松崎公昭の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○松崎公昭君 私は、民主党を代表して、ただいま議題となりました内閣提出の年金改正案並びに山本孝史君外四名提出の年金改正案、この両案に対する質問をいたします。
 現在、日本経済は未曾有の長期不況に陥っており、国民は不安な気持ちで生活しております。こうした状況をつくり出したのは、まさに政府・自民党が甘い経済見通しをし続け、景気対策を後手後手に回し、経済構造改革を後退させて、経済危機をいたずらに拡大してきたからにほかなりません。さらに、公的年金や医療制度改革に対する政府・自民党の中途半端な取り組みが、国民の不信、不安を増大させ、その結果、経済的マインドを冷え込ませ、不況をさらに悪化させるという悪循環になっているのであります。
 このような閉塞状況から脱出するには、小手先の施策を積み重ねるだけでは不十分で、思い切った政策展開が必要となります。特に年金、医療など社会保障制度については、二十一世紀少子高齢時代に適合するシステムに改革し、だれもが安心して暮らせるセーフティーネットを築くことが重要ではないでしょうか。
 今、年金や医療、介護など、老後生活に対する国民の不安は極めて大きなものとなっております。国民生活を安心して送るために国がなすべきことは、少子高齢時代における社会保障の全体像を明示し、それに向けた不断の改革を確実に進めていくことだと考えます。
 来年度から介護保険が始まり、高齢者医療制度の再構築とあわせた高齢者の負担が将来どのようになるのかが全くわからない状況の中で、果たして年金だけを考えていいわけがありません。総理の施政方針演説の安心へのかけ橋の中にも、将来にわたる信頼できる安定した社会保障制度を確立すると述べられておられます。小渕総理のお考えになる社会保障のトータルビジョンを明確にお示しください。
 また、関連して伺いますが、政府が何年間もずっと先送りし続けております医療制度及び医療保険制度の抜本改革については、果たして政府はやる気があるのでしょうか。国会が開かれるたびに、今国会でやるとずっと主張されていますが、一向にその気配がありません。これらは大変重要な課題であり、これ以上の先送りは許されません。関係法案の今国会提出を公約すべきと考えますが、総理の御決意を伺います。
 ところで、小渕総理の諮問機関である経済戦略会議が、先般、最終答申を出されました。そこには、全身衰弱している日本経済を再生させるための具体的な提言がなされておりますが、果たして小渕総理は、この答申を今後どのように扱われるのでしょうか。
 答申によれば、年金については、基礎年金部分を税方式に移行し、報酬比例部分は完全民営化を目指すとあります。それはそれで一つの考え方でありますが、政府・自民党の年金制度改正案大綱における考え方や、この間、厚生大臣が御答弁されているように、基礎年金の国庫負担は二分の一が限度であるし、報酬比例部分も将来とも維持するという考え方とは大きくかけ離れたものと思います。
 総理直属の諮問機関と政府、厚生省の年金ビジョンがこうも違うと、国民の将来への不安は募るばかりですし、年金制度に対する不信感が増大するだけではないでしょうか。小渕総理は、将来の年金制度に対し、経済戦略会議と政府案大綱のどちらの考え方をとっていくお考えなのか、明確な御答弁をお願い申し上げます。
 先月、経済企画庁から国民生活選好度調査が報告されました。調査結果によれば、社会人としてスタートしたばかりの二十代の若者でさえ、五四%の人が老後の不安を訴えております。堺屋長官は、こうした若年層の将来への不安をどのように受けとめておられるか、御見解をお伺いいたします。
 また、経済企画庁の経済研究所が発表する調査研究では、基礎年金の税方式が提唱されてもいますが、そうした研究成果は、具体的施策にどのように生かされているのでしょうか。堺屋長官にお伺いをいたします。
 次に、政府案について伺います。
