から一部を抜き取るといった捜査に非協力的な態度を見せていた事例など、国民の奉仕者たる公務員として厳しく叱責されなければならない事例もありました。国民の信頼を裏切った社会的、道義的な責任は極めて重いと考えております。
 さらに、装備品調達に関する疑惑について防衛庁がみずからの手で真相解明や適切な処理ができなかったこと、また、不十分な事実認識に基づいたまま評価書という形で提出した防衛庁としての見解を撤回することにより、当庁の行政遂行能力や自浄能力について国民の間に重大な不信を招来しました。
 本報告は、今申し上げたようなことを「前言」でまず述べ、幹部については実名も含め、事実関係について詳細に記述してあります。次に、昨年九月以降の事案への取り組みの問題や資料の移転、処分の理由について評価を加えた上で事案を総括し、最後に、かかる事態の再発を防止し、国民の信頼回復を図るための今後の対応について記述してあります。内容の詳細につきましては、配付されております報告本文をごらんいただきたいと存じます。
 防衛庁としては、本報告を踏まえ、関係者に対し、前例のない厳しい処分を先月十九日に実施しました。
 具体的には、四社事案関連資料の取り扱い及び実態解明に向けての一連の取り組みが不十分であったこと、並びにこれらに関する指導監督が不十分であったことを理由として、秋山前事務次官以下三十一名に対し、停職、減給を初めとする処分を実施しました。
 また、このような事態を招きましたことについてのけじめの姿勢を表明するため、額賀前長官及び浜田防衛政務次官が俸給の一部を自主的に返納いたす等しております。
 なお、秋山事務次官以下三名については辞職願が出されましたのでこれを許すこととし、幹部人事の異動を先月二十日に発令して、防衛庁の改革を担っていくための新たな体制を整えたところであります。
 さらに、額賀前長官におかれましても、防衛庁の改革の道筋をつけたことを受けて先月二十日に防衛庁長官の職を辞されたことは、皆様御承知のとおりであります。
 次に、防衛調達改革について申し上げます。
 防衛庁では、防衛調達にかかわる一連の不祥事を厳粛に受けとめ、早急に国民の信頼を回復するべく、先月十九日、額賀前防衛庁長官を本部長とする防衛調達改革本部において「防衛調達改革の基本的方向について」を取りまとめ、公表したところであります。内容の詳細につきましては、配付されております報告本文をごらんいただきたいと存じますが、以下、その概要について御報告させていただきます。
 まず、今般の背任事件の原因となった問題点は幾つかありますが、第一に、調達実施本部内において原価計算部門と契約部門の相互牽制が働かなかったこと、さらに、これらの業務をチェックする立場にある防衛庁内部部局の機能も働かなかったことから、企業及び職員の不正行為をチェックできなかった点が挙げられます。
 また、第二に、随意契約に代表されるように、防衛調達システムにおける契約方式なども外部から見て不透明なものとなっております。
 三点目として、調達実施本部では、調達事務に精通する人材が不足していたため、繰り返し同一部門に特定の者がつくこととなり、組織を閉鎖的にした面があります。
 以上に加え、今回の事件に関連して、自衛隊員の再就職規制の問題なども提起されたところであります。
 防衛庁としては、これらの背任事件に係る問題点のほか、従来から抱えてきた調達の基本的課題をも踏まえ、次のとおり、二十一世紀に向けた抜本的な防衛調達の改革を実施することとしました。
 すなわち、まず、相互チェック機能を確実にするため、調達実施本部を廃止し、ここで行われていた原価計算業務と契約業務をそれぞれ別個の組織に実施させるとともに、内部部局の責任体制を整備するため、調達に係る装備局と経理局の機能を統合するなど、抜本的な組織改革を実施することとしました。
 また、随意契約等の防衛調達の透明性、公正性を確保するため、装備品の仕様の見直し、民生規格の採用拡大を通じた企業間の競争原理の強化など、大幅な制度改革を実施するとともに、公認会計士など部外者から成る第三者監視機関を設置し、契約内容の適正性をチェックすることとしました。
 さらに、調達事務に精通する人材の不足に対応するため、教育システムや研修制度の整備、各自衛隊との人事交流の拡大、民間監査法人の知見、能力の活用等を図ることとしました。
 このほか、自衛隊員の再就職のあり方の問題につきましても、長官の承認を必要とする再就職先の地位の見直しゃ承認する場合の判断基準等の明確化、再就職の審査体制の充実強化、再就職の承認状況の国会報告などを積極的に推進してまいることとしております。
 以上申し述べました諸施策については来年四月までに成案を得ることとしており、私といたしましても、額賀前防衛庁長官に続き、国民各位の防衛庁、自衛隊に対する信頼を早急に回復するため、実現に向けて全力を挙げてまいりたいと考えております。
 私としては、額賀前長官がみずから先頭に立って血を吐く思いで道筋をつけられた防衛庁の改革を、防衛庁職員全体が一丸となって実現し、二度とこのような不祥事を起こさないようにするとともに、一日も早く国民の信頼を回復できますよう渾身の努力をしてまいりたいと考えております。

発言情報

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発言者: 野呂田芳成

speaker_id: 8267

日付: 1998-12-01

院: 衆議院

会議名: 決算行政監視委員会