斉藤鉄夫の発言 (予算委員会)
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○斉藤(鉄)委員 私は、公明党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりました平成十一年度一般会計予算、平成十一年度特別会計予算、平成十一年度政府関係機関予算に反対の立場から討論を行うものであります。
我が国経済は、橋本内閣の経済失政以来、深刻なデフレの波に襲われ、二年連続のマイナス成長という戦後最悪の危機に直面しております。さらに、その根底には、戦後の我が国経済を支えてきた金融、産業、雇用、社会保障など、さまざまな構造システムが完全に疲弊し、新たな構造改革に向けた明確なビジョン、方向性が一向に示されない閉塞感、それに付随して、国民一人一人に広がっている未来への漠然とした不安が払拭されないことにあるのであり、それが結果として消費を手控え、生活防衛へと向かわせているのであります。
私は、日本全体に漂う閉塞感と未来への不安を打破し、目前に迫った二十一世紀を明るい希望あふれる世紀としていくため、構造改革につながる対策を不断に進めるとともに、まずは速やかな景気回復軌道に乗せるための足がかりをつくることが、平成十一年度予算に求められる重要な意義であると考えるものであります。
しかるに、私は、平成十一年度予算案を見ても、だれもが納得できるような明るい展望を見出すことができません。八十一兆円を超える大型予算は、随所にそれなりの景気対策への工夫も見られますが、総じて言えば、一時しのぎの恒久的減税、ばらまき的公共投資、構造改革の先送り予算であり、国民の側からすれば将来への安心を感じることができない予算であると申し上げざるを得ないのであります。
以下、本予算の問題点を指摘しつつ、主な反対の理由を申し述べます。
反対する第一の理由は、景気対策予算として、戦後最悪の大不況の泥沼から立ち上がる上で、国民の側に立った施策を行うべきであるにもかかわらず、その対策が極めて不十分であるということであります。所得税・住民税減税については、恒久減税が見送られた上に、標準世帯で七百九十三万円以下の世帯、給与所得者層では、実に六割強もの世帯が昨年よりも負担増となっております。
私は、長引く不況によって全体的に可処分所得がダウンしている中にあって、中低所得層の負担が軽減されるような激変緩和措置を講ずることこそ、景気対策として今国民が強く求め、また国民の安心へとつながる有効な施策ではないでしょうか。私は戻し税の実施を強く主張するものであります。
住宅税制についても、十一年度の税制改正で住宅ローン減税が大幅拡充されておりますが、残念ながら住宅ローン利子控除制度の創設は見送られました。また、バブル最盛期前後にマイホームを購入したたくさんの方々がローン地獄に苦しんでおられる実態を直視し、私は、既に住宅ローンを組み返済に苦しんでおられる方々に対して、買いかえだけではなく、売り切りの場合も何らかの税制上の措置を講ずることが、これら世帯の生活を守り、かつ消費拡大へとつながる方途であると思います。
反対する第二の理由は、公共事業など景気対策として事業規模が大きく拡大されたものの、内容は従来型の公共事業中心にとどまっていることであります。
今必要なことは、公共事業の抜本的な構造改革を視野に入れつつ、従来型の公共投資を見直し、情報通信、教育、福祉、環境、科学技術、生活関連など、二十一世紀に向けた未来型の新社会資本への投資こそが強く求められているのであります。こうした点、政府予算案は極めて不十分であります。
反対する第三の理由は、本格的な少子高齢社会の到来に向けた構造改革への展望が見えず、予算にも全く反映されていないことであります。
社会保障改革を例に挙げれば、年金制度にしても、ナショナルミニマムの観点から、基礎年金部分の国庫負担を三分の一から二分の一へと改めるよう主張してきましたが、これも先送りになりました。医療保険制度も遅々として進んでおりません。
このように、政府予算では、構造改革への意欲も展望も見えず、これでは国民不安の解消につながらないと言わざるを得ません。
以上、政府案に反対する主な理由を申し述べました。
なお、民主党、日本共産党、社会民主党・市民連合各会派提出の組み替え動議につきましては、我が会派と政策等について相違があることから、反対する旨を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)