 本案は、毎年引き上げられる国民年金の保険料を来年度以降その引き上げを凍結するという、たったそれだけのものです。保険料の引き上げ凍結は、その解除時期やその後の保険料引き上げ計画、自自合意等で打ち出されている基礎年金国庫負担の引き上げと密接に絡む問題であり、今後提案されるであろう年金改革案と一体として提案すべきであると考えますが、なぜ凍結案のみを切り離して先行提案したのか、厚生大臣の見解をお伺いいたします。
 そういった意味から、本案は年金制度全体の将来のあり方とどのような関連があるのか、全くわかりません。本案の位置づけについての説明もあわせて伺います。
 先日、政府・自民党で合意されました年金制度改正案大綱について伺います。
 大綱によれば、基礎年金は、二〇〇四年までの間に、安定した財源を確保し、別に法律で定めるところにより、国庫負担割合の二分の一への引き上げを図るものとするとあり、さらに、基礎年金の国庫負担割合の引き上げ及び保険料引き上げの凍結解除は同時とし、できるだけ速やかに実施するとあります。
 厚生大臣に伺いますが、凍結解除の時期はいつでしょうか。また、どのような条件が整えば解除されるのか、お尋ねいたします。具体的に、消費税率が引き上げられない限り、国庫負担割合の引き上げは実現しないという考えなのか、答弁を求めます。さらに、結局、消費税率が引き上げられない限り、二〇〇四年以降も国庫負担割合は上がらず、保険料だけが引き上げられることもあり得るのかどうか、厚生大臣の明確な答弁を求めます。
 基礎年金の財源問題については、九四年の前回改正時にも同様の議論があり、その結果、法律の附則に検討条項が盛り込まれ、また本院の附帯決議では、「所要財源の確保を図りつつ、二分の一を目途に引き上げることを検討すること。」と政府に対し注文をつけているわけです。一体、政府はこの五年間何をされてきたのでしょうか。結局、今回も財源を詰められずに、先送りでしょうか。
 当面、二分の一への引き上げに必要な額は約二兆二千億円と言われております。思い切った行財政改革やむだな公共事業の見直しを行えば、ひねり出せない数字ではないと考えますが、いかがでしょうか。また、そういった真剣な検討がなされたのでしょうか。総理の答弁を求めます。
 さて、民主党提出の年金改正法案についてお伺いいたします。
 本改正案によれば、来年度から基礎年金の国庫負担割合を現在の三分の一から二分の一に引き上げ、その分保険料を引き下げるとあります。基礎年金の国庫負担割合を二分の一に引き上げればどのようなメリットがありますか、お尋ねいたします。
 また、税か保険かという議論の中で、民主党はかねてから基礎年金の税方式化を主張しておられますが、なぜ税方式がよいのか、理由をお聞かせください。
 また、民主党は今回の年金改正に対してどのような姿勢で臨んでおられるのか、この際お伺いをしておきます。
 年金制度を運営するに当たって重要なことは、長期的視点に立って、年金財政を安定させることだと思います。ところが、政府案のように、将来の年金制度の方向性を示さないまま、場当たり的に保険料の引き上げを凍結するのでは、将来の年金財政に不安を与えるのみならず、国民の年金制度に対する不信感を増大させるだけではないでしょうか。
 したがって、私は、安定した年金制度の確立が国民の老後生活への安心感を高め、我が国経済に好影響を与えるとの立場から、制度全般にわたる抜本改革、つまり年金制度の土台である基礎年金の抜本改革を速やかに行う必要があると考えます。
 年金制度は、一人の個人にとっても、拠出と受給を含め、六十年間の長いかかわりを持つ超長期の制度であります。好況不況に関係なく、安心のもとに守り続けられる基本理念、原則を国民に示すことが今必要なのであります。そうすることによって年金制度に対する信頼が生まれ、国民が生き抜くことに安心感と希望が持てるのだということを申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕

発言情報

speech_id: 114505254X01219990309_022

発言者: 松崎公昭

speaker_id: 32401

日付: 1999-03-09

院: 衆議院

会議名: 本会議