富田茂之の発言 (地方行政委員会)
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○富田委員 地方交付税の総額を確保するというのは大事なことだと思うのですね。アップしたということは本当に大事だと思うのですが、今のように交付税特別会計借入金をふやし続ける形でやるということは、結局将来の地方交付税を先食いしているわけですから、将来の総額確保が本当にできるのか、こんなことずっとやっていたらできなくなるのじゃないか、そうなったときに、今こういう制度をとっていることが将来地方にとってとんでもないことになるのじゃないかなという懸念があるから、各党の委員はみんな質問するのだと思うのですね。
それを考えると、やはり地方財政について今の借入金体質というのを抜本的に改めて、去年もこの委員会で言わせてもらいましたけれども、五十九年度に立ち戻って、五十九年度のときには十一兆円であそこまでの決断をしたわけですから、もう借りないという決断をしたわけですから、今回二十九兆になるというのですから、やはりもう一度原則に立ち戻る、そういう姿勢を政府として、また自治省として新たにする必要があるのじゃないかなというふうに私は思います。
この点、何度やっても同じようになってしまいますので、大臣、ぜひその点検討していただきたいというふうにお願いしまして、ちょっと次の質問に移らせていただきます。
あと残り十分ちょっとありますので、この法案からは離れますが、現行の衆議院選挙制度について、いろいろ問題があるのじゃないかとマスコミ等でいろいろ報道されております。ここ何日か、本当にこの点に関して、新聞の社説あるいは新聞報道はずっとそこに集中してきていますので、その点ちょっと、何点かお尋ねしたいと思います。
ある新聞の社説にこういう記事がありました。大きな表題をつけて、「議員辞めて議員になる怪」ということで、「現職の衆院議員が、衆院議員になるために、衆院議員を辞めて補欠選挙に立候補するという不思議なことが起こりそうだ。」都知事選に現職の衆議院議員がお二人立候補するということで、その補欠選挙が当然予定される。その補欠選挙に対して、現職の比例区で当選されてきた衆議院議員が補欠選挙に立候補をもう表明されている。そうすると、衆議院をやめて衆議院議員に立候補するという不思議なことが起こるという、今御紹介した社説のようになるのですが、これに対して国民の理解が得られるのかな。自治省にお尋ねしても、選挙制度上問題ない、多分そういうふうに言われると思います、制度上はそういうことが当然起こり得るのだと。
ただ、この社説は非常に問題点を鋭く指摘していまして、「問題は二つある。一つは、なぜ比例代表選挙から小選挙区選挙にくら替えしなければならないのか、という点である。比例選出議員が辞職してもその政党は議席を減らさないですむ。」繰り上げ当選があるからですね。補選で当選できれば一議席ふやせる、ふえる、そういう計算もしているのかもしれない。比例名簿の順位はその時々の情勢で変化して不安定だから、現職が強いと言われる小選挙区型選挙に移って地盤を固めた方が将来の選挙に有利というふうな意図もあるのかもしれない。しかし、考えてほしい。衆議院に比例代表制度を導入したのは、出たい人より出したい人を選ぶためであり、党中心、政策中心の選挙にするためではなかったのかと。
これは、大臣も新進党に一緒にいたときに、こういうことを一緒に議論した覚えもあります。間違いなくこういうことで比例代表の議員を選ぶ、当時新進党は重複立候補をできる限り認めなくて、こういう考えでやったというふうに私は覚えております。私も比例の方で出させていただきましたので、この考えで出たというような思いがあります。
ただ、それは今の選挙制度で、議員を辞職して立候補するのは制度上構わないのだというふうに立候補表明されている方は言われるかもしれませんが、実は「議会法」という国会法の条文解釈をした本がありまして、ぎょうせいの方から出ておりますが、松沢浩一先生という方が書かれておりますけれども、この中で、国会法百七条、「各議院は、その議員の辞職を許可することができる。」この条文の解釈として、このような解釈を述べられております。
そもそも議会の議員は、それぞれ国民の信任を得て選出されるのであるから、その任期中在職して活動することは、国民との関係においては、議員の権利でもあるが、同時にその義務であると言うことができよう。しからば、その進退は軽々に決せられるべきものではなく、当然に正当な理由がなければならないから、各議院の意思に係らしめることとされたのである。国会法で各議院にその議員の辞職の許可権が認められたのは、選任権者である国民にかわってその辞職についての正当な理由の有無を判断せしめるためであるから、この規定形式によれば、議員の恣意的な辞職は許されないとする趣旨は一層明らかになると言えよう、というような解釈を述べられております。
このとおりだと思うのですね。今回都知事選挙に立候補されるという方は、それは別の制度、首長さんを目指して出られるわけですから、それはもうそれで結構だと思うのですが、衆議院議員が衆議院をやめてまた衆議院議員になるというようなことは、この国会法百七条の趣旨からいってもちょっと許されないのじゃないかなというふうに私自身は思います。
大臣という立場を離れて、自由党元幹事長でいらっしゃいますが、自由党の議員さんもこういう形で今出馬されようというふうに、表明されているようです。実は、先ほどこの委員会に来るときに、同じ階におりますのでばったり会いまして、制度上も問題であると私は思いますけれども、どうですかというふうにお尋ねしましたら、いや何も問題ないよ、応援してねと言われたのですが、非常に複雑な気持ちでこの委員会室に来たのです。
大臣はこの点について、この社説が言われるように、本来の比例代表制度というものが目指したものと違ってしまう、また、国会法百七条の規定する、任期中はやはり国民のために尽くすべきだ、そういう趣旨から議院が辞職を許可するというような規定ぶりになっている、こういう点を考えられて、衆議院議員が衆議院をやめて補欠選挙に出てまた衆議院議員になるという、この点について、問題がないというふうに言い切れると思われますか。どうでしょうか。